ホルホルとは?誇らしげな様子を表わす言葉!
- Pexels / Pixabay
ホルホルは、せき払いの音を表す韓国の擬声語に由来します。偉い人が自慢たらしく「エヘン、エヘン」とせき払いをする時の音をあらわしているので、もともとからあまり感じの良い言葉とされていません。そして現在、ホルホルはせき払いだけでなく「自画自賛」のスラングへと意味が広げられ、韓国だけでなく日本でも使われています。
ホルホルの元ネタは?
- PublicDomainPictures / Pixabay
この奇妙だけど愉快な響きのある「ホルホル」という言葉のルーツは、韓国にあることがわかっています。しかしどのようにしてネットスラングとして広まっていったのでしょうか?2つの説が唱えられているので、簡単に紹介します。
機械翻訳が韓国語の笑い声を「ホルホル」と翻訳
- 出典:PhotoAC
なぜ韓国語のせき払いが「ホルホル」と表現されるようになったかというと、NAVER ENJOY Korea という日本語と韓国語の翻訳サービスサイト(現在は閉鎖)が、韓国語の笑い声を「ホルホル」と訳してしまったことが原因とされています。
NAVER ENJOY Korea の翻訳の精度はそれほど高くなく、くせの強い「NAVER語」と呼ばれる翻訳が、日韓双方を行きかったことで知られているので、「ホルホル」も、もともとはNAVER語の一種だったと推定できます。
韓国ゲーム「HOL HOL」が語源説
- StartupStockPhotos / Pixabay
もうひとつの「ホルホル」の語源として伝えられえているのは、「HOLHOL(ホルホル)」という名前の1982年に発売された、韓国のテレビゲームです。ただしこちらの説よりは、前に書いた「機械翻訳で生まれたNAVER語のひとつである」という説の方が、はるかに有力です。
ホルホルの使い方と類語は?
- ElisaRiva / Pixabay
当初「ホルホル」という表現が最もひんぱんに使われていたのは、日韓の両国人が、けなし合いのために使っていたインターネット上の掲示板です。このことからホルホルは決して「きれいな」言葉としてスタートしたのでないことが、わかります。
韓国人が有頂天な様子を示すときに使う
- 出典:PhotoAC
ホルホルは当初、韓国人が日本人をののしって、自分が有頂天になる場合に使った表現です。「韓国はこんなに進んでいるのに日本はまだまだだな、エヘン」といったような発言を、日本人側がからかって「あの人、調子にのってホルホルしている」と呼びました。
ホルホルの基準はあいまい
- www453017508 / Pixabay
ただし、何をもって「ホルホル」と認定するかは、あくまでも受け手の側の主観によるものです。発言者がものごとを分析して冷静に発言した場合でも、人によっては「あの人、ホルホルしている」と感じる場合もあったりします。
「ウェー、ハッハッハッ」も同じように使用できる
- 出典:PhotoAC
「ホルホル」と同じ意味の表現として「ウェー、ハッハッハ」というものがあります。これは2003年1月の北朝鮮からの放送に由来しています。この放送は、拉致問題に対する日本の態度がハレンチだと散々からかった後で、「ウェー、ハッハッハ」という笑い声で終わりました。
この「ウェー、ハッハッハ」の尊大なくせにこっけいな響きを、当時の2ちゃんねるのユーザーたちは面白がってさっそく自分たちの会話に取り入れ、あっという間にインターネットの世界に広めてしまいました。
韓国人が「ホルホル」する歴史自慢の例
- JJuni / Pixabay
韓国人は、自国の古い歴史に対してとても強いプライドを持っています。しかしその様子がかわいらしくなるほど強烈な自画自賛をしていて、まさに「ホルホル状態」そのものとしか、説明できません。
「韓国の歴史は5000年」と言う姿がホルホル
- 出典:PhotoAC
日本には、神武天皇の即位の年(紀元前660年)を起源とする皇紀がありますが、韓国にも初代の国王といわれている檀君(だんくん)の即位から始まる檀紀(だんき)が存在していて、その起源は紀元前2333年です。神武天皇も檀君も伝説上の人物ですが、韓国の方が古さが桁違いです。
したがって、日本人の一部が「万世一系」の日本の皇室を自画自賛するように、韓国人の一部も自国の歴史が5000年近くあることを自画自賛、つまりホルホルしているのです。ちなみに2019年は皇紀では2679年、檀紀では4352年です。
「高句麗人はヨーロッパの父」という主張でもホルホル
- MichaelGaida / Pixabay
8世紀に高仙芝(こうせんし)という高句麗(昔の韓国にあった国)生まれの唐の将軍が、イスラム教徒の国と戦争をして大敗しました。そのため彼の部下の中国人がたくさん捕虜になりました。捕虜の中には紙の作り方を知っている者がいたため製紙技術がイスラムの国に、そして12世紀にはさらにヨーロッパに伝わり、文化の発展に貢献しました。
とてもスケールの大きい話ですが、この話をもとに「高仙芝がヨーロッパ文明の父」であるという記事が書かれてしまったのには、もっとびっくりです。まさに「ホルホル」としか形容ができません。
日本人は「ホルホル」強め!
