【ロボトミー殺人事件】事件の概要や判決・桜庭章司の生い立ちや現在は?

ロボトミー殺人事件とは、ロボトミー手術を強制施術された桜庭章司によって引き起こされた復讐のための殺人事件です。悲劇の殺人事件はなぜ起きてしまったのか、事件の概要や裁判の判決に加えて、不遇な犯人の生い立ちや現在について解説します。

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ロボトミー殺人事件とは?復讐のための殺害だった!

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住宅に侵入し、2人の女性を殺害した上に金銭まで奪ったとされているロボトミー殺人事件ですが、実は、ロボトミー手術を受けなければ引き起こされなかった事件だったのです。

ロボトミー殺人事件の背景と事件当時の桜庭障司

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妹との口論で家具を壊し逮捕され、精神に異常があると判断された桜庭は、自分の意思とは裏腹に、強制的に精神外科手術を受けることになり、その後の人生を壊されてしまいます。

ロボトミー手術の真実を世に知らしめる無理心中計画

手術前までは何事においてもやる気がみなぎって仕事もバリバリこなせていましたが、変わり果ててしまった自分が虚しくなり、自分の人生を壊した藤井医師を殺し自分も死のうと殺害を計画しました。

殺害の動機は明確で、当時の精神医療の分野において非常に効果的だとされていた手術は、人間を壊してしまう狂った療法であることを問題提訴しようと考えてました。

そしてその非人道的な手術は時として本人の同意を得ず、強制的に実験台にされているかの様に行われている事を明るみにしようとしてました。

肝心な藤井医師が帰宅せず、妻と母親を殺害

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喜怒哀楽を上手く表現出来ないながらに、藤井医師を殺害しようという負の思いを煮えたぎらせ、桜庭は遂に行動に移します。

藤井宅には義理の母がいたので、中へ押し入り、ガムテープなどで拘束し、その後藤井の妻が帰宅したのでこれも完全に拘束し、帰りを待ちました。

藤井を待つ間はこれまでの事を永遠と2人に聞かせていましたが、予定通りに帰宅しなかったため、仕方なく2人を殺害し金品を奪い、強盗殺人に見立てました。

桜庭章司は池袋駅で現行犯逮捕される

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殺害現場を離れて、池袋駅の中央改札口近くで手術の後遺症と薬物により意識が朦朧とした事で動作がぎこちなく何度も手錠を落としていました。

そんな姿を見た警察官は桜庭に職務質問をするため交番に連行され、銃刀法違反の容疑で現行犯逮捕されました。 

桜庭は以前も手術後に金欠から強盗を試みましたが、やはり後遺症から手足が上手く動かずに店員に押さえつけられ逮捕されていました。

ロボトミー殺人事件の裁判と判決

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自身には大きな夢があり、実現に向けて情熱的に活動するも、身勝手な実験的手術によりその全てを失い、死ぬことも叶わず、殺人に手を染めた桜庭の裁判の全貌をご覧ください。

ロボトミー殺人事件判決は「無期懲役」

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桜庭は1審で医学博士の小田晋らから精神鑑定を受け、脳波などの異常がないか細かくチェックされたはずでしたが、ここまで副作用に悩まされながら特に異常は出ませんでした。

裁判所はこの結果を採用して無期懲役を求刑しました。ですが、死刑を希望していた検察側が控訴しましたが、やはり願い叶わず同じように無期懲役が言い渡されました。

ということは、あの手術が明らかに社会生活に支障をきたし、感情を根こそぎ奪い、まるで無機質な人形の様にしてしまう実例があることは認めないということでもありました。

桜庭章司は「責任能力あり」と判断された

実は1審での精神鑑定は医学博士の小田晋とは別に、もう一人、精神科医の逸見武光からも同じ内容で、合わせて計2回行われていました。

逸見の鑑定では脳波に異常があり、金属製のクリップが残されていた上に髄液循環障害が認められました。その為「責任能力はなし」としました。

ですが、裁判所は「責任能力あり」と判断された小田晋の鑑定を採用(後遺症があったとは認めない)したため、無期懲役の判決が下されたのです。

桜庭章司の希望は「死刑か無罪」

彼の真の目的はあくまでもこの非人道的でかつ身勝手な手術の異常性についての問題を世間に明るみにする事でした。

そういう理由から「手術の異常性を認める=無罪」か、「生きていても仕方がない=死刑」の道を望んでいました。

桜庭の例もあってか、現在では人権思想の高まりもあり、精神医学上禁忌とされているので、こういった手術は行われなくなりました。

ノーベル賞を獲得した医療行為だった

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今回の様に脳の組織を破壊してしまう事で人格を失い、人生そのものを破綻させてしまった失敗例が多数あるにも関わらず、この医療行為自体が認められ、世界で広く行われていました。

