土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大の生い立ちや犯行動機について解説!

土浦連続殺傷事件と類似した事件③広島タクシー運転手連続殺人事件

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土浦連続殺傷事件が起きる10年以上前の1996年4月から9月にかけて、広島県内で連続殺人事件が発生します。34歳のタクシー運転手の男が女性を誘い込み殺害した上で山中に遺体を遺棄しました。

男は裁判で「自分はいったい何のために生まれたのか、考えるとつらい」といった発言をしており、死刑判決に対しても控訴せず早期の執行を望んでいたといい、土浦連続殺傷事件と類似しています。

自己愛性パーソナリティ障害といわれている有名人

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土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大と同じように自己愛性パーソナリティ障害の診断を受けた人は多くいます。

この診断を受けた人全員が犯罪を起こすということはもちろんありませんが、自己愛の強さや誇大的思考ゆえ、土浦連続殺傷事件のように社会に大きな影響を与えてしまうこともしばしばあります。

自己愛性パーソナリティ障害といわれる文豪の末路と土浦連続殺傷事件と同様のタイプの犯人が起こした事件についてみてみましょう。

自己愛性パーソナリティ障害といわれている文豪①三島由紀夫

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日本を代表する作家である三島由紀夫も自己愛性パーソナリティ障害だったのではないかという説が有力です。

三島は対人関係に非常に敏感で、自らは選ばれた者という選民意識が非常に強かったようです。この点が土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大とよく似ています。老いによる肉体の衰えを過度に恐れ、極端な思想を抱いていました。

自衛隊の駐屯基地で大勢が見ている前で仲間とともに割腹自殺を図り、劇的な最期を遂げて世間に衝撃を与えました。この事件について興味を持った方は以下の記事もご覧ください。

自己愛性パーソナリティ障害といわれている文豪②太宰治

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太宰治も三島由紀夫同様、日本を代表する作家です。太宰は精神的に不安定で慢性的な虚無感や疎外感を感じていたといわれており、自己愛性パーソナリティ障害だったといわれています。

過去に何度も自殺未遂を図っており、最期は愛人とともに入水自殺で38歳という生涯を終えています。過去の自殺では愛人だけが死んでしまったこともありました。

自己愛が強く虚無感や疎外感を感じていた点や自殺願望が強い点は、土浦連続殺人の犯人・金川真大と共通していると言えるでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害と診断された犯罪者③植松聖

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社会に大きな衝撃を与えた事件として記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。

土浦連続殺傷事件から8年後の2016年7月、神奈川県相模原市にある障害者施設に元職員の植松聖が侵入し、刃物で就寝中の入所者や職員を切り付け、19人の入所者を殺害しました。

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逮捕後に受けた精神鑑定により植松は「自己愛性パーソナリティ障害」と診断を受けています。土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大と同じものです。

凶行後に自ら警察署に出頭していること、被害者に対する反省の色を全く見せていないこと、死刑を見据えた上での犯行という点でも金川と共通しています。

自己愛性パーソナリティ障害と指摘される犯罪者④少年A・酒鬼薔薇聖斗

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土浦連続殺傷事件の10年ほど前である1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の犯人が「少年A」です。

当時、14歳であったことから実名は報道されず、少年Aと言われています。また、本人が犯行声明文で名乗った「酒鬼薔薇聖斗」という別称も有名です。

少年Aは数か月にわたって小学生を襲い、最終的には2名を殺害、3名に重軽傷を負わせています。特に、被害者の小学生男子の頭部を声明文とともに中学校の前に置いたことで世間を恐怖に陥れました。

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自己愛が強く、自分の欲望のために他人を利用しても何も感じない点などから、自己愛性パーソナリティ障害ではないかと指摘する専門家もいます。このような点は土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大とも類似しています。

この事件に関する詳しい記事は以下をご覧ください。

自己愛性パーソナリティ障害と指摘される犯罪者⑤・小林泰剛

土浦殺傷事件が起きる以前、2001年から2005年にかけて、10代から20代の女性がホテルや自宅に監禁される事件が起きました。

その犯人が小林泰剛です。その整った容姿や資産家の家の生まれだったことから「監禁王子」として有名になりました。

幸いにも死者は出ていませんが、暴力により女性を支配し、自分のことを「ご主人様」と呼ばせて虐げていました。

取り調べでは反省した様子は全く見せず「自分に落とせない女はいない」といった供述をしていたようです。誇大な思考や共感性の低さなどが専門家に指摘されています。この点が土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大とも似ています。

この事件については詳しい内容は以下の記事をご覧ください。

自分勝手な振る舞いや他者への共感性の低さが共通点

先に挙げた自己愛性パーソナリティ障害といわれる人々と土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大とはいくつかの点で共通点が見られます。

一つ目が、誇大的な思考といえます。自分が特別であり、周りとは違うという思想が強い傾向がうかがえます。

思想に見合った能力や実績が備わることで、三島や太宰のように社会に認められる場合もありますが、土浦連続殺傷事件のように誇大な思想が身勝手な犯行を引き起こす場合もあります。

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二つ目は、他者との関わりがうまくいかない点が挙げられます。いずれも他者との人間関係が上手く築けなかった面がうかがえます。

土浦連続殺傷事件や他の事件では、他者の気持ちも考えられず、他者の人生を踏みにじることも平気でしています。

もちろん、この障害を持つ人全てが社会で上手くいかないというわけではありません。一つの側面として、土浦連続殺傷事件の犯人・金川のように、生きにくさやもどかしさを感じることは共通しているようです。

土浦連続殺傷事件は犯人の身勝手さが招いた残忍な事件

土浦連続殺傷事件は犯人がただ死刑になりたいという身勝手な思いだけで無関係の人々を殺傷した許しがたい犯行です。

それと同時に、警察が適切な対応をとることで第二の事件を防げた可能性も考えられ、傷付いた人や奪われた生命を考えると残念でなりません。

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土浦殺傷事件の犯人の考え方は到底受け入れられるものではありません。ただ一方で、犯人が特別な存在かといわれるとそうではないと思われます。

このような考え方を持つ者が私たちの身近で暮らしていて、何かのきっかけで同じような凶行に及ぶことはこの先も十分考えられます。土浦連続殺傷事件から得た教訓を生かしていくことが重要といえるでしょう。

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