自信もあってかつ打たれ強さもあれば、批判や指摘にも耐えることができます。それが成長に繋がることもあるでしょう。しかし、この障害はアンバランスさが特徴なのです。
他人の気持ちなどを考えられない
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自分に対する評価が高く、自分のことは過剰に愛していますが、他人のことはあまり認めず、共感の気持ちが低い特徴があります。自分が他人より優れていると思ってしまいます。
そのため、利己的に他人を利用したり、相手の気持ちが理解できないため平気で人を傷つけることができます。また、そうした行為に罪悪感を感じないタイプが多いようです。
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他者への共感や気持ちを理解することは家庭でも社会でも必要な要素です。しかし、この能力がうまく育たなければ、どんなに知能が優秀でも人間関係で躓いてしまいます。
事件後に、殺人は悪いことではないという認識も示しており、自分の目的を達成するためなら他人の命や尊厳などは気にしていない様子もうかがえます。
強烈な劣等感や愛されないという感覚への防衛反応
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この障害は生まれつき備わっているものではなく、本人の本来気質や生まれ育った環境等の生い立ちが多分に関連すると考えられています。周囲からどのような影響を受けてきたかが重要ということですね。
土浦連続殺傷事件を起こした金川の幼少期の生い立ちには、強い期待をかけられたものの応えられず見放された過去があります。その経験が強い劣等感を形成したと推察されます。
後の裁判においても金川の家庭環境や両親からの接し方などが話題にのぼっており、金川の行動や犯行、他人を大切にしない思想背景との関連が指摘されました。
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幼少期は親から認められたいという承認欲求が強くあり、その要求に対して親が肯定的に応えて「共感」の態度をとることは、生い立ちの中での適切な自己愛の育成に必要です。
土浦連続殺傷事件を起こした金川は成長過程の中で、早い段階で親から見放されており、そのような子どもながらの欲求が満たされにくい生い立ちでした。
次第に自己中心的過ぎる自己愛が形成されたのでしょう。それが「自己愛性パーソナリティ障害」を引き起こす一つの素因になってしまったのではないかと推察されます。
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土浦連続殺傷事件では県警のずさんな対応も明らかに
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土浦連続殺傷事件では最初の犯行現場に残されたマウンテンバイクから早い段階で金川真大を容疑者として特定し捜索していましたが、警察は二度目の犯行を防ぐことはできませんでした。
何故未然に捕まえることができなかったのでしょうか。土浦連続殺傷事件における警察の動きについて追ってみましょう。
捜査員同士の連絡手段を持っていなかった
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土浦連続殺傷事件で県警は二度目の犯行現場となった荒川沖駅に犯人が再度現れることを予測し、8名の捜査員を配置していました。予測が正しかったと言えます。
しかし、無線機等の捜査員同士が連絡を取り合う手段を確保していませんでした。金川が現れても他の捜査員に伝えることができず、連携することはできなかったということです。これは無視できない失態といえるでしょう。
事件後に警察がこの点について聞かれた際には、無線やイヤホンをつけていては容疑者に気付かれる可能性があった、容疑者確保を最優先にしたと述べています。
駅に配置された捜査員は金川真大の写真を持っていなかった
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土浦連続殺傷事件二度目の凶行の現場となる荒川沖駅で張り込んでいた捜査員は驚くべきことに金川真大の顔写真を持っておらず、改札を通過した金川に気付かずに取り逃がしてしまいます。
この件について県警は、金川が髪型を変えスーツを着る等の変装をしており、また写真自体も2年前の物であったことから気付けなかったと釈明しています。
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もし捜査員の目の前を通る男が犯人だと分かったならその場で取り押さえ、第二の犯行が起きず8人の被害者は出なかった可能性は十分に考えられます。
また、捜査本部に第二の犯行が伝わったのは、現場にいる捜査官からではなく市民からの110番通報だったということです。張り込んでいた捜査官の中には事件に気付かなかった者もいたようです。
警戒に当たっていることが駅に伝えられていなかった
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土浦連続殺傷事件の第二の犯行に先立ち、駅構内や周辺を警戒していた警察ですが、そのことについて駅側には一切伝えていなかったといいます。制服警官もいなかったため、駅側も警察が張り込んでいるとは気付くことができなかったでしょう。
