宇都宮病院事件とは?職員のリンチ殺人事件の概要と石川院長と病院のその後

事件が公表されるまでに、3年間で200名以上の死亡者が出ていると言われています。それが、全て暴行が原因かどうかは不明ですが、200名以上という聞きなれない死亡者数の為病院がいかに粗悪な体制で経営をしていたのかが容易に想像できます。

宇都宮病院の実態②無資格で遺体を解剖していた

他の患者とは違く少し特質な症状のある患者が入院してくると、病院側は研究の為かその患者の脳が欲しいと欲が出ていたそうです。珍しい症例の患者が死亡した後、看護師やケースワーカーといった解剖知識や資格のない者に脳の解剖をさせていたそうです。

無資格者による解剖は1年間で10体以上とという常軌を逸した数であり、解剖により摘出した脳はホルマリン漬けにした後に研究の為として東京大学の武村伸義の元に提供されていたそうです。この武村伸義は非常勤として出入りしていた経験もあり環境等について知っていたと考えられておりもしくは真の黒幕ではとも言われています。

宇都宮病院の実態③無資格の看護助手を多数雇用

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1960年頃から宇都宮病院は看護師の資格を持っていない職員を安い給料で集中的に雇っていたそうです。専門的な教育や指導などは一切なく、患者を暴行しても構わないというような発言をし、逆に暴力で押さえつけることに抵抗を持っている人を解雇しています。

宇都宮病院の実態④「作業療法」として患者にも仕事をさせる

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劣悪な環境や実態が明るみになったのは1984年のことですが、院長はそれよりも10年近く前から患者を自分の一族の企業で働かせるなどしていたと言われています。敷地内の土地で畑仕事をさせたり、作業療法と称してレントゲンの検査や脳波の測定等の医療行為をさせていました。他には、敷地内にあるゴルフ場でボール拾いをさせる等しています。

宇都宮病院の実態⑤患者と外部との接触を絶たせる

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このような実態が10年以上も公にならなっかた理由は、入院中の患者は外部と連絡を取り合うことがほぼ不可能であったことによります。携帯電話やパソコンは普及していない時代になり公衆電話のみが外部との連絡手段になりますが、金銭管理を病院側がすることにより公衆電話を患者独断でできないようにしていました。

宇都宮病院の実態⑥適正基準に満たない看護師数

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症状の軽い入院患者に注射や点滴等看護師や医師しか行えない医療行為をさせまた1日当たり6人という義務付けをしていました。目標を達成できれば退院できると言われており患者たちは目標達成のため、医療行為を行っていたそうです。他、不審による違法治療に関する記事はこちらをご覧ください。

当時は精神科を専門とする病院は他の診療科と比べて医師の数は既定の1/3、看護師は2/3の人数でよく、また事情によってはその基準を満たしてなくても良いという緩い設定もありました。しかし、患者を強制的に入院させベッドを常に空きの無い状態にしていたこの病院は看護師の数が圧倒的にたりず患者に患者の検査をさせていました。

宇都宮病院の実態⑦法人税2億円を脱税

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入院患者の金銭を管理していた病院は生活保護等の費用を自分のものにしていました。そのため、患者の預貯金が数千万円所在不明となっていた遺体にも違法な方法で財畜しており約2億円ともいえる法人税を脱税するなど、悪質な経営体制となっていました。

宇都宮病院のずさんな経営は金儲けのため?

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劣悪な環境は全て院長により金儲けの為の私利私欲のためだったと言われています。私腹を肥やすために患者の金銭を巻き上げたりする以外にも様々なずさんな経営体制が明るみになっています。呆れるほどの経営体制について見ていきます。

宇都宮病院のずさんな経営①ベッドが空かないよう患者を詰め込んだ

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病院は入院患者が減りベッドが空いてしまうとその分収入が減ってしまします。そのため病院側はベッドが空になることを嫌い多くの患者を入院を受け入れておりその人数は、病院に設置してあるベッド数920床に対して入院患者は948人に及んだと言われています。

また、ベッドを空きがないように入院患者確保のため、家が近い人たちだけでなく、遠方からの診察希望者の人たちも積極的に受け入れており、時には通院レベルであり入院の必要のない人まで入院させ、医療保険料を国へたくさん申請していました。

宇都宮病院のずさんな経営②不正経理を行っていた

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患者が脱走したり、外部と連絡を取ったり反抗的な態度をとったりしないように現金や通帳などを預かり金銭管理をしていました。しかし、あろうことか預かっていたお金を大雑把に扱い3000万以上行方が分からなくなっていました。

生活保護を受給している患者を積極的に受け入れ、看護料を不正に申請し受給していたと言われています。この不正受給の結果1億円近い金額をだましとり脱税も行っていたと言われています。誰が聞いてもあきれる経営管理になります。

宇都宮病院のずさんな経営③患者の食事を減らしコスト削減

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病院の食事は、栄養管理を重視して偏ることの内容に栄養士さんが考えて調理をするものですが入院中の患者の食事はおにぎりと漬物だけだったと言われています。院長は食事の質を落とし、食費を浮かせその浮いたコストを自分で着服していました。

おにぎりと漬物だけというのは、あまりにも栄養のバランスがとれておらず患者が栄養失調も同然だったと言っても過言ではないでしょう。その上それを自分の私腹のために患者を犠牲にする行為は悪質としか言いようがありません。

宇都宮病院のずさんな経営④無駄な検査や入院引き伸ばし

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連日のように必要のない検査をしたり、多くの薬を服用させるなどし入院を引き延ばしていたそうです。一度入院したら退院は殆どできないと言われていました。このように、不要な検査や入院を引き延ばすことで医療費を請求し自分が着服するという事を院長は繰り返していたそうです。

宇都宮病院のずさんな経営③東大医学部と癒着していた

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院長は、精神科の研究生だったころ東京大学医学部と繋がりを持っており事件が発覚したときは共同研究を行い東京大学医学部の医師は数多くの論文を作成していました。病院側は東京大学医学部の医師の名前を借りて医者を増員して利益を得てまた東大という名前を手に入れブランドがついたことにより格上げにも成功しています。

一方で東京大学附属病院側も珍しい症例の研究ができることや死亡した患者の脳を研究用に提供して貰えていたことに加え謝礼や研究費を受け取っていたそうです。このようにお互いにとってプラスとなっていた為東京大学医学部側も病院の現状を知りながら黙認し、お互いWin-Winの関係であったことが伺えます。

宇都宮病院事件が起きるまで

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当然のことながら、最初から違法な手段や犯罪を起こそうと考えて病院を経営する人はいません。では、何故このような悲惨な事故が起きてしまう病院となってしまったのでしょう。事件が起きるまでの病院の実情と闇を追いかけていきます。

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