「カタコンベ」とは?世界各地に存在する地下に作られた墓地
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カタコンベ?日本では聞きなれない言葉ではないでしょうか。カタコンベとは、地下にある墓地のことをいいます。
語源はラテン語で「くぼ地」を意味する「カタクンバ」。イタリア語でcatacombeと書きます。英語ではカタクームやカタコームと呼ばれており、フランスではカタコンベと発音します。
カタコンベはなぜ作られたのか?その歴史について紹介
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なぜ、地下に墓地が作られたのでしょうか?地下に墓地が作られた理由、その歴史について詳しく見ていきます。
カタコンベは死者の埋葬のために作られた墓地のこと
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古代ローマ帝国時代、、街の中に死者を埋葬することを禁じたローマ法という法律があったため、地下に墓地を作りました。地上に墓が作られる5世紀頃まで死者は地下の墓地、カタコンベに埋葬されていました。
元はローマの教会の埋葬場所を指していた
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ローマのアッピア街道沿いにできた複数の地下墓地のことをカタコンベと呼んでいました。有名なところは、ローマ大聖堂の一つ、サン・セバスティアーノ聖堂の地下にあるカタコンベです。
古代ローマ帝国では、1世紀頃から5世紀頃の間、死者を「カタコンベ」とよばれる地下の洞窟に、埋葬していました。
その後に共同墓地という意味で広まっていった
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のちに、地下に作られた共同墓地のことをカタコンベというようになりました。初期キリスト教の遺跡の他、異教やユダヤ教などでも使用され、各地にみられます。
カタコンベは日本には存在しない?ヨーロッパとの文化の違い
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日本では、カタコンベという地下墓地は一般的ではありません。日本も昔は土葬などの方法をとっていましたが、目に見える遺跡としてほとんど残っていません。
日本とヨーロッパではご遺体に対する考え方が違う為、それぞれ埋葬方法など文化の違いを見ていきます。
カタコンベがあるヨーロッパは土葬が一般的
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ヨーロッパではキリスト教が主である為、キリスト教の考えである「復活して天国に行ける、その受け皿となる身体を燃やしてしまう火葬はできない」ということから土葬が一般的でした。
日本では火葬が主流!日本でカタコンベは見られない
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日本では明治時代まで土葬が一般的でしたが、それ以降は火葬が主流となりました。
日本の都市化もありますが、そもそも仏教では火葬に寛容であり、ご遺体そのものに対して、キリスト教のように復活の受け皿という考え方でないため、日本ではカタコンベの文化が定着しなかったということでしょう。
カタコンベはどこにある?具体的な所在地について紹介!
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では、カタコンベという地下墓地は具体的にどこにあるのでしょうか。欧州の文化であるカタコンベですが、各地さまざまなカタコンベがあります。代表的なものの場所や、特徴を見ていきます。
カタコンベがある場所①パリのカタコンブ・ド・パリ
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世界最大のカタコンベ「カタコンブ・ド・パリ」パリ旧市街のダンフェール=ロシュロー駅近くの地下納骨堂で、約600万人の遺骨が納められています。
ローマのカタコンベと違い、パリ市内にあった広大な墓地の閉鎖により、その遺骨を移転した場所であり、死者の埋葬に使用したことはありません。
パリの採石場の跡地を何かで空間を埋める必要が出てきたところ、移転先に困っていた遺骨で埋めるという、一石二鳥の方法でした。また、納骨堂とはいえ、現在ではパリの観光名所の一つとしてにぎわっています。
カタコンベがある場所②イタリアのカプチン・フランシスコ修道会
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骸骨寺と呼ばれる有名な納骨堂。サンタ・マリア・デッラ・コンチェツィオーネ教会。カプチン修道会に属するこの教会は、納骨堂の方が有名です。
約4000体の修道士の骨が納められており、見学することもできます。祭壇など、装飾がすべて人骨で施されており、圧倒されます。場所はバルベリーニ駅の北側、ヴェネト通りの入口にあります。
カタコンベがある場所③オーストリアのシュテファン大聖堂
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オーストリア、ウィーンの中心部、地下鉄シュテファンスプラッツ駅のすぐ近く、ウィーンの観光名所として有名です。昔、ヨーロッパで伝染病のペストが蔓延した時、ウィーンで15万人の死者がでました。
そのなかの2000体の遺骨とウィーン司教、ハプスブルグ家の心臓以外の内臓が地下カタコンベに保管されています。カタコンベの内部を見る、見学ツアーは人気があるということです。
カタコンベがある場所④エジプト・アレキサンドリアのカタコンベ
