オウム真理教が宗教団体登録された後に、会員の三分の一が脱会しています。残った信者達は多額の献金や厳しい修行に追われながら精神をすり減らしていったようです。
オウム真理教の修行とは?
オウム真理教の発足当初の修行は、ヨーガの手法に習って行われていましたが、その後肉体を追い込む厳しい修行や「イニシエーション」という霊的なエネルギーを注入する修行などに置き換わっていくことになりました。
オウム真理教の修行の目的
オウム設立当初の修業の目的は、極めて平和な「ヨーガの修業を通して超能力を体得すること」でした。
しかし、教団が暴力的な教義に変化していくことで、人々の救済を行うためならばたとえ犯罪となろうともその手段は厭わないという宗教団体としての役割を逸脱した目的になっていきました。
ヨーガの手法を用いた修行
オウム真理教で行われていた修行には、ヨーガに習ったものが複数みられます。なぜなら、オウム真理教の前身はヨガ道場「オウムの会」であり、その後「オウム神仙の会」に改称しました。
しかし、麻原彰晃自身は正規の指導者(グル)についての修行を積んでいないことで、中途半端に能力が覚醒する「魔境」という状態に陥り、精神バランスを崩してしまったのではないかという説があります。
「オウム神仙の会」の改称からわずか一年で、宗教団体「オウム真理教」に改称します。それも改称だけではなくヨーガ系から仏教系に方針転換したようです。
オウム真理教の修行道具
修行道具は、麻原彰晃の髪の毛や爪、DNAなども使用していました。さらに、麻原彰晃が入った風呂の残り湯まであったという異常さです。麻原彰晃の身体から出たものであればすべて修業道具になったようです。
過激な修行が行われるようになる頃には、覚醒剤やLSDなどの違法薬物が修行道具として使用されることもありました。
この過激な修行の先に一体何があったのでしょう?オウム真理教が犯したおぞましい事件について詳しく解説した関連記事がありますので、ご覧ください。
オウム真理教が信者に課したハードな修行とは?
オウム真理教が信者に課した修行は、想像を絶するものがいくつもありました。並大抵の努力で乗り切れるようなものではなく、時には生死にかかわるようなものまでありました。衝撃の修行内容をいくつかご紹介します。
50度のお湯に20分入る過酷な「温熱療法」
高温のお湯の中に入りながら、60度のオウムオリジナルドリンク(レモン味)を飲まされるという厳しいもので、多くの死者が出たと伝えられています。
修行として行われること以外にも、イニシエーションで使った薬物の残留成分を抜くためであったり、時には懲罰としてこの温熱療法が用いられることもあったようです。
長時間放置で死亡事件も!「逆さ吊りの修行」
カルマ落としとして、教団内で行われていた逆さ吊りの修行は、信者の足をロープで括り、牽引機で吊し上げ一時間半ほど放置するというものでした。しかし、監視役の怠慢から死亡事件も起きています。
オウム真理教富士山総本部道場で教団からの脱会をしようとしていた男性が逆さ吊り修行を命じられましたが、修行中に忘れられ長時間放置された後に死亡しました。
遺体は焼却、溶解された後排水溝から流され、事件は完全隠蔽されたかと思われましたが、修行の監視役をしていた人物が自供し、事件が明るみに出ました。
幻の「修行するぞTシャツ」
オウム真理教が全盛期の頃、オリジナルグッズを制作し、それを一般向けに販売していた時期がありました。その中で、幻となっている「修行するぞTシャツ」についてご紹介します。
かつては「修行するぞTシャツ」は販売されていた
1995年からオウム真理教各支部にサティアンショップというグッズを販売するブースが併設され、「オウムソングのカセット」や「サティアンクッキー」そして、「修行するぞTシャツ」が販売されていました。
ちなみに当時の売れ筋は、「オウムソングのカセット」だったようです。テレビのワイドショーでオウム真理教が出てくるとよく流れていたので、話のネタとして購入していく人々が多かったのでしょう。
サティアンと言えば、有名なのは上九一色村にあった大型施設ではないでしょうか?オウム事件の後、上九一色村とサティアンのその後についてはこちらの関連記事をご覧ください。
今では「修行するぞTシャツ」は入手困難
かつて、販売されていた「修行するぞTシャツ」も現在では、入手が非常に困難になっています。コレクターの間では結構なレア物として周知されていますが、オークションサイトにはほぼ出品されないのが現状です。
そもそも所有している人が少ないことに加え、「凶悪事件を起こした宗教団体のTシャツ」という曰く付きなので早々に処分され、市場にも出回らないのでしょうか。
修行するぞTシャツを手元で自宅保管しているかたは思わぬお宝になっているかもしれません。一度オークションに出品してみてはいかがでしょうか?
今日も元気に修行するぞ!
「修行するぞ」のSNS投稿が増加した要因は、孤独な現代社会の中でどんな努力でも誰かと共有したい、共感したいとする心の表れなのかもしれません。
今や「修行するぞ」は万能の言葉なので様々なSNSの投稿ネタにぜひ使ってみてください。
「修行するぞ」の言葉の出どころは決して良いとは言えませんが、新しい役割を与えられたこの言葉が今度は社会に良い影響を与えてくれることでしょう。
オウム真理教の事件に関する記事はこちら
上九一色村とサティアンのその後に関する記事はこちら