失敗例は無かったことに

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人体において、脳は心臓と肩を並べる最重要の臓器です。そんな脳の神経をイジり、組織を壊すのに後遺症が出ないわけありません。

成功例として、攻撃性のある精神障害者が術後おとなしくなったというのを全面的に公表していましたが、人格が変わることや病気の併発は伏せられていました。

世界で12万人ほど施行されましたが、多くの問題点に焦点を合わさず、逆に功績としてノーベル賞を受賞しました。

桜庭章司の生い立ちとロボトミー手術まで

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さて、ではいったい彼はどんな人生を送ってきたのでしょうか?ここでは桜庭の性格や家庭環境などを踏まえて解説していきます。

桜庭章司は頭が良く、真面目な性格だった

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彼は長野県松本市で生まれ、その後一家ともに上京しましたが、非常に貧乏であった為家計を助ける為、中学を一年で辞め、工員になりました。

彼は少し神経質なところがあったが、非常に頭が良く、英語塾に通いつつ、飲食店の手伝いもこなす、とても真面目な性格でした。

病床の母のため帰郷、土木業に従事する

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一旦松本市に戻り、商売しつつボクシングジムで練習し、その後ボクシング選手権大会に出場して優勝しました。

これから英語力の時代が来ることを予想し、独学で英語を習得、新潟の電話局にて通訳として働くが、病気を抱える母の為に帰郷し、土木作業員となりました。

職場での不正摘発後、冤罪で前科者に

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新しい職場で、刺青の男が同僚を殴っているのを見つけ、返り討ちに打ちのめしたことがありましたが、これは日常茶飯事でした。

非常に神経質で真面目な性格の桜庭は、路肩工事の手抜きを発見し、これを見逃さず班長に報告しました。

すると口止め料として5万円を渡されましたが、刺青の男が桜庭を暴行で訴え、加えて土木会社の社長は恐喝されたと訴え、逮捕されました。

桜田章司はスポーツライターへと転身

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逮捕後の執行猶予中にダム工事の際の賃金未払いなどが発生し、社長宅に直談判に行ったが、これも恐喝だとされ、刑務所に収監されました。

出所後、鉄筋工で働いていた頃に海外のスポーツチームが、いい加減な紹介をされていたことに腹を立て、新聞社などにクレームの手紙を書きました。

すると手紙を読んで記者たちは逆に桜庭に原稿の作成依頼をしてきたことを受け、これを機にスポーツライターに転身しました。

母の入院について揉め警察沙汰に

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この仕事は資料整理のアルバイトを2人雇えるほど順調に進み、その頃の収入は当時のサラリーマンの34倍は稼いでいました。

その頃、母の入院に伴い、今後の介護について妹宅で話し合いで揉めてしまい、家具を壊すなどしたため警察に通報され、逮捕されてしまいました。

この破壊行為は、昔から収入の半分も仕送りしていたのにも関わらず理解されなかったことに腹を立てた事がきっかけでした。

精神科でロボトミー手術を執行されてしまう

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前科のあった桜庭の暴力行為が止まないのは精神疾患が原因とされ、精神鑑定を受け、精神病質という事で強制的に入院させられました。

拘禁中の外科手術により元の人格を失い、まるで廃人化してしまう事を恐れていたので、担当医である藤井に明確に拒否していました。

ですが、肝臓検査と偽り、全身麻酔をかけられた桜庭は、悪魔の手術を強行させられてしまったのです。

藤井澹医師の身勝手なロボトミー手術執行

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今回の事件の本当の原因である藤井医師はどのようにして手術を強行したのでしょうか?その背景や経緯についてまとめました。

桜庭章司はロボトミー手術を拒否していた

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当時桜庭は、精神外科手術により、手術前までとは人格が180度変わり、廃人化することを知っていたので恐怖に震えていまいた。

何故なら当時20歳ぐらいの八重という女の子が、術後に明らかに精神に異常をきたし、首吊り自殺してしまったからです。

藤井医師の手術は失敗ではないとされていたが、そこに信用はできず、自分も狂ってしまうことを恐れ、手術を明確に拒否していたのです。

藤井澹医師は母親への説明義務を怠っていた

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ただし、手術をするとなれば、保護者である母親の同意を得なければならなかった為、桜庭は安心していました。

ですが、なんと藤井医師は何も分からない母親から承認書を受け取っていた為、手術はいつでもできる状態にありました。

藤井医師は母親に対して、術後に大人しくなった事など良いことばかり説明して、副作用については説明してなく、明らかに不正なやり取りでした。

退院時に桜庭章司は手術の承諾書を書かされていた

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術後に無気力になるなどの明らかな症状が現れていたにも関わらず、元々希望していた退院が認められました。

その際に、本来手術前に貰うはずの承認書のサインを手術後に求めてきましたが、これを拒否できず、従順になり記入してしまいました。

なぜ藤井澹はロボトミー手術を強行したのか?