後に県警は「容疑者確保のための極秘の捜査だった」と釈明していますが、駅の職員や乗客が事件に巻き込まれる可能性も十分あったことを考えると疑問が残ります。
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また、報道等で指名手配は流していたものの、最初の犯行現場近く(金川の自宅も近い)や駅等にビラやポスターの掲示はなく、地域住民に対する警戒喚起が不十分だったことも指摘されています。
事件後、警察には市民からの抗議の声が多く寄せられたそうです。警察の不手際に住民が怒りの声を上げたことも十分理解できます。
金川真大が自首した交番は警察官が留守だった
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土浦連続殺傷事件の犯行に及んだ後、自首するために近くの交番へ向かいます。しかし、金川が着いたとき警察官が不在であったため、自ら通報し警察官を呼び寄せました。
もし気が変わって金川が逃走していたら、土浦連続殺傷事件は更に悲劇を生んでいた可能性も十分に考えられます。実際、交番へ向かう途中もすれ違う人を殺すことも考えたようです。
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こういった警察の不手際が後に糾弾されることとなりました。もちろん警察も必死に金川を追っていたでしょう。しかし、連携の仕方や変装の予見など、もっと何とかできたのではないかという批判的な見方になってしまいます。
後に警視庁幹部が操作方法に問題があったと明言しています。また、警察庁から県警に対して、今後同じようなことが起きないよう再発防止に努めるよう指導があったようです。
土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大の獄中での様子
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土浦連続殺傷事件の裁判が終わった後、獄中で生活を送っていた金川ですが、心境の変化はなく早期の死刑執行を望んでいました。刑に服している間、彼は土浦連続殺傷事件について何を語り、どう捉えていたのかみていきましょう。
事件への反省・後悔、遺族への謝罪は全くなかった
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土浦連続殺傷事件の裁判において、犯行や遺族に対する謝罪の言葉が出ることはなく、苛立ちから机を破壊する行動をとる等、反省の態度はみられませんでした。遺族が傍聴席にいることももちろん知っていたでしょう。
むしろ金川は反抗的とも言える態度をとっており、出廷の際に英語で「妨害」を意味する単語が書かれたTシャツを着てくることもありました。明らかに挑発している態度といえます。
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また、土浦連続殺傷事件という凶行に及んだ後にも、外に出ればまた死刑を下してくれるまで人を殺すといった発言もしており、考えを改めようという気は全くみられませんでした。
証言では、人と蚊を殺すことは同じようなものと発言したり、自分がライオンで被害者はシマウマで強い生き物が弱い生き物を殺すことは自然の摂理等という自分勝手な解釈を繰り広げていました。
東京拘置所へ移送時に暴れていた
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土浦殺傷事件の判決が決定した後、水戸から東京拘置所へ移送となりました。その際、金川は大暴れをし周囲を騒然とさせています。このため、収監が遅れてしまい2010年5月に改めて移送されています。
水戸拘置所にいた頃に、ボールペンで職員を刺そうとした経過もあったことから、移送時には大勢の警察官が動員されたようです。金川がいかに警戒されていたかが分かります。
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独房に収監されたものの他の受刑者への影響も考慮され、隣の独房は空室にされました。私物の持ち込みも大きく制限を受けます。運動や入浴も周囲とのトラブルを避けるために、一番最後に回される等の措置がとられました。
基本的には他の受刑者と話すことは禁止されており、一番奥の房に入れられ、隣りに人の気配も感じない金川は何を考えていたのでしょうか。
近くの房には死刑囚が大勢いた
金川が収監されていたのは、東京の小菅にある東京拘置所の最上階にあたる11階でした。そこは「日本一死刑囚が多いフロア」と呼ばれ、厳重な警戒態勢が敷かれており、金川は一番奥の房だったようです。
そんなフロアには、秋葉原無差別殺傷事件を起こした死刑囚もいたようです。後に詳しく載せていますが、この死刑囚は土浦連続殺傷事件のすぐ後に事件を起こし、影響を受けたと語っています。
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ちなみに死刑囚は懲役刑ではないので、刑務作業などの義務はありません。刑務所ではなく拘置所に入れられ、死刑が執行されるのをひたすら待っているだけの生活です。
いつ刑が執行されるかというのは、執行当日の朝に本人に告げられるそうです。無言で本人を連れ出し、午前中には執行してしまうそうです。取り乱したり自殺を防ぐためといわれています。
