深海の「ダルマザメ」を知っていますか?丸い傷はダルマザメの仕業だった

Array

ダルマザメの大きな特徴としてもう一つ挙げられるのは、生物発光です。生物発光とはその名の通り、生物が身体から光を発して放射する現象のことを言います。深海に住む魚が生物発光することは珍しくなく、住む環境により生物が自然と進化によって身につけてきたものであるようです。

腹部の発光器

腹部に発光器を備えるダルマザメの自力発光は、他のサメの中で最も強いと言われています。発光することでどうなるのかという話ですが、深海の中で餌を狙うわけですから、自身の姿をうまく隠す必要があることは予想できると思います。ダルマザメは上からの光と自身の光の強さを合わせることができるのです。

そうすることによって、下からダルマザメを見上げたとしても光の程度が同じであるため、その存在に気づかないという現象が起こるのです。ただ、光の調整には限界があるようで、時間帯によっては発光しないで、自身が調整できる光の強度になったと判断したらそこから発光を始めるというのです。かなり賢いサメであることがわかります。

ダルマザメの捕食

好き嫌いなし

ダルマザメに好き嫌いはありません。潜水艦のゴムカバーに噛み付くくらいですからとりあえず餌だと思ったら攻撃です。これまでにダルマザメの痕跡が確認された生物としては、次のものが挙げられます。クジラ、イルカ、オットセイ、アザラシ、ジュゴン、サメ、エイ、マグロ、アジ・・・などです。

食事痕

ダルマザメが肉を食いちぎった痕は直径5㎝の円形で、7㎝ほどの深さがあります。本当にえぐり取るという表現がぴったり合うようで、そのクレーター状の特徴的な痕跡が1つの生物に対して複数見つかることもあるので、痕を見るだけでもなんだか恐怖を感じてしまいます。

ダルマザメは人を襲う?

ダルマザメが人を襲った例

さて、ここまででダルマザメに対しての恐怖を植え付けられたかもしれませんが、この凶暴なダルマザメが人を襲うことがあるのかという点は気になりますね。どんな獲物にも攻撃をするというくらいですから、やはりダルマザメが人を襲った例というのはいくつかあります。水中写真家の方が、30㎝ほどの凶暴な魚の群れに襲われた例があります。

状況を考えてダルマザメであるとあくまで推測できるというだけなのですが、ダルマザメが群れになって人を襲う場合があると考えると背筋が凍ります。ただ、日常生活の中でダルマザメに出会うことはないでしょうから、「ダルマザメに気をつけましょう」と大々的に言うことはないのですが、こういった例を知っておくということは重要なことですね。

その他の影響

潜水艦のゴムカバーを攻撃したように、ダルマザメは獲物とみなしたもの全てに攻撃を仕掛けます。。そしてその攻撃はかなり凶暴なものであるため、人間にとってしばしば迷惑な影響を与えています。漁獲の際に仕掛けた網を破るというのは一つの例です。

また、マグロ等が攻撃され、そのマグロが市場で売れないものになってしまうという点で、経済的な観点で悪い影響力のあるサメであることがわかります。せっかくとれた魚に価値がつかないのでなんとも悔しいものです。

ダルマザメを味わう

意外と普通の魚として食べられる

どう猛なダルマザメの話をしてきましたが、なんとダルマザメは調理すると美味しい食事の材料になるようです。煮て美味しい、揚げて美味しい、生で美味しいとのことで食事にしようと考えた時には普通の魚として考えて良いようです。

肝が絶品のダルマザメの煮付け、あっさりとした味噌汁、身の引き締まったフライ、旨味と甘味を感じられる刺身。機会があれば食べてみたいものです。ダルマザメの煮付けを出す小さな居酒屋でもあれば話題になるでしょう。

ダルマザメのまとめ

いかがでしたか?不思議な丸い穴から様々な専門家があれこれと推測し、その真相を解明したという点でも1つのエピソードがあります。馴染みのない魚についての知識を持つことは非常に面白いもので、友達に「ダルマザメって知ってる?」と雑学を披露すると感心されるかもしれません。

珍しいサメであることから、今後も日本の食卓にダルマザメが出されるようなことは考えにくいですし、お店で提供されることもあるのかどうか想像できませんが、1度食べてみたくなりましたね。ただ、海の中で遭遇することだけは避けたいです。ダルマザメの恐怖と、賢さ、そして調理法等について皆様の参考になれば幸いです。