『もののべ古書店怪奇譚』とはどんな作品?
もののべ古書店怪奇譚は、WebコミックBeat’sに2015年1月号から連載開始され、月刊2015年12月からは月間コミックガーデンで掲載中の漫画です。
「レトロ×怪奇×主従」が軸となったミステリアスな和風ファンタジーです。
2019年7月時点でもののべ古書店怪奇店のコミックは1巻~6巻まで発売中です。その累計販売数は56万部を突破しているベストセラーです。
また漫画配信アプリのマンガドアなどでも、もののべ古書店怪奇譚は読めますが、その中の人気ランキングにも上位に入っています。
『もののべ古書店怪奇譚』の作者は誰?
あらすじなどを見ていく前に、こちらの漫画の作者さんはどなたなのか見ていきましょう。
『もののべ古書店怪奇譚』の作者は紺吉さん
作者は紺吉さんです。今回ご紹介するもののべ古書店怪奇譚以外にも商業誌などでたくさんの作品を発表していて、どちらも大変魅力的です。
もののべ古書店怪奇譚のようなミステリー・ホラーだけでなくギャグ漫画や恋愛物も執筆しています。
“ぽん酢茸”としても活動している紺吉さん
紺吉さんはぽん酢茸さんとしても有名です。ぽん酢茸さんのTwitterでは、「2組のかやぐちさん」などの作品や他作品のあらすじを読むことができます。
また紺吉さん・ぽん酢茸さんはカラー絵の色遣いが独特で魅力的です。もののべ古書店怪奇譚のカラーは日本の伝統色や渋みが大変美しいです。
ぜひTwitterなどで作品の色使いもチェックしてみてください。
紺吉さんの作品一覧を紹介!
紺吉さんが今まで執筆し、出版社から単行本化している作品を見てみましょう。
- 三月さんは俺様になります(全3巻)
- 絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男(既刊1巻)
- もののべ古書店怪奇譚(既刊1巻~6巻)
本作だけでなく絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男の連載もしていらっしゃいます。
絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男はギャグ漫画であり、まったくテイストの違う作品でこちらもかなりの人気です。
紺吉さんは作風に合わせて絵柄もがらりと変えています。本当に、同じ作者?と思わせるほど絵のタッチも作品によって違い見事です。
ちなみに、絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男pixivコミックで読むことができ、こちらも人気ランキング上位に位置しています。
『もののべ古書店怪奇譚』の登場人物とは?
ではここからはこの作品に登場する魅力的な登場人物立ちをご紹介していきましょう。
『もののべ古書店怪奇譚』の登場人物①物部正太郎
もののべ古書店怪奇譚のの主人公です。年齢は20代前半と見られています。寡黙な物部書店の店主です。夏でも首にはストールのようなものを巻き、長袖で生活しています。
また怪我が多く、包帯やガーゼで治療していることが多いです。
読書が好きで、一度読んだ本の内容は覚えている特技があります。本が好きが高じてか書店の床で寝ることがあり、シロはその度に注意されています。
『もののべ古書店怪奇譚』の登場人物②シロ
物部書店のお手伝いの小さな男の子です。明るく人とすぐ仲良くなる性格の男の子です。正太郎と兄弟と間違われることもありますが、兄弟ではありません。
小さいながらもお手伝いをよくする良い子です。また半ズボンとベストといった育ちのよさそうな服装をしていることが多く、近所の人からも人気です。
近所の人は健気な少年と思っています。
『もののべ古書店怪奇譚』の登場人物③近藤
20代半ばの記者です。担当している雑誌は、怪奇事件専門誌で、怪しい事件が大好きです。
怪しい事件の譲歩をどこからか仕入れては、その情報を正太郎に流しています。
伊達メガネとハンチング帽がトレードマークの素直な青年です。伊達メガネをかけている理由は記者っぽく見えるからだそうです。
『もののべ古書店怪奇譚』の登場人物④如月
もののべ古書店怪奇譚の初期に登場する女性です。資産家である如月家の一人っ子です。異端なものの研究などもしており、鬼にも詳しいようです。
ゆるふわのショートボブに可愛い女の子らし服装が特徴の魅力的な女性です。
『もののべ古書店怪奇譚』の登場人物⑤マユ
主人公たちと一緒に暮らすようになる女の子です。名前と「クイトムライ」「コウジロ」という言葉以外の記憶を失っています。
幼い少女ですが、目の下に傷があります。また舌足らずなしゃべり方をするため、シロ以上に幼いことがうかがえます。
正太郎になつき、物部書店で一緒に暮らすようになります。食べることが大好きです。
『もののべ古書店怪奇譚』の登場人物⑥キョウカ
鬼の総会のトップです。鬼が実権を得られる世界を目指し、色々な計画を立てていますが、真の目的は語っていない様子です。
『もののべ古書店怪奇譚』の登場人物⑦リョウエノカミ
皆城山に住む鬼ですが、ふもとの村の人々からは神様として信仰されています。
山や村を守る代わりに、生贄を毎年一人得ています。正太郎と同じく、はぐれ者です。
『もののべ古書店怪奇譚』の登場人物⑧夜木
何百年も生きている鬼です。鬼書を集め、書き写しと研究をしています。水面下で色々動いているようですが、一切明かしません。
『もののべ古書店怪奇譚』の登場人物⑨桜子
人間の裕福な家の令嬢です。ある事件をきっかけに正太郎と出会います。
マユを妹のように思い大切にしています。素直で純粋な女性です。
『もののべ古書店怪奇譚』の登場人物⑩志波
探偵事務所を経営している男性です。正太郎たちと事件をキッカケに知り合います。
事件後も何かと正太郎たちからの依頼を色々と受けています。魅力的な登場人物がたくさん出てくる漫画はもののべ古書店怪奇譚以外にもあります。
そのうちの一つが「鬼滅の刃」です。こちらの記事で強さランキングの記事もご用意していますので、併せてご覧ください。
『もののべ古書店怪奇譚』のあらすじを紹介!