- DavidRockDesign / Pixabay
実は日本人も、韓国人におとらずホルホル度が強い民族です。日本が2020年東京へオリンピックを誘致したときに、日本人は「お・も・て・な・し」の心に満ちていると強調していたのを覚えていませんか?あれこそ日本人が日本民族を自画自賛するホルホル状態の典型だといえます。
外国に日本の文化が認められているとホルホル
- Kanenori / Pixabay
日本人はしばしば日本文化は優秀で素晴らしいと、世界に向かって自画自賛します。しかし日本マニアの一部の外国人を除いた世界の一般の人々にとって、日本文化と中国や韓国の文化の区別がつかないことがあるのも事実です。
いくら日本の「おもてなし」の心を宣伝しても、すべての観光客がそれを理解して、感激して帰国するでしょうか?人によっては「日本人はやり過ぎだ、返って鼻につく」と感じる人もいるようです。
大坂なおみさんでホルホル
日本選手として活躍しているとはいえ、本人はアメリカ育ちで日本語があまり得意でない大坂なおみさん(テニス選手)に、インタビューで「日本語で気持ちを表現してください。」としつこく食い下がる記者がいました。大坂さんは英語で答える考えを明確にしているし、通訳も付いているのにです。
記者はよほど、大坂さんのチャーミングな片言の日本語を、日本中にお披露目したかったのでしょう。これはまさしくインタビューした記者が、ホルホル状態で舞い上がっていたからに他なりません。
綾鷹の広告もホルホルしていた!
お茶飲料の「綾鷹」の広告用ポスターに、「日本人の味覚は繊細」とホルホルするような文句が踊っていました。これを見て「恥ずかしい」とコメントした人がいます。確かに味覚は育った環境に関係しています。日本料理は伝統的にバラエティに富んだ素材を使うから、それを食べて育った人は、微妙な味覚を感じるように訓練されます。
しかしたとえば肉食中心の西洋人なら感じるかもしれない肉の味や質の微妙な違い、それに添えるソースのバラエティーにとんだおいしさは、一般的な日本人にとって、理解できない世界かもしれません。またスパイスを多く使うエスニックな食文化において、スパイスの微妙な差がわかる日本人がどれほどいるでしょうか。
韓国と日本にはホルホルの感覚に違いがある?
- johnhain / Pixabay
日本と韓国のホルホル合戦は「どちらもどちら」といった感じです。しかし互いの国がこのようにホルホルという言葉を使って自慢し合い、けなし合いをするのには何か理由があるのでしょうか?両国の国民の一部が互いに「ホルホル」したがる裏には、自国の歴史に対するコンプレックスが潜んでいるようです。
韓国のホルホルは「妄想型」?
- geralt / Pixabay
韓国は、第二次世界大戦や朝鮮戦争などの長く激しい歴史を経験した後で、やっと豊かな国の仲間入りをしました。そのため「自分の国はまだまだ遅れている、がんばらなくちゃ」といった妄想が、まだ一部の人々の頭の中に残っているのでしょうか?
その引け目をカバーするために、自国の古い歴史や、つい自慢したくなる最近の成功事例を取り上げて「どうだ、ぼく達の国はこんなにすごいのだよ」と、かつて自分たちを支配していた国である日本の人々に対して、ホルホルしたくなるのかもしれません。
日本のホルホルは「屈折型」?
- gr8effect / Pixabay
一方の日本の場合、明治維新から順調に国の近代化を進め「富国強兵」をやりとげたという自負があるものの、第二次世界大戦の敗戦ですべての価値観がひっくり返ってしまった、という屈折した歴史があります。
その屈折した負け犬根性をネトウヨの人たちは、かつて日本の植民地であったお隣の韓国にぶちまけけて、日本人は本当は優秀なのだ、と自画自賛(ホルホル)したい気持ちがいっぱいなのではないななでしょうか?
「日本はすごい」がテーマのTV番組はホルホルしてる!
- makamuki0 / Pixabay
近ごろ「日本はすごい」「日本人はすごい」「日本文化がすごい」をテーマにしたテレビ番組が、お茶の間をにぎわせています。このような日本礼賛番組のことを「ホルホル番組」と呼びます。ここではこのようなホルホル番組のうち、代表的なものをいくつか紹介します。
紹介をちらっと見ただけでは「これがホルホル?」と感じてしまうかもしれませんが、番組の結論が、必然的に「やっぱり日本は面白い」というものになってしまうことを、頭に入れておいてください。
ホルホル番組①「COOL JAPAN~発掘!かっこいいニッポン〜」
2006年5月からNHK-BS1(衛星放送)で放送中の番組です。来日して間もない外国人8人程度に集まってもらい、日本の素晴らしい(と思われる)文化を紹介した数本のビデオを見ながら意見を交わし、最後に司会がどれが最も格好良い(ベスト・オブ・クール、Best of Cool)かを決めるバラエティ番組です。
ホルホル番組②「ネプ&イモトの世界番付」
日本テレビ系列で2011年10月から2016年3月まで放送されました。メインキャストはネプチューンとイモトアヤコ。さまざまな世界ランキングを紹介しながら、スタジオに集まった外国人のタレント20名が、各国の制度や風習の違いについてトークをくり広げるバラエティ番組です。タレントが現地調査を行うこともあります。
ホルホル番組③「世界一受けたい授業」
2004年10月30日から日本テレビ系列で放送されています。司会(校長)は堺正章。著名人を先生に迎えて「国語」「算数」「理科」などの授業をしてもらう教育バラエティ番組です。国際的な有名人が先生として招かれることもあり、ソ連のゴルバチョフ元大統領、オノ・ヨーコさん、アメリカのゴア副大統領などが登場しました。
ホルホル番組④「アメージパング!」
TBSとその一部の系列局で、2014年4月から放送されています。日本で暮らす外国人がリポーターになって、日本文化を紹介するバラエティ番組です。優秀なレポートはYouTubeで世界に向けて発信されます。タイトルの「アメージパング」は「アメージング(Amazing、すごい)と「ジパング(日本)」を組み合わせた造語です。