小林竜司の死刑判決後の現在と生い立ち【東大阪集団暴行殺人事件】

小林竜司との文通・接見による交流を記録した書籍も

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小林竜司との文通や接見による交流を記録した書籍があります。実際に小林と交流した著者によるノンフィクションの作品の内容は、小林の心情や反省の気持ちをうかがえる貴重な書籍です。また、彼との交流を通して徐々に変わり始める著者の心情も、まさに人と人の対話といった臨場感があり、興味深い内容です。

『慈悲と天秤 死刑囚・小林竜司との対話』

慈悲と天秤 死刑囚・小林竜司との対話

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「慈悲と天秤 死刑囚・小林竜司との対話」というタイトルの書籍は、著者が小林との文通や接見などを通じて小林が真摯に罪を認め、犯した行為を深く悔い、被害者やその遺族の為に死刑を受け入れようとしている姿から「彼をこのまま死刑に処してよいのか」と考えるようになっていくという内容になっています。

友を守るため、被害者を残酷な方法で殺害してしまった小林竜司が、今事件について何を思っているのかは大変興味深いです。気になる方はぜひこの書籍をお手に取って、この事件について、又は死刑制度について考えを深めてはいかがでしょうか?

『慈悲と天秤 死刑囚・小林竜司との対話』に対する世間の声

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この書籍を読んだ人からも様々な意見が上がっています。著者は、小林と交流する内にだんだんと友情のようなものを感じ始めます。最終的には「自分の友達を殺さないでほしい」という様な気持ちになるという様な内容から、著者の人間性に対して興味を持つ方も多いようです。

年頃も近いので、この交流を通して特別な感情が芽生えるのも理解できます。そして、死刑に対する疑問が著者の中で産まれ、それを受けて読者自身も死刑に対して考えるきっかけになったという感想もあります。更生の余地が残された若者の命をこのまま闇に葬っても良いものか、考えさせられる書籍です。

「東大阪集団暴行殺人事件」を題材にした映像作品も存在する

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また、この「東大阪集団暴行殺人事件」を題材にした映画も制作されています。東大阪集団暴行殺人事件に忠実なストーリー展開になっており、過激な暴力表現や性的表現があることからR15+指定の作品となっています。暴力表現もかなりリアリティーのある作品なので、ショックを受ける方もいるようです。

パッチギ!を手掛けたことで有名な井筒監督が手掛けた作品

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映画「パッチギ!」を手掛けたことで有名な井筒監督がメガホンを取って作られた映画「ヒーローショー」というのが、この東大阪の事件をもとに作られた作品です。若者の絶望とリアルをテーマに掲げ、非常に生々しい若者の生きざまが描かれたこの作品です。リアルさを表現するためにキャスティングにもこだわったそうです。

昨今の暴力を格好よく表現した青春映画とは一線を画した、暴力を美化しない表現というのが井筒監督のこだわりだそうです。そのリアリティーのある表現から、暴力の生々しさや恐ろしさといったものが人々の心に突き刺さるような、観た後に非常に考えさせられる作品です。

ジャルジャルが主演の映画「ヒーローショー」

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この映画は主演を芸人のジャルジャルのお二人が演じています。芸人である彼らを主演に起用したのは、かっこつけないからこそ切なく、独特の色気のある演技を井筒監督が求めていたからでした。この作品はリアリティーを徹底的に追求した作品なので、俳優さんの作り込まれた演技では少し大げさだったのかもしれません。

芸人だからと言って侮るなかれ、彼らの演技はこの世界観や難しいキャラクターの人間性を見事に表現しました。大げさでない、リアルな演技でまるで知り合いであるかのように観るものの心をひきつけ、観客をこの作品の世界に没入させます。そのためにこの作品を見終わった後も頭の中で考えがめぐってしまう、観終わった後も心を離さない映画です。

「ヒーローショー」のあらすじ

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芸人のジャルジャルが主演を務める「ヒーローショー」という映画は、ヒーローショーの悪役のバイトをしている気弱な男性が主人公となります。ある日主人公のバイト仲間が主人公の先輩の彼女を寝取ってしまったことから彼らは舞台上であるにもかかわらず本気の殴り合いを始めます。

しかしそれだけに留まらず、主人公らを巻き込んでバイト仲間を強請ろうとするが、バイト仲間の方も仲間を集めて報復に出て、ついには決定的な犯罪が起きてしまう、といったストーリーになっています。きっかけとなる出来事は大げさに描かれていますが、まさに東大阪集団暴行殺人事件そのものといった感じです。

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