小林竜司の死刑判決後の現在と生い立ち【東大阪集団暴行殺人事件】

しかしそれだけに留まらず、主人公らを巻き込んでバイト仲間を強請ろうとするが、バイト仲間の方も仲間を集めて報復に出て、ついには決定的な犯罪が起きてしまう、といったストーリーになっています。きっかけとなる出来事は大げさに描かれていますが、まさに東大阪集団暴行殺人事件そのものといった感じです。

「ヒーローショー」に対する世間の評価

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この映画を見た人からも様々な感想が寄せられています。まず最初に目立つのが、主演を務めたジャルジャルの演技に対する評価です。キャラクターの人間性や感情を絶妙に演じた二人はかなり高い評価を得ています。普段の芸人としての姿とのギャップに驚きを感じる人もいました。

また、この映画はリアルな暴力描写というのにこだわって作られているため、その描写が生ぬるいと感じる方もいるようです。映画の派手なアクションシーンを見慣れていると、生ぬるく感じるのかもしれません。現実ではその”生ぬるい”暴力で人はあっけなく死んでしまうものです。その絶妙なリアリティーに逆に恐怖する人もいました。

「ヒーローショー」のストーリーと元となった事件との違い

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この映画は、元となった事件に忠実に作られたものではありません。映画の中ではきっかけとなった出来事は決定的な肉体関係による浮気でしたが、実際はメールでのやりとりのみでした。また、元となった事件では”友情”の印象が大きく残る出来事ですが、映画の中では人物がより凶悪に描かれており、暴力の恐ろしさを感じます。

暴力に暴力で応酬する、とめどない暴力の連鎖という点は実際のものと共通点がありますが、作品の登場人物の人間性というものは実際のものとは別のものとしてみた方が良いのかもしれません。いずれにしろ、暴力表現などもリアリティーがあるためにかなり後味の残る作品です。

その他の死刑判決が下った事件

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他に死刑の判決が下った事件にはどのようなものがあるのでしょうか?他の事例と比べて、今回の「東大阪集団暴行殺人事件」の判決は果たして重かったのかどうか考えてみましょう。実際に死刑判決が下った事件を今回の「東大阪集団暴行殺人事件」と比較しながら考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

附属池田小事件

付属池田小事件とは、2001年6月8日に宅間守が起こした小学生無差別殺傷事件です。事件の大まかな内容は、犯人である宅間が大阪教育大学付属池田小学校に侵入し、次々と小学生を襲撃したという凄惨な内容となっています。

また、宅間の裁判での様子も公判中にあくびや貧乏ゆすりをしたり、遺族を睨みつけるなどし、反省の色が見えないことから世間の反感を買いました。この事件に関しては学校側の対応不足もあり、被害者も多いことから事件当初はかなり混乱を極めました。付属池田小事件についての詳しい内容が気になる方はこちらの記事でご覧になれます。

和歌山毒物カレー事件

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和歌山毒物カレー事件とは、1998年7月25日に和歌山県和歌山市園部で起きた毒物混入事件です。この事件により、67人が中毒症状を起こしその内の4人は死亡してしまいました。犯人とされるのは林眞須美という人物で、林は無罪を訴えたものの2009年に死刑が確定しました。

この事件の初公判の傍聴希望者は5220人で、これは当時では事件前に名の知られていない人物としては最高記録でした。また、林には動機がないことや、状況証拠のみであるために冤罪の可能性を指摘する人もいます。この事件についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

埼玉愛犬家連続殺人事件

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埼玉愛犬家連続殺人事件とは、1993年に埼玉県熊谷市周辺で起きた連続殺人事件です。犯行を行ったのは元夫婦である関根元と風間博子で、二人は「アフリカケンネル」というペットショップを営んでおり、詐欺まがいの商売を行っていました。そのため顧客とのトラブルが絶えなかったそうです。

2人はある顧客とのトラブルをきっかけに、連続殺人鬼へと変貌します。犬の殺処分用の硝酸ストリキニーネという毒物を用いて毒殺し、遺体を風呂場でバラバラにした上で骨をドラム缶で焼却するなど入念に処理しており、「遺体なき殺人」とも呼ばれました。この事件について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

死刑制度に対する世間の意見

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死刑制度というものに対してはかなり賛否の分かれる意見が挙げられています。いくら国が認めているからと言っても人の命を奪うという事はかなり重大な事であり、そのことを好ましく思わない意見があっても当然です。しかし、世間の意見では死刑に肯定的な意見が過半数を占めています。

残された遺族の気持ちを考えると、死をもって償うというのが妥当だと思う人が多いようです。一方で、冤罪だった場合の事を考えると取り返しがつかないとして、死刑制度に異議を唱える方もいます。確かに、何の罪もない人の命が国によって奪われる可能性があるというのは問題があるようにも思えます。

死刑制度のある国

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現在、死刑制度のある国は世界的に見ても少数派に属します。G7の中ですと、日本とアメリカの2か国だけです。アメリカも州の中では廃止されている州も存在します。このため、世界からは日本の死刑制度を批判するような声も少なくありません。世界的な意見としては、いかなる理由でも人の命を奪うのは野蛮として好まれないようです。

しかし、アジアの周辺では未だに死刑を導入している国々が多いようです。中には死刑執行人という職業を神聖なものと称える風潮のある国もあるほどです。では、死刑を廃止した国では重罪犯にはどのような処罰が下されるのでしょうか。死刑を廃止した国の多くはその代りに終身刑を導入していることが多いようです。

死刑と終身刑の違い

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死刑の代わりに終身刑制度を導入している国があるという話をしましたが、その違いというのはどういったものなのでしょうか。終身刑というのは、よく仮釈放を認めず一生涯に渡って投獄されるものと誤解されますが、実際はそうではありません。実際は仮釈放の可能性のあるものと、ないものの2種類が存在します。

以上の事からして、日本でいう無期刑に近い刑罰であることが分かります。そうやって考えると、とても死刑の代わりとは言えないような気もします。日本から死刑が廃止されない理由の一つとして、この命には命で償うといった形が犯罪の抑止力になっているからなのかもしれません。

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