河内弁は怖い?怖いと言われる方言の特徴や例文一覧、大阪弁との違いまとめ

間投助詞の「なあ(ねえ)」が転じて「のう」となったものでこれは比較的何処でもよく聞く言葉です。例えば「今日は寒いねえ」→「今日は寒いのう」、「よく来たなあ、お前」→「よう来たのう、ワレ」と言った具合です。

「けつかる」などの罵倒語を使う

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「けつかる」という言葉はもともと「ある」とか「いる」を卑しめて言う言葉で河内弁では相手を罵倒する時に用いられます。例えば「お前何してるんだ!」と標準語で言うところ、これが河内弁になると「われ何さらしてけつかるんじゃあ!」とかなり喧嘩っ早い印象となります。

河内弁の使用例一覧

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方言は実際に耳で聞かないとアクセントや独特な言い回しなどがなかなか伝わりづらいところがありますが、使用例をいくつか紹介しましょう。この中には河内に限定されず他の地域で使われている言葉も含まれます。

使用例①

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・いちびる(ふざける)→いちびってんとちゃんとしぃや!(ふざけていないでちゃんとしなさい!)・いっこる(行きよる(軽卑語))→いつもいっこるわ(いつも行きよるわ)・いのく(動く)→よう、いのきはる人やなぁ(よく動く人だなぁ)・おどれ、おんどれ(おのれ、お前)→おんどりゃあー!(お前なぁー!)・

使用例②

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おもろい(面白い)→おもろい人やなぁ(面白い人だなあ)・ぬかす(言う)→何ぬかしとんねん(何言ってるんだ!)・ねん(だ、だよ)→ひとりで行くねん(ひとりで行くよ)・飲んもる(飲みやがる)→よう飲んもるなあ(よく飲みやがるなあ)・はる(なさる)→何処へ行きはりまんねん(何処へ行きなさりますか?)

使用例③

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ほる(捨てる)→この紙ほっといて(この紙捨てといて)・まいっぺん(もう一回)→まいっぺんゆうてみて(もう一回言ってみて)・みぬき、ゆぬき(ゆで卵)→みぬき作って(ゆで卵作って)・めばちこ(ものもらい)→めばちこできてるわ(ものもらいできてるわ)・よす(入れる)→わてもよしてぇ(私も仲間に入れて)・

河内弁は他の大阪弁と違うの?

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大阪弁は主に大阪全体の方言をまとめた呼び名で実際には河内弁の他に摂津弁、泉州弁と呼ばれる二つの方言があります。それぞれの方言は周辺地区の影響を受け、またその地域の地理的な状況や環境から言葉にも少し違いが見られる様です。

河内弁と泉州弁の違い

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泉州弁は大阪の南西部のあたりで使用されており河内弁と同様に語尾に「け」を付けるのが特徴です。泉州弁の中でも南の方面は紀州弁の影響も多く見られ、また泉州弁には敬語に当たる言葉がほとんど無いため初対面で話すと馴れ馴れしく少し荒っぽい印象を受けます。

河内弁と摂津弁の違い

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摂津弁は大阪の北中部周辺~兵庫県の南東部のあたりまで使用されています。江戸時代に大阪商人達が使っていた「船場言葉」という丁寧な言葉遣いが受けつがれているため大阪弁の中でも品のある言葉として認知され河内弁とは対照的だと言えます。

同じ河内弁でも地域によって違う!

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河内地方は北から南に長いのでその土地によって違いが見られます。北河内は京都と隣接しているため京言葉と重なるところがあり、中河内が最も周りからの影響の少ない言葉を話し、南河内は隣りの泉州の影響が強く見られる様です。

その土地ごとに様々な方言があることがわかりましたが中国地方には「いんぐりもんぐり」という言葉があるそうです。バンド名にもなっているというこの言葉の意味を知りたい方はこちらの記事も読んでみて下さい。

河内にゆかりのある作家達

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大阪出身の作家は名前を挙げたらキリがないくらい大勢いますが、その中には特に河内にゆかりの深い作家もいます。ここでは河内にゆかりの深い作家とその作品についていくつかご紹介しましょう。

今東光:「悪名」

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今東光は生まれは横浜ですが昭和26年から昭和50年まで大阪府八尾市に住んでいました。「お吟さま」で直木賞を受賞。河内を題材にした作品も多く、ヤクザ映画で有名な「悪名」の原作者でもあります。残念ながらほとんどの作品が絶版になっています。八尾市にある八尾図書館の3階に今東光資料館が設置されています。

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