ホルホルに類似した韓国差別用語
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「ホルホル」は韓国や北朝鮮の人に対する差別語にもなり得るのです。同じような差別用語に「チョン(朝鮮人)」「マンセー(万歳、めでたいとき北朝鮮のアナウンサーがマンセーと叫ぶことから、何かに熱狂することをからかう際に使う)」などがあります。本来は差別用語でない「在日」でさえも、ネトウヨの手にかかると差別用語に変わります。
ここで紹介した言葉は「ホルホル」とは異なって、韓国や北朝鮮の人への明確な差別意識を込めた言葉です。ネトウヨの人が韓国の人とけんかをするために、差別用語を使うのは勝手ですが、そうでない人は絶対に使わないでください。
ホルホル大国アメリカ?
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ただしアメリカ合衆国は別格です。多種多様な民族によって構成される広く複雑な国をひとつにまとめる必要があるためか、この大国はいつも「アメリカ合衆国は偉大だ」と自画自賛(ホルホル)しています。
トランプ大統領のスローガン
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2016年の大統領選挙で、共和党のトランプ候補(現大統領)は「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン(アメリカを再び偉大に)」をスローガンに選挙戦を戦いました。再選を目指す次の選挙では「キープ・アメリカ・グレイト(アメリカを偉大なままに)」をスローガンにするそうです。
このふたつのスローガンは、いずれも典型的な自画自賛(ホルホル)だといわなくてはならないでしょう。そうしてそのようなトランプ氏を熱狂的に支持するアメリカの民衆も、このような自画自賛(ホルホル)のスローガンに酔っているのです。
ホルホルと差別の闇
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「ホルホル」はネトウヨ御用達の用語で、使い方によっては差別的な要素を含んだ言葉にもなり得ます。そもそも「日本は素晴らしい」といったホルホル状態の裏側には、「日本の他の国はたいしたことがない」という見下した感情も含まれているわけで、差別と完全に無縁なホルホル状態は存在しない、と言い切ってかまわないかもしれません。
民族差別について
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民族差別とは、その人が所属する民族によって差別を行うことです。日本では、韓国・朝鮮人や中国人に対する差別が民族差別にあたります。相手を軽べつするために、特定の民族名で(特に差別語を使って)呼ぶ場合もそうです。その人が日本人とは異なる民族であることで、就職や結婚を断られたり、家を借りるのを断られたりすることも差別です。
差別は古くて新しい問題
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韓国や朝鮮の人への差別の問題は、たくさんの人々の地道な活動で不当なものであることが次第に理解され、その結果をマスメディアが社会に伝えたり、学校でさまざまな形で教えたりして、1990年代には一応解決したと考えられてきました。しかし現在、つまり2010年代になって、それらががまた復活する気配があるのです。
「ホルホル」のようなボーダーラインにある言葉だけでなく、もっとあからさまな差別語もネットで見つけることができるのが今の時代です。ネトウヨの人たちは、SNSなどインターネットを通じた発言の匿名性を利用して、1990年代には社会から消えつつあった差別的発言を、インターネット上であっけらかんと行い、再び広めようとしています。
日本にはホルホル本もある!
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近ごろ「日本はすごい!」とか「世界は日本人を尊敬している」といった内容の、日本を自画自賛した本を書店でよく見かけます。現代の日本は「ホルホル番組」だけでなく「ホルホル本」であふれ返っているのです。
戦前からホルホル本はあった!
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ホルホル本は今の日本にだけ存在するのではありません。第二次世界大戦前の1930年代のころにも、やはり日本にはホルホル本やホルホル雑誌が出版されていました。現在の日本の雰囲気が、その頃とどこか似ている、という人もいます。
本でもやはり「日本はすごい」がテーマ
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そのころのホルホル本の内容も、すべて「日本の偉大さはここだ」といったたぐいの話題でいっぱいでした。戦争を前にして言論の統制が進んでいた時代です。庶民はホルホル本のことを「あほらしい」とは口が裂けても言えなかったでしょう。現在はホルホル本の並ぶ本屋の棚を、良く思わない日本人も多いです。
ホルホルの使い方には注意が必要!
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「ホルホル」は自画自賛を表現する言葉です。それだけでなく場合によっては差別用語にもなります。マイナスイメージの強い言葉ですが「ホルホル番組」「ホルホル本」など、ものごとの核心をずばりと突くのに利用できます。
「ホルホル」は絶対に使ってはいけない言葉ではありませんが、使い方を間違えると相手にとても不快な思いをさせることにならないとも限りません。どうしても使いたいときは、ホルホルという言葉が与える効果を十分に理解して、適切かつ慎重な使い方をするようにしましょう。