物語のネタバレを読むうえで押さえておきたいあらすじをご紹介します。こちらでご紹介するあらすじは、物語の世界観にも関わってきます。
理解することで、もののべ古書店怪奇譚を一層楽しめますので、のでどうぞご覧ください。
“物部古書店”を営む物部正太郎と手伝いのシロ
主人公である正太郎は、古本屋である物部書店の店主です。そしてシロはお手伝いです。書店にはには時々、記者の近藤が訪ねてきます。
そして、近藤は世の中で起きている物騒な事件のことを正太郎に語ります。正太郎は気になった事件については、真相を知るために独自の調査をします。
特別な古書を集めている?裏の顔がある物部正太郎
一見すると、古本屋の店主とお手伝いという二人ですが、この二人には裏の顔があります。実は、正太郎は鬼でシロの正体は神虫です。
神虫とは鬼を捕食する存在のことです。この物語の中には、鬼書と呼ばれる本があり、それを読むと人間は鬼となります。
正太郎は鬼が絡む事件を解決し、鬼書をに集めるために暗躍しています。一方シロは事件を起こした鬼を捕食するために二人で行動を共にします。
表の顔と裏の顔が登場人物にあるという点がもののべ古書店怪奇譚の魅力です。登場人物が正体を隠す漫画といえば蟲姫です。こちらの記事もご用意しています。
『もののべ古書店怪奇譚』の第1巻のあらすじとネタバレ!
物語の始まりとなる1巻のあらすじ、そしてネタバレを一緒に見ていきましょう。
もののべ古書店怪奇譚の第1巻にはWebコミックBeat’s1月~4月配信分が収録されています。
第1話「かみかくし」子どもや胎児が狙われた事件
もののべ古書店怪奇譚の第1話では、稲尾町で女性の惨殺死体が見つかるところら始まります。そして、その事件のことを近藤から聞いた正太郎は事件の陰に鬼書の存在がないか気になり調査へ出かけます。
聞き込みを開始すると、新事実としてこの町ではここ最近子供が複数行方不明になっていることが浮かびます。殺害された女性は二人で妊娠していましたが、殺害後は胎児がいなくなっていたことが分かります。
その情報を元に童一口という鬼が犯人であり、赴任してきたばかりの駐在の正体が童一口であることを突き止めます。童一口は彼らに襲いかかりますが、シロは神虫、正太郎は猟書鬼に変化し、童一口を倒します。
第2話「ものかくし」被害者全員が爪を剥がされている事件
古書店の前店主・清の友人だった老人より本の買い取りを依頼され、正太郎が老人宅へ査定に行くところからもののべ古書店怪奇譚の第2話は始まります。また時を同じくして彼らの住む町では通り魔事件が発生していました。
被害者は全員爪を剥がされており、このことを近藤から聞いた正太郎は鬼の「爪食み」が事件に関係していることを見破ります。
そして爪食みは老人の本を狙っていた業者の男の正体であることが判明し、正太郎たちは彼を倒します。ラストに件の本は、物部書店を守ってくれるお礼として正太郎に寄付されました。
第3話「ひとかくし」友人・高遠宗一郎の頼み
もののべ古書店怪奇譚の第2話で、老人より寄贈された本が縁で正太郎には高遠宗一郎と友人になります。そしてある時、宗一郎の自宅に本の配達を頼まれます。
彼が本をたくさん買うのは、同居の親戚の少女・高遠小夜に読ませるためのようです。ただ、最近高遠の屋敷の周りでは野犬に襲われ命を落とす人が多数いるため、注意するように言われます。
しかし被害者は実は鬼となった小夜に襲われ亡くなっていました。小夜の正体に気づいた宗一郎が野犬に襲われた細工をしていたのです。二人の想いの深さを知った正太郎は、彼らを見逃がします。
第4話「おにかくし」本を読んで鬼となった女性
第4話はどのような話か見てきましょう。今回の話では、店に如月と名乗る女性が訪ねてきす。如月は本目当てではなく人を食べない鬼の正太郎に興味を持ち会いに来たと言います。
そして、自身鬼書により鬼となったこと、しかし人を襲いたくないことを打ち明けます。ところが、それは全くの嘘でした。
本当は彼ををおびきだし、なぶり殺した上で食べようとしたのです。また女性と思わていた如月の正体は実は男性であり、そのことでずいぶん家族ともめていました。
瀕死の重傷を負った正太郎ですが、その元にシロが現れます。お腹を空かせた彼は正太郎の血の臭いを頼りに如月を捕食しに来たのです。
如月を食べた後も空腹を訴えるシロに、一人になるのは嫌だから自分を食べろと正太郎は言いますが、利用価値が残っているとしてシロは彼を助けます。
『もののべ古書店怪奇譚』の第2巻ネタバレ!