メディアとの面会は拒まず続けていた
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金川は獄中で土浦連続殺傷事件の取材の面会には気軽に応じており、特に新聞社の記者とは頻繁に面会をしました。一方、両親との面会ではほとんど話をしなかったことから対照的といえます。
この面会について金川は「暇つぶし」と語っていますが、訪れた面会者に自分の考えや気持ちを包み隠さず話しています。その中でも独特の理論や一般的には受け入れがたい発言も繰り返しています。
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ある時、記者が金川の学生時代の友人を連れて面会に行きました。話の中で金川が涙目になる場面があったようですが、金川から土浦連続殺傷事件という凶悪犯罪に対する後悔や反省の弁を引き出すことはできませんでした。
いくら働きかけても変わらない死への渇望は異常に見えます。しかし同時にこのような独特な思考の持ち主が世の中には存在するんだということも私たちは知っておかなければならないでしょう。
生きることへの執着は全くなく早期の死刑執行を望んでいた
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ある記者は、金川真大はどこにでもいるような普通の青年という印象と述べており、土浦連続殺傷事件を起こした凶悪犯罪者には見えなかったと語っています。また、別の記者はこんな家庭環境でなかったらといった印象も残しています。
一方、死刑がすぐに執行されないことに不満を抱いており「半年以内に死刑を執行しないのは違反」として、法務大臣に早期執行を求める嘆願書も出します。生きていることが時間・税金の無駄と話していたそうです。
死刑が執行されないことを不服とし、裁判に訴えることも考えていたようです。このような訴えは理解し難いと感じますが、金川からすると自らの権利を主張しているだけで何ら不思議ではない発想だったのでしょう。
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金川がファンタジーの世界に非常に憧れており、冒険の主人公になって旅をしたいをしたいと思っていたこと、秋葉原へ行った際に性風俗に行こうと思っていたこと(性体験がないこと)が明らかとなっていました。
そこで、面会に訪れた記者等が、女の子と付き合うことや面白いゲーム等の話題を出し、生への執着を引き出そうと試みます。しかし、金川の死への執着は全く揺るぎませんでした。
そして、2013(平成25)年2月、死刑が執行されました。彼が唯一望んだことが叶ってしまった瞬間でした。
土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大の同級生も殺人事件を起こしていた
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身勝手な事件を起こした土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大ですが、驚くことに中学時代の同級生も殺人事件を起こしています。
その殺人事件とはどのようなものか、また金川と同級生の接点はあったのか詳しくみていきましょう。
葛飾区の女子大生が殺害された「女子大学生殺人事件」
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東京都葛飾区に住む女子大学生が2018年11月から行方不明になっていたところ、茨城県神栖市にて遺体が発見されました。そして2019年1月、市内に住む廣瀬晃一が死体遺棄容疑で逮捕されました。
被害者の女性大生と廣瀬はインターネット上で知り合い11月に神栖市内で会います。会ったその日に廣瀬が女子大学生の首を絞め殺害しています。
そして、驚くべきことに容疑者・廣瀬晃一は土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大と同級生だったことが判明したのです。
金川真大は中学時代の同級生
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犯行当時、廣瀬は神栖市内に住んでいましたが、中学校の頃までは土浦市に住んでいました。その土浦市内の通っていた中学校の同級生に土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大がいたのです。
同じ中学校の同級生から2名の殺人犯が出てしまうとは非常に稀といえます。この事実を当時の同級生たちはどのように受け止めているのでしょうか。
2人にはゲーム好きという共通点があり、交流があったとの噂も
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生い立ちは違う2人ですが、金川も廣瀬もお互いにゲームが好きという共通点があり、同級生の証言によると、ゲームを通じて当時交流があったのではないかと言われています。
廣瀬の犯行が同級生である金川の影響を受けたかどうか定かではありませんが、あれだけ報道された土浦連続殺傷事件ですから、中学校の同級生の金川真大の犯行だったことはもちろん知っていたと思われます。
家庭環境という生い立ちは違っていても、同級生という立場やゲーム好きという共通点は見過ごせない点と言えます。
土浦連続殺傷事件と類似した事件
