バッキー事件とは?栗山龍や被害者たちの現在!卑劣な撮影内容や手口とは

バッキーの撮影現場では、流血沙汰も当たり前でした。出演した女性たちが、死に至る寸前という危険な状態に陥ったり、重篤な後遺症に苦しむというケースも、一つや二つではありません。

直腸に傷害を負わされ、直腸穿孔、肛門裂傷と診断された女性は、処置が一歩遅ければ命を落とす恐れもあったとのことです。そして全治に4ヶ月を要したうえ、人工肛門の装着を余儀なくされています。術後40%の確率で死亡する可能性があるという、危険な手術も受けざるを得ませんでした。

バッキービジュアルプランニングが制作した狂気の作品たち

バッキー制作のアダルトビデオは、『セックス・オン・ザ・ドラッグ』『ガチ拉致』『レイプレイプレイプ』など、どれもこれもタイトルからして狂気じみており、内容のおぞましさがうかがえます。しかも、それらは「ガチンコ撮影」などと称して、演出なしで撮られたものだったというので、被害者の苦痛、恐怖たるや想像を絶するものです。

数あるタイトルの中でも、事件において特に問題視され、刑事事件として取り沙汰されたのが『問答無用・強制子宮破壊』シリーズと『水地獄・一丁目』という作品でした。非道に満ちたその内容を紹介します。

演出なしの暴力映像『問答無用・強制子宮破壊』シリーズ

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2003年から2005年にかけて20本のタイトルが発売されたシリーズです。カメラは女優が契約書にサインするところから回り始めます。迫真のレイプ描写を撮影するために、彼女たちにはその内容をライトなSM程度のものだと思い込ませていました。そして、契約が完了した瞬間にスタッフはその態度を豹変させ、集団レイプを始めるのです。

さらに、ひとしきり凌辱シーンを撮影し終わっても、女優を安堵させることはありません。さらなる乱暴行為が続けられ、恐怖や苦痛に泣き叫ぶ女性の姿が映されます。

バッキー事件で取り沙汰された問題のシーン

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シリーズのどの作品においても、女性が顔や腹を何度も平手打ちされたり、髪の毛を掴まれて引き回されている様子は珍しくありません。

先に紹介したような、浴槽や便器に水をためて、女性の顔を沈める様子、そして、ロートを使って強制飲酒をさせた挙句、女性を意識不明にさせる様子も、このシリーズの作品内に映されているものです。また、中には恐怖のあまりスタジオから裸で逃げ出した女性が、警察から職務質問を受けている様子まで撮影されたものもあります。

続編制作が中止となった『水地獄・一丁目』

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『問答無用・強制子宮破壊』シリーズにおいて、水責めのシーンが好評だったために制作されたタイトルです。2004年11月から発売されています。その内容は、前半では普通の性行為が映されていますが、後半はプールや水槽で女優を溺れさせ、彼女が水や胃液を吐き出して苦しむ姿が映されているというものです。

この作品はシリーズ化する予定だったため、2作目の制作が開始されていました。しかし、その撮影に際して、12時間にも渡って女性を暴行した挙句、重傷を負わせたため、企画中止となります。

バッキー事件を起こした犯人たち

人を人とも思わない鬼畜の所業は、会社ぐるみで繰り返されていました。そのためバッキーの社長である栗山龍が主犯として逮捕されたほか、加害者のほとんどがバッキーに深く関わる人物たちでした。彼らの仕事はもはや、アダルトビデオを作ることではなく、単に女性を痛めつけることだったと言っても、過言ではないでしょう。

そんな、バッキー事件を引き起こした、犯人たちを紹介していきましょう。まともな人間性を持ち合わせていないと痛烈に批判されている、彼らの人物像をうかがい知ることができます。とくに、主犯格である栗山に関しては、根っからの危険人物であることを明らかにするエピソードがあります。

バッキー事件の犯人①主犯は社長の栗山龍(栗山竜)

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栗山龍はバッキービジュアルプランニングの創業者であり代表取締役だった男です。バッキー事件においては首謀者とされました。本名は栗山竜。逮捕当時の年齢は40歳です。業界では鬼畜モノアダルトビデオのカリスマと呼ばれ、その名を轟かせていました。50億円以上の年収を稼いでいたと豪語しており、資産家、実業家としても知られています。

根っからのサディストで異常性癖の持ち主です。そのことは、幼いころから猫を殺すことに快感を覚え、趣味としていたというエピソード一つ取っても、十分にうかがい知ることができるでしょう。挙句の果てには、既成のハード系アダルトビデオを見るだけでは飽き足らなくなり、自身で制作会社を立ち上げるに至ったわけです。

猫を殺すのが趣味という異常な趣向

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嗜虐的な性癖を持つ栗山は、猫殺しという残虐な趣味を持っていることを公言していました。捨て猫を拾ったり、仔猫を買い取ってから、それらを水に沈めて溺死させたり、車で轢き殺したりしていたのです。「猫を殺すとゾクゾクする」このように語っていたと言います。しかも、彼が幼いころから、この残虐な趣味は続けられていたそうです。

ちなみに、猫殺しなど動物虐待を繰り返している人物は、大量殺人など重大な事件を引き起こす犯人になりやすいと、世界各国から報告されています。池田小児童殺傷事件や、神戸連続児童殺傷事件の犯人も猫殺しを行っていました。殺人事件ではないものの、バッキー事件という悲惨な事件を引き起こした栗山も、その一例となったと言えるでしょう。