続いてもののべ古書店怪奇譚第2巻についてです。あらすじやネタバレをご紹介します。この巻からは登場人物が増え、志波や桜子といった準レギュラーが出てきます。
もののべ古書店怪奇譚の2巻は、WebコミックBeat’s2015年8・9月号配信分、月刊コミックガーデン2015年12月号、2016年1・3・4・5・7月号に掲載分です。
第5話「ひとえらび」目玉のない遺体が発見される
もののべ古書店怪奇譚の第5話では、探偵の志波がやって来ます。
志波は如月に正太郎を調べるために雇われていましたが、彼が消息不明になったため、正太郎に直にアプローチしてきました。
またこの頃、物部書店のある町の近くの山で眼球がとられた死体が見つかるようになります。調査を開始する正太郎達ですが、その調査に志波も加わります。最近の殺人事件の犯人は目論見通り、鬼の目玉啜りでした。
この鬼に襲われそうなところを正体を現した正太郎達に助けられます。二人の正体を知った志波ですが、身を守るため二人のことや事件の真相について黙認する決意をします。
第6話「ひとたらし」好きな人と同じ本を読みたい女の子
第6話では、準レギュラーの羽田桜子が登場します、彼女は背表紙等もすべて真っ黒い本を探していると言います。理由は真っ黒の本を意中の男性が所有しており、その男性と仲良くなりたいからです。
しかし、正太郎は彼女の恋路よりその本が鬼書ではないかが気になりました。店から帰る途中、桜子は偶然意中の男性である零次と知り合いになります。
彼は彼女の手がきれいだと褒め、二人で会うようになります。しかし、零次の目的は桜子と仲良くなることではなく彼女の手を食べることでした。
やはり零次の本は鬼書で、彼は鬼でした。その事に気が付いた正太郎達は零次宅にいる桜子を助けに向かいます。
第7話「ひとさらい」若い娘が次々といなくなる事件
もののべ古書店怪奇譚の7話では正太郎は今までの事件などで得た鬼書を持って夜木の元へ向かいます。
彼はここ最近付近で起きている女性の失踪事件について語ります。さらに正太郎に鬼書がある可能性が高い屋敷に立ち寄るように依頼します。
屋敷にはそこの主人の長女で傷が顔にある楓と美しい使用人・月子がおり、楓は月子の美しさをねたんでいるようでした。
ところが、最近の女性の失踪事件はこの二人の共犯で、月子は女性の顔を食べる面喰いという鬼でした。しかし、月子は圧倒的な力量のシロに倒されます。
ピンチの月子を助けようと、自分を食べるように言う楓ですが、一言「汚いものには口を付けたくない」といって楓の申し出を断ります。
コンプレックスだった顔を憧れの月子にまで指摘された楓はショックを受け自害します。
そして不思議なことに、死んだ楓の額には角が生え始めていました。楓は鬼書を読んだと正太郎は考えますが、彼女の身辺に鬼書は発見されません。
そのことを夜木に報告すると、彼自身は鬼となる条件は鬼書を読むことではなく、何らかの形で鬼の血に触れることであるとの推論を語ります。
『もののべ古書店怪奇譚』の第3巻ネタバレ!
次にもののべ古書店怪奇譚の3巻のあらすじについてです。3巻にはこの巻では主要な登場人物でご紹介したマユが本格的に出てきます。
マユの登場でどのように話が今後展開するのか気になる第3巻です。ネタバレも一緒にご説明します。
ちなみにこちらの巻には月刊コミックガーデン2016年2月号、8月号~2017年1月号、時代群像活劇「斬」Vol.2に掲載された作品が収録されています。
今回の記事では割愛していますが、コミックでは清と正太郎メインで、正太郎が鬼になる前の話の番外編なども収録されています。
気になる方はぜひ第3巻をお手に取ってみてください。
第8話「さまよいご」地下牢に閉じ込められていた少女・マユ
もののべ古書店怪奇譚の第8話の内容はどのようなものでしょうか?楓と月子が監禁していた女性の中にマユと名乗る小さな女の子がいました。
名前以外「クイトムライ・コウジロ」という言葉しか記憶がないマユ主人公に懐き、彼らと生活を共にするようになります。
志波に依頼しマユの手がかりを探ると死者の肉を食べる「喰い弔い」をしている内に、人を襲い人肉を食べる「鬼宿り」が生まれた「神代村」というところを見つけます。