ウグイスの鳴き声の種類とその意味は?鳴き声が下手な個体もいるって本当?

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古来から日本人に親しまれてきたその美麗な声は、まさに日本の鳥を代表する鳴き声と言っていいでしょう。他にも日本人と関わりの深い鳥には文鳥がいます。文鳥の記事もご覧ください。

ウグイスは声の美しさから江戸時代より飼育係もいた

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鶯は古来から和歌に詠まれるほど日本人に身近な存在であり、江戸時代には鶯を飼うことが流行しました。

徳川家治や徳川家斉といった将軍たちも鶯を愛しており、幕府の中にお鳥掛という名の飼育係を置いたほどでした。

飼っている鶯を持ち寄って声の美しさを競い合う「鳴き合わせ」という行為が行われることもありました。

ウグイス以外の日本三鳴鳥は?

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三鳴鳥の残りの2種はオオルリとコマドリです。オオルリは「ピリーリー」、コマドリは「ヒンカラカラ」という声で鳴きます。

この2種は主に山の中で繁殖を行うため、山に行かないとその声を聞けるチャンスは多くありません。

一方鶯は平地でもその声を聞くことができます。そのため三鳴鳥の中では鶯が飛び抜けて鳴き声の知名度が高いのです。

ウグイスは鳴き声の音から日本三大霊鳥と呼ばれる

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他にも、鶯は日本三大霊鳥の一つとしても選ばれています。日本人は彼らのその特徴的な声を日本語に当てはめ、仏教的な意味合いを持たせたのです。

ウグイスのホーホケキョは「法・法華経」にあてはめられる

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動物の声などを、人間の言葉に当てはめていくことを「聞きなし」といいます。私たちが普段犬の吠える声を「ワン」と表現するのは聞きなしの代表的な例です。

鶯の「ホーホケキョ」という声は昔の日本では仏教用語の「法・法華経」と当てはめられました。

それは単なる当て字だけではなく、厳しい冬が終わり春が訪れたことを告げる鶯の声と、苦しみの多い娑婆世界に喜びの道を示す法華経を重ね合わせているようにも見えます。

ウグイス以外の三大霊鳥はなに?

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残りの三大霊鳥はコノハズクとジュウイチです。それぞれの声は「ブッポウソウ(仏法僧)」「ジヒシン(慈悲心)」と当て字されます。

三大霊鳥たちは仏教の言葉を鳴くことから、人々に教訓を伝えてくれるありがたい存在として古来の人々には大事にされてきました。

昔の人々は自然の中に仏教の言葉を重ね合わせることで、仏様への敬いの心を常に養っていたのです。

ウグイスの鳴き声は聞けても姿が見えない理由!

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さてこの鶯ですが、声は簡単に聞くことができますが姿を見ることはなかなか容易ではありません。なぜ姿をなかなか見れないのか、どのような時に姿を見れるのかを解説します。

ウグイスは藪の中が好き

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鶯は用心深く、声は出していても姿は草むらの中に隠しています。彼らは藪の中が好きであり、藪の中にいる虫などを食べて生活しています。

ウグイスはホトトギスに托卵されそうになると姿を見せる

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そんな鶯も、杜鵑から托卵されそうになった時には怒って姿を現すことがあります。実は杜鵑は鶯の天敵で、托卵をされると自分たちの卵が全滅してしまうのです。

彼らが「谷渡り」の声とともに姿を現したのなら、近くに天敵杜鵑がいる証かもしれません。

ウグイスとよく間違えられるメジロ・ムシクイとは?

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鶯によく間違えられる鳥としてメジロとムシクイがいます。メジロは名前の通り目の周りが白いことが特徴の鳥で、ムシクイはウグイス科のグループに属する鶯の仲間です。

ウグイスの鳴き声とメジロの鳴き声は全く違う

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メジロはスズメに似た「チュンチュン」といった声で鳴きます。また藪の中で虫などを食べる鶯に対し、メジロは主に花の蜜などを食べて生きています。

ウグイスは梅に鶯の影響でメジロに間違えられる

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見た目も声もそこまで似てはいないメジロと鶯。両者が間違えられるきっかけとなったのは「梅に鶯」ということわざが原因です。

「梅に鶯」とは詩や絵画で絵になる良い組み合わせのことをいう例えです。「紅葉に鹿」や「牡丹に唐獅子」なども似たような意味を持っています。

しかし鶯が梅の木に登る姿は滅多に見られません。代わりに梅に登っている姿をよく見かけるのはメジロのほうです。そのせいで両者が混同されるようになってしまったのです。

ムシクイも見た目は似ているが鳴き声は全く違う

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ムシクイはウグイス科に属する鳥であり、鶯とムシクイの見た目はとてもよく似ています。両者を見分けるコツは声です。

ムシクイの仲間には多くの種類がいますが、代表的な種であるセンダイムシクイは「チヨチヨ、ビィー」という声です。その他の種も鶯と声は大きく違っています。

ウグイスは山梨県と福岡県の県鳥

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鶯は山梨県と福岡県で県鳥として指定されています。県鳥は都道府県のシンボルとして選ばれた鳥のことで、47都道府県すべてに県鳥が存在します。

県鳥は鳥獣保護の思想を普及するという目的で制定されていて、有名な県鳥としては東京都のユリカモメ、埼玉県のシラコバト、新潟県のトキや兵庫県のコウノトリなどがいます。

鶯色はどんな色?2色ある?

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皆さんは鶯色、と聞いてどんな色を思い浮かべるでしょうか。一般的に鶯色は灰色がかった緑褐色のことですが、抹茶色に近い黄緑色をイメージする人もいます。

これはメジロとの混同の影響によるもので、黄緑色っぽい色はメジロの羽の色からイメージが来ています。鶯とメジロの間違いはこんなところにまで影響を及ぼしているのです。

鶯色の派生色「鶯茶色」

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鶯色には派生色として鶯茶色というものがあります。鶯色に茶色を混ぜたような色で、江戸時代中期の女性の着物の色によく用いられていました。

海松色と並んで、数少ない黄緑色系の和式名として現代でも使われている色名です。

鳥が由来の色の名前

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鶯色のように、鳥の羽の色が由来となっている色の名前は数多く存在します。例えば金糸雀色、孔雀青、朱鷺色などです。

それぞれ、金糸雀色は少しくすみのある黄色、孔雀青は冴えた青色、朱鷺色は淡く優しい黄みがかった桃色のことを指します。

ウグイスの鳴き声を楽しもう

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鶯は意外と多様な声を持っていることがお分かり頂けたでしょうか。季節の移り変わりとともに変化していく鶯の声をぜひ楽しんでみてください。

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