自分が満足するためにバッキーを設立した

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猫を殺して楽しむほどの嗜虐趣味を持つ栗山は、SM好きでもあり、アダルトビデオについてもその手のジャンルを好んで見ていました。ところが、それまでに販売されているビデオでは、どんなにハードなものでも物足りなくなったと彼は言います。バッキービジュアルプランニング設立の一番の目的は、栗山の性的欲求を満足させることだったのです。

深刻な被害が生まれた理由はそこにあるとも言えます。単に営利目的の撮影であったなら、社会通念や安全性が考慮され、どこかの段階で歯止めがかかった可能性があるでしょう。しかし、バッキーによるAV制作の本質が、彼個人の性的欲求に基づいているのだとしたら、後先考えず、行動がエスカレートしたとしてもおかしくはありません。

SMクラブなども経営し自称年収50億

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栗山は実業家としての才覚もあったようで、アダルトビデオメーカーを起業した他に、「クラリス」という名のSMクラブも経営していました。経営コンサルタント業も手掛け、数々の企業を顧客としていたと言われています。また、90年代に普及した「ダイヤルQ2」という通信サービスを利用した事業で大成功し、多額の資金を調達したようです。

それらによる収入は年間で50億円に達していたと自称しており、その裕福な暮らしぶりは、週刊誌などにも取り上げられました。彼が2枚持つアメックスセンチュリオンというクレジットカードは、ゴールドカードの上をいく最高ランクのものです。また、世界に7台しかない限定生産のフェラーリなど、高級車を17台も所有していました。

バッキー事件の犯人②監督・ハリケーン三郎(濱田太平洋)

ハリケーン三郎は撮影の監督であり、現場責任者でした。本名は濱田太平洋。逮捕時の年齢は26歳です。ボクシングやキックボクシングの経験があり、過去にはプロとしても活動しています。バッキー事件で逮捕状が出た際には、ネット上で逃亡することを宣言しました。その言葉通り、4ヶ月近く行方をくらませましたが、敢え無く逮捕されています。

彼が逮捕されるのはこれが初めてではありません。2003年9月7日の朝、ハリケーン三郎は人通りの盛んな渋谷センター街の路上で、女優と男優にハレンチ行為をさせ、それを撮影していました。周囲にはすぐに人だかりができましたが、それを不審に思った警察が駆け付け、彼らは公然わいせつ罪で現行犯逮捕されたのです。

バッキー事件の犯人③専属カメラマン・椎葉(坂場三紀夫)

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椎葉(C-BAとも呼ばれる)は、当時38歳のバッキー専属カメラマンです。本名は坂場三紀夫。覚せい剤取締法違反などにより3犯に及ぶ前科を持っていました。「女優には指一本触れていない」「打ち合わせにも参加していない」などと主張し、同罪で立件されることに対して不服を申し立ていたということです。

現在は「abcDAYs」というクリエーター集団に所属し、ライターやコラムニストとして活動しています。得意分野は犯罪やアウトロー、ドラッグなどだそうです。晋遊舎の「VAMP」や芸文社の「ケンガイ」といった多数の雑誌でコラムの執筆を担当しています。

バッキー事件の犯人④映像編集ライター・猫屋陽平(岩崎悟)

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猫屋陽平は映像の編集に携わっていた、当時28歳の人物です。本名は岩崎悟。早稲田大学第一文学部卒業という学歴と、舟橋聖一顕彰青年文学賞受賞という経歴の持ち主ですが、借金返済のためにバッキーで働いていました。現在は名前を変えてフリーライターや脚本の仕事をしているそうです。彼も「abcDAYs」に所属しています。

犯行への直接的な関与はなかったとして逮捕には至りませんでしたが、彼もカメラマンとして現場に立っていたことが判明しています。また、後に事件の回想記をネット上に投稿しました。そのほか、2ちゃんねるやバッキー事件関連のブログなど出現し、加害者を擁護するようなコメントをしたことで、大きな反感を買っています。

バッキー事件の犯人⑤男優・パンティー仮面(中村件臣)

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事件当時32歳だったパンティー仮面こと中村件臣も、前科を持っていました。2004年1月に、アルバイトとしてAVに出演した男性を、暴行したうえで拉致監禁したのです。逮捕・起訴された彼は、懲役2年執行猶予4年の刑に処せられていました。それが元で一度はバッキーから解雇されましたが、2年後には引き戻されたそうです。

一方で、監督のハリケーン三郎こと濱田太平洋の弟子とも言われており、AV監督や制作会社の代表という顔も持っています。バッキー事件においては、『水地獄』の撮影に参加。出演女優に対して水責めなどの暴力行為を加え、傷害を負わせた実行犯として、逮捕されました。前の事件の執行猶予期間中のことです。

バッキー事件の犯人⑥男優・ジャニーズ光太郎(矢野光太郎)

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パンティー仮面こと中村件臣の誘いを受けてバッキーに入社した当時29歳のAV男優です。元ホストであり、イケメン男優として知られていました。2006年6月にバッキーに入社し、『子宮破壊』シリーズや『水地獄』を含める数々の作品に出演しています。バッキー関係者の中では珍しく自分の責任を認め、反省する態度を示したそうです。

しかし、彼の異常性もまた、映像を見れば明らかです。女優を急性アルコール中毒にさせた撮影では、ロートを用いて積極的に飲酒を強制し、「飲まないと殺す」と脅しています。さらには「ごめんなさい」と繰り返す女性に殴るけるの暴行を加え、床にこぼれた焼酎を吸わせる姿も、ビデオには残されていました。

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