恩寵園事件とは?児童養護施設で起きた虐待事件の判決や要因、その後

千葉県に対して10万円~80万円の支払い命令

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千葉県に対しては、本当の意味での「児童養護施設」を設置することが責任であると、10〜80万円の支払いを命じました。園及び大濱浩園長に対する賠償責任は「国家賠償法」の適用を受けるとされたためなんと認められなかったのです。

子供たちからの再三の訴えや改善希望があったにもかかわらず、責任逃れのためにずさんな対応を繰り返し、悲劇を生んだにもかかわらず、気持ち程度の支払い命令しか出なかったことも多くの市民が疑問を感じました。

恩寵園事件の発覚と千葉県のずさんな対応

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長い間水面下で起きていた虐待行為が明らかになっていたにも関わらず、適切な指導をしなかったがために悲劇は繰り返され、そして子供たちからの訴えを受けたのにも関わらず、千葉県はずさんな対応を繰り返してました。

児童相談所へ体罰を訴える匿名の電話があり訪問指導

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19958月には児童相談所に匿名で虐待の事実の赤裸々な告発があり、千葉県と児童相談所は虐待の事実を確認したため、恩寵園に対して口頭での指導ではなく、現地に赴いての訪問指導を行いました。

虐待が無くならないことをみかねた職員が一斉に辞職

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そして恩寵園には千葉県と児童相談所から訪問指導を受けましたが、効果はなく、引き続き虐待行為は繰り返されました。子供たちを守ろうとしていた職員たちは大濱浩園長に抗議の意味で一斉に辞職を表明しました。

13名の児童が4か所の児童相談所へ逃げ込むも恩寵園へ戻される

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自分たちをかばっていた職員たちがいなくなると知った子供たちの内13人が虐待から逃れるために4箇所の児童相談所を目指し、それぞれ脱走しました。逃げ込んだ先の児童相談所にて虐待の事実を訴えましたが、園長への対処も養護施設への移管もせずに元の恩寵園に引き戻しました。

この事実を知り虐待をしないと誓った園長に対して、それならと辞表を提出した職員たちも撤回しました。ですが県は、過去の卑劣な虐待を知りながら、渦中の園長にはこれ以上の責任追及を行わず、施設側だけの指導で問題を解決しようとしました。責任を問ってしまうと、今まで放置した県の責任も問われるとの判断でした。

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