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土浦連続殺傷事件は死刑になることを望み犯行に及んだという身勝手極まりない事件ですが、土浦連続殺傷事件以外にも同じような動機から殺傷事件が起きています。
土浦連続殺傷事件と類似した事件①秋葉原通り魔事件
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土浦連続殺傷事件から3か月後の2008年6月、東京都千代田区外神田で通り魔事件が発生しました。25歳の男がトラックで横断中の歩行者を次々と跳ね、さらに所持していた刃物で通行人を立て続けに襲い殺傷しました。17名が被害に遭い、そのうち7名が死亡してしまいました。
犯人は土浦連続殺傷事件を参考にしてと述べており、さらに「社会的に孤立するなら死刑になった方がまし」とも述べています。死刑を見据えた上での犯行と考えられます。
この事件について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
土浦連続殺傷事件と類似した事件②附属池田小事件
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土浦連続殺傷事件が起きる以前の2001年6月、大阪府池田市の大阪教育大学附属池田小学校で小学生無差別殺傷事件が起きました。
刃物を持った37歳の男が小学校へ侵入し、児童・教師を次々と襲い殺傷しました。23名が被害に遭い、そのうち8名の児童が死亡してしまいました。
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犯人は公判の中で、死刑にしてくれてありがとう、死にたいと思っていたから助かる等の発言をしており、死刑になることを望んでいたとも考えられます。この点が土浦連続殺傷事件と類似しています。
また、判決後は担当弁護士に対し、一刻も早い死刑執行を望むという手紙も出しています。この点も土浦連続殺傷事件と似ているといえます。興味のある方は以下の記事もご覧ください。
土浦連続殺傷事件と類似した事件③広島タクシー運転手連続殺人事件
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土浦連続殺傷事件が起きる10年以上前の1996年4月から9月にかけて、広島県内で連続殺人事件が発生します。34歳のタクシー運転手の男が女性を誘い込み殺害した上で山中に遺体を遺棄しました。
男は裁判で「自分はいったい何のために生まれたのか、考えるとつらい」といった発言をしており、死刑判決に対しても控訴せず早期の執行を望んでいたといい、土浦連続殺傷事件と類似しています。
自己愛性パーソナリティ障害といわれている有名人
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土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大と同じように自己愛性パーソナリティ障害の診断を受けた人は多くいます。
この診断を受けた人全員が犯罪を起こすということはもちろんありませんが、自己愛の強さや誇大的思考ゆえ、土浦連続殺傷事件のように社会に大きな影響を与えてしまうこともしばしばあります。
自己愛性パーソナリティ障害といわれる文豪の末路と土浦連続殺傷事件と同様のタイプの犯人が起こした事件についてみてみましょう。
自己愛性パーソナリティ障害といわれている文豪①三島由紀夫
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日本を代表する作家である三島由紀夫も自己愛性パーソナリティ障害だったのではないかという説が有力です。
三島は対人関係に非常に敏感で、自らは選ばれた者という選民意識が非常に強かったようです。この点が土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大とよく似ています。老いによる肉体の衰えを過度に恐れ、極端な思想を抱いていました。
自衛隊の駐屯基地で大勢が見ている前で仲間とともに割腹自殺を図り、劇的な最期を遂げて世間に衝撃を与えました。この事件について興味を持った方は以下の記事もご覧ください。
自己愛性パーソナリティ障害といわれている文豪②太宰治
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太宰治も三島由紀夫同様、日本を代表する作家です。太宰は精神的に不安定で慢性的な虚無感や疎外感を感じていたといわれており、自己愛性パーソナリティ障害だったといわれています。
過去に何度も自殺未遂を図っており、最期は愛人とともに入水自殺で38歳という生涯を終えています。過去の自殺では愛人だけが死んでしまったこともありました。
自己愛が強く虚無感や疎外感を感じていた点や自殺願望が強い点は、土浦連続殺人の犯人・金川真大と共通していると言えるでしょう。
自己愛性パーソナリティ障害と診断された犯罪者③植松聖
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社会に大きな衝撃を与えた事件として記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