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クレオパトラが愛した街、アレキサンドリアに位置するカタコンベ。1~2世紀に作られた地下3階建ての共同墓地です。
キリスト教が迫害を受けていた時代、キリスト教徒はこの地下で密かに礼拝し、伝道を続け、信者が亡くなるとこのカタコンベに埋葬しました。
カタコンベがある場所⑤スペイン・グラナダのカタコンベ
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スペイン、グラナダ大聖堂の地下に王室礼拝堂があります。スペインの女王イザベル1世とその夫のフェルナンド王、その娘夫婦とその息子の5つの棺が安置されています。
また、礼拝堂内にはイサベル女王の宝物は貴重な美術品が保管されています。いずれもイサベル女王のコレクションであったようです。
カタコンベがある場所⑥ペルー・リマのカタコンベ
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サン・フランシスコ修道院の地下にカタコンベがあり、7万体もの骨が眠っています。
サン・フランシスコ修道院は1988年に世界文化遺産として登録されており、人気の観光名所として有名です。このカタコンベも見学することができます。場所はリマの旧市街です。
カタコンベがある場所⑦マルタ島のカタコンベ
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マルタ島イムディーナの中心に聖パウロ大聖堂があります。その地下に広大な地下墓地が作られました。岩肌がむき出しの空間で、明かりも十分でなく、狭い通路がくねくねと続く迷路のようなカタコンベです。
カタコンベを訪れるときの注意点?霊的なものが集まっている?
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カタコンベを観光する際の注意点について調べてみますと様々な注意点があることがわかります。
らせん階段などがあり、足場も悪いことから歩きやすい靴を履いていったほうがいい、見学の予約をしてから行かないと待ち時間が長い、などありますが、ここでは違う観点から注意点を見ていきます。
カタコンベは霊感が強い人には向かない?
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霊感が強い人は、心霊スポットなどで、具合が悪くなったり、霊に憑依されたりと怖い体験をしたことがあると思います。
そのように霊感の強い人が、死者が多く眠っているカタコンベに足を踏み入れたら、様々な霊障が起こるのではないでしょうか?霊障による体への影響についてはこちらをご覧ください。
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ある霊感の強い人が体験した話をご紹介します。ヨーロッパのとあるカタコンベに観光で入った時の事でした。
地下へ入っていくと、人の声とは明らかに違う声がすごく聞こえてきて、まるでコンサート会場か、パーティー会場のような大勢の声が聞こえました。霊の声を聴く力を閉じておかないといられなかったということです。
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死者の魂が手厚く弔われているところと、そうでないところでも違いがあるようです。それは日本でも同じことで、墓参りをしない、供養せず荒れ放題の墓では霊障が多く起こるようです。
カタコンベに行く際はむやみに行くのではなく、そのカタコンベの歴史や成り立ちなどを事前に調べてから訪れたほうがいいでしょう。
怖がりな人も要注意?恐怖で逃げ出してしまう人も
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もともと肝試しや、心霊スポットなどが苦手で怖がりの人がカタコンベ観光をするのは注意が必要です。地下の狭い通路でパニックになってしまい、逃げだす人もいるといいます。
地上とは比べものにならない異空間で、そのような行為をすると大変危険です。他の人も巻き込んでしまったり、大変な迷惑をかけてしまいます。怖がりの人は無理せずに観光を楽しんでください。
それでも怖いものが好きという方はこちらもご覧ください。
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また、怖がりとは別に、閉所や暗所の恐怖症の方も注意が必要です。
かなり狭い通路が延々と続く道(さらに骸骨に囲まれている!)、蝋燭や光源の乏しいランプなど、カタコンベによってそれぞれ違いがあります。不安な方はカタコンベに入る前によく調べてから入った方がいいでしょう。
カタコンベが舞台となった映画『カタコンベ』とは?製作者が怪死?
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これまでは、実在するカタコンベについて詳しくみてきましたが、物語としてカタコンベが登場するものがあります。
映画「カタコンベ」をご存知でしょうか?いったいどんな物語なのでしょうか。映画の制作者が怪死している?など謎が多い映画です。映画「カタコンベ」について見ていきます。
2007年制作のスリラー映画の『カタコンベ』
2007年に制作された映画「カタコンベ」。アメリカで制作され、アメリカと日本で公開されました。映画音楽をXJAPANのYOSHIKIさんがプロデュースに参加するなどで話題となりました。
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簡単なあらすじ…アメリカ人の姉妹のお話しです。パリ留学中の姉を訪ねてきた妹は、姉とその仲間たちが開くパーティーに連れて行かれました。