ウグイスの鳴き声とは?春一番に鳴き始める春告げ鳥!
「ホーホケキョ」という鳴き声でお馴染みの鳥、鶯。早春に鳴き始めることから春を告げる鳥ともいわれています。
しかし彼らの鳴き方はこれ1つだけではありません。鶯の多様な鳴き声とそれぞれの声の意味を紹介していきます。
ウグイスの鳴き声の種類と鳴く理由
鶯には大きく分けて3つの鳴き方が存在し、その鳴き方によって「地鳴き」と「さえずり」に分けられます。それぞれの鳴き方を解説します。
ウグイスの鳴き方①ホーホケキョ
鶯を代表するいちばん有名な鳴き方ですが、実はこのさえずりはオスだけが発する声であり、その意味合いは声のトーンによって2つの意味に分かれます。
低い声の場合は警戒を行っている声です。縄張りに近づいてきたライバルに対し、仲間たちへ危険を知らせています。
高い声の場合は縄張りの中に危険が無いことを示しています。そしてメスへの求愛という意味も有しています。
ウグイスの鳴き方②ケキョケキョ
こちらもオスの鳴き声ですが、この声は縄張りに侵入してきた外敵への威嚇の意味を持っています。
この声は「谷渡り」とよばれていて、この声を聴いたメスは身の安全と巣の場所を知られないために姿を隠します。
ウグイスの鳴き方③チャチャチャ
チャチャチャ、という声が鶯の地鳴き(繁殖の期間以外の声)です。オスもメスも共通して鳴く声で、メスは1年中、オスは秋から冬の間に鳴いている声を聞くことができます。
オスとメスで鳴き方が異なる
上述の通り、ホーホケキョと鳴くのは実はオスだけ。オスは複数の声を使い分けますが、メスは地鳴きだけしか行いません。
それぞれのウグイスの鳴き声に訛りがある
鶯たちのさえずっている声をよく注意して聞いてみると、個体ごとに音の違いがあることがわかります。中には他の個体とはっきりと区別できるほどの訛りを持った個体もいます。
ウグイスの鳴く時期は?なぜ冬は鳴かないの?
鶯がさえずりを行う期間は主に春~夏の間です。それ以外の時期では基本的に地鳴きだけしかしません。
なぜ特定の期間にしかさえずらないのでしょうか。そこには鶯の生態や日照時間が関わっています。
ウグイスの鳴く時期①鳴き声は日照時間にも関係がある
鶯の鳴く期間は日照時間と関係があるといわれています。日照時間が長くなっていくと、オスの鶯の体内で特定の物質が体内に生成されのどの筋肉を発達しやすくさせます。
なので、日没が遅くなる春~夏には活発に鳴いて、逆に日が早く沈む秋、冬はほとんど鳴かなくなるのです。
ウグイスの鳴く時期②春は繁殖のために鳴く
春は鶯にとって繁殖の季節です。オスはさえずりを使ってメスの興味を惹き、パートナーを探します。
メスへの求愛として一生懸命に鳴き続けるオスは、多いときは1日に1000回も鳴くことがあるようです。
ウグイスの鳴く時期③夏も気温によっては鳴く
鶯の繁殖の時期は早春のあたりと言われていますが、夏でも涼しい気温だったりする場合、彼らがさえずっているのを聞くことができます。
また平地では早めにさえずりが聞こえなくなってしまいますが、それは求愛を終えた鶯が山で巣を作っているからで、山に行けば夏でも彼らの声を確認できます。
ウグイスの鳴く時期④秋は場所によっては鳴く
秋になると日照時間が短くなるためのどの筋肉も衰えていき、鶯のさえずる声を聞くことはほとんどなくなります。
しかし秋になっても気温がまだ高い地域ですと、微弱ですがさえずる声が聞こえる場合もあります。
ウグイスの鳴く時期⑤冬は喉の筋肉が衰えている
日が短くなる冬は、のどの筋肉を発達させる物質が体内に分泌されなくなるため、筋肉が衰えてさえずりを行うことができなくなります。
さえずりこそできなくなりますが鳴くことが完全にできなくなったわけではなく、地鳴きでコミュニケーションを取ります。冬でも彼らはしっかり元気に生きています。
ウグイスは鳴き声の練習をする?
美しい声を持つ鶯のオスですが、生まれたばかりのオスは最初から美しく鳴くことができるわけではありません。繁殖の季節に備えて練習を繰り返してうまくなっていきます。
生まれたてのオスは練習して繁殖時期に備える
どんな鶯でも最初から美しくさえずれる訳ではありません。生まれたてのオスは何度も練習を繰り返しながら繁殖の季節に備えます。
親の鳴き声を手本に練習する
生まれたてのオスは自分の親の声を手本にして練習をします。親を参考にするのだから、親の訛りが受け継がれて音に個性が出るのですね。
ウグイスに鳴き声が下手な個体がいる理由
鶯の中には綺麗に発声することができない個体もいます。実際に山の中で彼らの声を聞いていると、ちょっとどこかヘンテコで中途半端な声がたまに聞こえてきます。
鳴くのが下手な個体はなぜ綺麗な声を出せないのでしょうか。いくつか考えられるその原因を解説します。
幼いので練習している
春が始まったばかりの季節ならば、その鳴き下手な鶯はまだ練習途中の幼い個体かもしれません。
毎日聞いていると、時間が経つにつれてだんだんと上達していくことがわかるでしょう。この練習途中のさえずりのことを「ぐぜり」といいます。
喉の声帯が発達しにくい
上述の通り鶯は生まれつき美しくさえずれる訳ではなく、練習によって後天的にさえずりの仕方を学びます。
人間にも歌うのが上手い人、下手な人がいるように鶯にも鳴くのが下手な個体がいます。恐らくのどの筋肉があまり発達せず、思うように発声できないのかもしれません。
親の鳴き声が下手だった
手本にしている親があまり上手くさえずれなかったせいで連鎖的に子供までもが下手になっている場合もあります。
このように、本人には何の異常がなかったとしても、練習をする環境によって下手になってしまう場合があります。
ウグイスは鳴き声の美しさから日本三鳴鳥に選ばれている
鶯はその声の美しさから、鳴く声が美しい三種の日本の鳥を表す「日本三鳴鳥」の一つとして選ばれています。