土浦連続殺傷事件から8年後の2016年7月、神奈川県相模原市にある障害者施設に元職員の植松聖が侵入し、刃物で就寝中の入所者や職員を切り付け、19人の入所者を殺害しました。
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逮捕後に受けた精神鑑定により植松は「自己愛性パーソナリティ障害」と診断を受けています。土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大と同じものです。
凶行後に自ら警察署に出頭していること、被害者に対する反省の色を全く見せていないこと、死刑を見据えた上での犯行という点でも金川と共通しています。
自己愛性パーソナリティ障害と指摘される犯罪者④少年A・酒鬼薔薇聖斗
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土浦連続殺傷事件の10年ほど前である1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の犯人が「少年A」です。
当時、14歳であったことから実名は報道されず、少年Aと言われています。また、本人が犯行声明文で名乗った「酒鬼薔薇聖斗」という別称も有名です。
少年Aは数か月にわたって小学生を襲い、最終的には2名を殺害、3名に重軽傷を負わせています。特に、被害者の小学生男子の頭部を声明文とともに中学校の前に置いたことで世間を恐怖に陥れました。
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自己愛が強く、自分の欲望のために他人を利用しても何も感じない点などから、自己愛性パーソナリティ障害ではないかと指摘する専門家もいます。このような点は土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大とも類似しています。
この事件に関する詳しい記事は以下をご覧ください。
自己愛性パーソナリティ障害と指摘される犯罪者⑤・小林泰剛
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土浦殺傷事件が起きる以前、2001年から2005年にかけて、10代から20代の女性がホテルや自宅に監禁される事件が起きました。
その犯人が小林泰剛です。その整った容姿や資産家の家の生まれだったことから「監禁王子」として有名になりました。
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幸いにも死者は出ていませんが、暴力により女性を支配し、自分のことを「ご主人様」と呼ばせて虐げていました。
取り調べでは反省した様子は全く見せず「自分に落とせない女はいない」といった供述をしていたようです。誇大な思考や共感性の低さなどが専門家に指摘されています。この点が土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大とも似ています。
この事件については詳しい内容は以下の記事をご覧ください。
自分勝手な振る舞いや他者への共感性の低さが共通点
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先に挙げた自己愛性パーソナリティ障害といわれる人々と土浦連続殺傷事件の犯人・金川真大とはいくつかの点で共通点が見られます。
一つ目が、誇大的な思考といえます。自分が特別であり、周りとは違うという思想が強い傾向がうかがえます。
思想に見合った能力や実績が備わることで、三島や太宰のように社会に認められる場合もありますが、土浦連続殺傷事件のように誇大な思想が身勝手な犯行を引き起こす場合もあります。
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二つ目は、他者との関わりがうまくいかない点が挙げられます。いずれも他者との人間関係が上手く築けなかった面がうかがえます。
土浦連続殺傷事件や他の事件では、他者の気持ちも考えられず、他者の人生を踏みにじることも平気でしています。
もちろん、この障害を持つ人全てが社会で上手くいかないというわけではありません。一つの側面として、土浦連続殺傷事件の犯人・金川のように、生きにくさやもどかしさを感じることは共通しているようです。
土浦連続殺傷事件は犯人の身勝手さが招いた残忍な事件
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土浦連続殺傷事件は犯人がただ死刑になりたいという身勝手な思いだけで無関係の人々を殺傷した許しがたい犯行です。
それと同時に、警察が適切な対応をとることで第二の事件を防げた可能性も考えられ、傷付いた人や奪われた生命を考えると残念でなりません。
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土浦殺傷事件の犯人の考え方は到底受け入れられるものではありません。ただ一方で、犯人が特別な存在かといわれるとそうではないと思われます。
このような考え方を持つ者が私たちの身近で暮らしていて、何かのきっかけで同じような凶行に及ぶことはこの先も十分考えられます。土浦連続殺傷事件から得た教訓を生かしていくことが重要といえるでしょう。
秋葉原通り魔事件に関する記事はこちら
附属池田小事件に関する記事はこちら
三島由紀夫に関する記事はこちら
少年A・酒鬼薔薇聖斗に関する記事はこちら
小林泰剛に関する記事はこちら