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考えられる説として、当時の藤井医師は博士号を取得するための研究テーマに、この鬼畜な悪魔の手術を掲げていました。

精神病質患者がこのタイミングで入ってきた上に、この患者を生かすも殺すも自分の判断に委ねられる状態であった為、研究材料にしました。

加えて精神病質の患者の意見とは逆にこの手術をする事で、本人が幸せになると考えていた可能性もあったのです。

ロボトミー手術後の桜田障司と復讐の決意

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あれほど精神病質の患者に効果的だとうたっていたロボトミー手術を受けた桜庭は、その後長い間副作用に悩まされ、ついに復讐を決意しました。

ロボトミー手術の後遺症に悩まされる

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前頭葉は感情ややる気などを引き起こす中心の働きをしており、これに異常があると、前兆のない突発性のてんかんを引き起こすことがあります。

実際にブルドーザーを運転中に激しい目眩を引き起こし、動けなくなり、車体を暴走させてしまったりもありました。

それにより職場を変え、睡眠薬で落ち着かせてましたが、発作が消える事はなく、どこまでも後遺症がつきまとう形となりました。

著しいやる気の低下で記事の執筆が困難に

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そもそも桜庭は術後に以前よりも精神的意欲が明らかに減衰しており、スポーツライターの原稿の作業量も以前の5/1にまで減り、退きました。

この手術は前頭葉の組織を一部破壊しているのですから当然なのですが、こう行った副作用がある事は問題視されてませんでした。

感情の欠如を実感した桜田障司は復讐を決意し犯行へ

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その後、弟の会社で働くことになりましたが英語力を買われ、フィリピン支社で働くことになりました。

桜庭はフィリピンでの美しい景色を眺めていても、全くなんの感情も湧き上がらないことに危機感を募らせました。

常人と同じように自由に喜怒哀楽を表現できない自分は、もはや人間ではないと思ってしまい、追い詰められた結果でした。

「自死権」を主張した桜庭章司の現在

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長期間の服役による体の不調などの理由により「自死権」を主張した桜庭は、現在も服役しているのでしょうか?最近の出来事についてまとめていきます。

桜庭章司「自死権」をめぐって訴訟をおこす

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桜庭はロボトミー手術を強行されてから、長きに渡り数多くの副作用に悩まされ、人生を棒に振ってしまいました。

一時は3mの金網をよじ登り、建物の5階から飛び降り、自殺しようともしたほど、精神的にも追い詰められていました。

そんな中、2008年に、体に不調もあった当時79歳だった桜庭は、生きていても仕方がないとし、「自死権」を主張し、裁判所に提出しました。

桜田章司の「自死権」の主張は認められなかった

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裁判所は、桜庭の主張を法律上、憲法上認めることができないなどとし、まるで門前払いしたかの様に払い除けました。

強制的に手術が行われたことも含め、このせいで紆余曲折ある人生を辿った桜庭の、最後の希望だったかもしれない主張が消えた瞬間でもあったのです。

桜庭章司が受けた「ロボトミー手術」とは?

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そもそも今回の事件の問題点となったロボトミー手術とは、具体的にどの様な手術であったのでしょうか?詳しく解説していきます。

ロボトミー手術とは精神外科手術

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1935年当時、まだ未知の領域であった精神疾患のある患者の精神外科手術の一つで、確立されるまで様々な研究と、実験が繰り返されてきました。

術後大人しくはなるが、自殺者や死亡者が報告されるなど、その副作用には解決しなければいけない問題点がありました。

ですが、その後手術の有効性が認められ、1949年に考案者がノーベル賞を受賞し、世界中で行われる様になりました。

前頭葉を破壊する「ロボトミー手術」

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脳を切るという異常な発想のロボトミー手術は、現在では口に出すことを禁じられていつ程の医療行為となっています。

実際に手術を行うには、アイスピックの様な器具を右の瞼の裏から差し込んで、頭蓋骨の最も薄い箇所を破壊し、前頭葉に到達させます。

そのあとは無造作にアイスピックの様な器具を掻き回し、神経を断ち切り脳組織の一部を壊すという悍ましい方法なのです。

ロボトミー手術は人間性を破壊する行為

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