彼は松田優作に似ていると言われ、比較されるほどだったので、似た者同士で何か相通じるものがあったのではないでしょうか。飲みに行った際には、「お前、それでやり続けていけよ」また「ちょっとエンジンかかるの遅いかもしれないけど、やり続けていけよ」等とアドバイスを行ったと言われています。
また彼は、「(俳優を続ける事で)いつかは自分の色というものが出てくるのだろう」「若い世代は自分を知る事で向こう(松田優作らの俳優)を知ろうと思う事にもなるのだろう」とインタビューで答えています。アクション俳優を継いでいく気概が現れています。彼にとって松田優作は心から尊敬する存在だったのではないでしょうか。
又野誠治が松田優作のモノマネをしていた事も
彼は「太陽にほえろ」に出演する前にモノマネをしていた事があり、その相手が松田優作でした。松田優作は、「太陽にほえろ」の中でジーパン刑事として出演していました。又野誠治は、お笑いオーディション番組で、このジーパン刑事のモノマネを披露していたのです。
彼が芸能界に進出したのは、実はこのお笑いオーディション番組だったといいます。つまり、初めはモノマネをしていたのに、その元ネタの番組である「太陽にほえろ」にレギュラー出演するようになり、しかもモノマネ相手の松田優作の役(ジーパン刑事)に似ていると言われる役(ブルース刑事)をつかみ取ってしまったわけです。
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又野誠治と稲川淳二の関係とは?
又野誠治について調べてみると稲川淳二という名が挙がってくることが多いので、二人にどんな関係があるのかよく疑問視されています。いったいどのような関係があるというのでしょうか。稲川淳二は、怪談に定評のあるタレントです。
又野誠治と思われる人物が稲川淳二の怪談に登場した
稲川淳二は怪談の話し方が特徴的です。その独特な口調には、聞く人の恐怖を増幅する効果があります。稲川淳二の怪談の中に、死んだ俳優が登場したものがあり、彼であったとされています。それが「三月の工房」という話です。このことから、又野誠治と稲川淳二に関係があるといわれるようになったようです。
又野誠治の事だと言われている「三月の工房」とは
「三月の工房」は、「稲川淳二の超怖い話」というシリーズの中に収録されています。2005年版「怪談伝説」の第1弾です。稲川淳二が自分の工房で何かの作業していた時に、玄関のチャイムが鳴りました。しかし、それは以前から壊れていたものだったので鳴るはずがないものでした。
その時は分かりませんでしたが、後になって、親しくしていた俳優がその時刻頃に死んでいたという話です。死亡した俳優というのが彼のことだと言われています。稲川淳二自身は、このときの俳優の名前を明らかにはしていませんが、稲川淳二と又野誠治が懇意にしていたという事実があったために、このような噂が立ったのでしょう。
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又野誠治が出演した作品は「太陽に吠えろ」以外にもある
彼が出演した作品は「太陽にほえろ」以外にもあります。Vシネマによく出演していたようです。今回はその中から、初主演となった映画と、国民的に有名なドラマでの意外な配役について掘り下げていきます。
又野誠治が初主演となった映画「襲撃 BURNING DOG」
彼が初主演となった映画「襲撃 BURNING DOG」は、崔洋一監督の1991年の作品です。主人公であるシュウを又野誠治がえんじました。シュウは稼業としてとして銀行強盗をしています。東京での銀行強盗を首尾よく完遂したのもつかの間、仲間との諍いが起こり、シュウ一人が生き延びて南の島である沖縄に逃走することになります。
アクション満載の、アクション俳優としての彼が堪能できる内容になっています。銃撃戦などの激しいアクションが好きで、しかも又野誠治に興味があるという方は、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。
又野誠治は大人気ドラマ「金田一少年の事件簿」にも出演
彼は大人気ドラマ「金田一少年の事件簿」にも出演しています。金田一少年の事件簿の「蝋人形城殺人事件」という話で南山峻三役を演じました。フランケンシュタインのような風貌の執事役でした。「蝋人形城殺人事件」は、アクションというわけではありません。
彼にしては、珍しい配役ではないでしょうか。もっと長く生きてもらって、アクションだけでなく、さまざまな役を見てみたかったと思います。その頃のアクション俳優の多くが、今もさまざまな役で活躍しています。
又野誠治は体格が良かったのか?
彼はスクリーン上で見るとアクション俳優としての華があり、体格が良いように見えます。また、周りの俳優と比較してもがっしりとした筋肉質な体つきでした。実際には、かれはどのような体格をしていたのでしょうか。
又野誠治の身長は?
彼は、身長が180cmと高身長でした。また、しっかりと鍛えて筋肉をつけていたので、体格が良く、アクションに映える俳優でした。「太陽にほえろ」に出演していた俳優は、ほとんどが180cm越えの高身長であったといいます。
高身長で筋肉の付き方も美しく、アクションをこなせる俳優であったことから、女性ファンからの人気も高かったようです。現に、40歳代にして18歳も年下の女性と結婚することができたのはその恵まれた体格によるものも大きいでしょう。
体格を生かした役をこなしていた
その恵まれた体格を生かして、「太陽にほえろ」のような人気のドラマに出演することができたのですね。その後の出演作も、その体格を生かしたアクションものが多かったようです。その頃のアクション俳優たちは今でも人気がある俳優が多いです。
若い頃は少年院に収容されるほどの問題児だったようですが、俳優になることでうまく更生したと言えるでしょう。生まれつき体格には恵まれていたようなので、仕事として自分の長所を生かすものを見つけることができたのはさすがと言えます。
又野誠治が出演している2003年公開の映画は?
彼は2004年に自らの命をその手で絶ってしまいましたが、その原因は俳優としての仕事がうまくいかなかったからだと言われています。しかし、自殺する前年に公開された映画にはいくつか出演していたのです。
自殺の前年に公開された映画があった
又野誠治が出演している映画は、自殺した年である2004年の前年にあたる、2003年公開のものがいくつかあります。「新・極道三国志 首都攻防篇」や、「GUN CRAZY Episode4 用心棒の鎮魂歌(レクイエム)」といったものがあります。
「新・極道三国志 首都攻防篇」はその名の通り極道ものであり、「GUN CRAZY Episode4 用心棒の鎮魂歌(レクイエム)」は、タイトルからも想像できるようにアクションものです。これを見ると、自殺する前数年のうちに、全く仕事がなくなってしまっていたということではなさそうです。
脇役としての仕事はあった
俳優としての経歴の終盤においても、やはり極道もの、アクションものなど、鍛え抜かれた肉体が生かされる映画に出演していたようです。主演とまではいかないまでも、脇役としての仕事は、仕事を選ばなければある程度はあったのではないでしょうか。細々とでも仕事を続けていればブレイクするチャンスはあったはずです。
往年のアクション俳優が現在においても活躍している例は枚挙にいとまがありません。かつてはその肉体美や運動神経を売りにしてかつやくしていたとしても、年を経るとともに落ち着き、ギャップを生かした役柄に挑戦している俳優たちもいます。彼もそのような流れにうまく乗ることさえできれば、今でも人気の俳優であったかもしれません。
又野誠治は生きていればブレイクしていたかもしれない
彼は2004年に43歳で早すぎる死を遂げてしまいました。事務所も、又野誠治の丁寧な役作りを評価していたといいます。松田優作からも激励を受けていたこともあり、自殺という道を自ら選ばずに地道に頑張っていたら、今頃は名脇役といわれていたかもしれず、早すぎる死が悔やまれます。