胃が裏返ってしまったと奇妙なことを告げたり、頭の後ろから頭蓋骨が飛び出るから痛いと酷い妄想を訴えたりと手に負えない状態でした。
しまいには心拍が止まったとまで発言をしており、拘束を余儀なくされました。診断結果は、妄想による酷い精神分離か薬物過剰摂取から起こる中毒症状と出ました。
適切な治療を受けるであろうと思っていたのですが、あっけなく返されてしまいます。その後、彼の悍ましい行動はエスカレートしていくことになるのでした。
リチャードチェイスの加速する異常行動!対象は動物から人間へ
共同生活が不可能となった彼は、母と再度暮らし始めます。過去のトラウマがおそってきたのでしょうか。益々ドラッグにはまっていきます。
180㎝の高身長であるにも関わらず体重は65㎏までげっそりと痩せています。見かねた父は別に住居を与え住まわせたのです。良かれと思っていた経緯はさらなる孤独を招いていきました。
究極的には人をターゲットにし殺してしまいますが、事件前は動物を殺害して妄想に浸っていたのです。
ウサギの内臓を食べ中毒を起こし精神病院に入院
一人ぼっちの寂しさからなのか、ドラッグから起こっている幻覚なのか自分は奇病にかかってしまったと思い込んでいたようです。原因は母が自分に毒物を与えたことで体が異常をきたしたと告げています。
血液が粉状になってしまう不治の病には生きた動物の血を体内に摂り入れるしか生き延びる方法はないと思ってしまうのです。毎日ウサギを捕獲したり購入して、内臓を食べては体に良いことをしていると信じ切っていました。
私たちが健康維持のために野菜を多めに摂ったりバランスの良い食事を心がける行為と同じような感覚であったとされます。
でも、体は正直でした。中毒症状を起こし病院へ運び込まれますが、医者も成す術がなく気が狂っていると判断し精神科へ移動しています。
小鳥の頭を食いちぎり血をすする「ドラキュラ」
入院しても不気味な行動は止まりませんでした。セックスができないことにコンプレックスを抱いていたことから、紅血が全身に行き渡れば正常に機能すると思っており、積極的に摂りれていったのでした。
そこまで追い込まれてもいたのでしょう。どこからの情報なのか幻聴だったのか定かでありませんが、強く悩んでいた彼は躊躇することなく、部屋の屋根に止まった小鳥を手づかみで捕獲しています。
頭を歯でちぎり、血汐すすっては口や服を真っ赤に汚して彷徨っていました。恐ろしい姿からいつしか看護師の中ではドラキュラとニックネームをつけられ、裏では囁かれていたようです。
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母親の監視下に置く条件で退院
病院内でも奇行を繰り返していたため、治療の効果がないのではないかという声も挙がっていたのですが、これ以上滞在していても改善の余地はなしと判断されたのでしょうか。
おそらく、隔離していても周りが嫌悪感を抱くことと、所かまわず徘徊し不気味な姿を見せつけるのに見かねたのでしょう。
母の保護管理があることを条件に外の自由な世界へ解放してしまったのです。たくさんの服薬が処方され毎日きちんと服用すれば症状は多少和らいでいたといいます。
彼が12歳のときから不安定だった母ですので、偏った思考を持っていました。たくさんの薬を繰り返し取り入れている息子を哀れと思ってしまい全て取り上げてしまったのです。
案の定、症状は悪化を辿り狙う動物もどんどん幅広くなっていきます。
近所の動物を殺害し内臓をミキサーにかけて飲む
近隣住宅でペットとして飼われている犬や猫をさらってきてはナイフで切り裂き内臓を取りだしています。続々と行方不明の飼い動物が増えた時期でした。
家族同然で大切に飼育していた飼い主たちですから、事実を知ったショックは大きく立ち直るには相当な時間を有したことでしょう。
ミキサーでペースト状にしてはコーラで割って飲んでいたといいます。保護管理することを命じられていた母は、動物を切り裂くところや血液を顔に塗っている場面を目撃していますが、何にも驚かず病院へも通告しませんでした。
まるで見ていなかったように、ほぼ育児放棄の状態で過ごしています。挙句の果てには動物を仕入れる資金として渡しています。まるで共謀者のような行いであり、母も感覚がずれていたとされます。