ミニチュアホースは馬の中で一番小さい!
普通の馬より小さいポニーの中でもさらに小さいミニチュアホースをご存じですか。まずポニーは18世紀後半の産業革命期に子供や女性に代わる労働力としてイギリスやオーストラリアの炭鉱で何千頭も働いていましたが、19世紀頃から動物福祉運動が高まり保護されるようになりました。
身体の小さいポニー同士を交配させ改良を重ねたミニチュアホースは主にアルゼンチン原産のファラベラがミニチュアホースと呼ばれ我々でも飼育できるペットとして人気が高くなっています。
ミニチュアホースの生態は?
品種を問わず馬はその大きさで分類されています。諸説ありますが大まかなところ体高が143cm以上を馬、それ以下をポニー、100cm未満がミニポニー、83cm以下はミニチュアホースと呼びます。
ミニチュアとは言えども曲がりなりにもれっきとした馬ですので、ペットとして飼育したいと思ってもそれなりにさまざまな知識が必要になります。まずはミニチュアホースがどんな馬なのか、その生態を説明していきます。
1600年代にヨーロッパで開発された馬
ミニチュアホースには意外と古い歴史があります。ヨーロッパの上流階級ではすでに16世紀に「小さな馬」と呼ばれたペットとして品種改良されたミニチュアホースが人気があったそうです。
ミニチュアホースの大きさは体高80センチ程度
我々に馴染みの深いサラブレッドなどの普通の馬は170cm前後もある人間の大人並みの大きさですが、ミニチュアホースは大型犬のレトリバーの成犬より少し大きい80cmほどの大きさです。
ミニチュアホースの寿命は30~40年ほど
犬や猫よりも格段に長生きするミニチュアホースですが、40年も寿命があるとすると生半可な覚悟では難しいかもしれませんが親子二代でなら家族同然に飼育していけますね。
ミニチュアホースの性格はおとなしい
どのミニチュアホースも基本的におとなしい性格をしていますが、赤ちゃんの頃からスキンシップを取って愛情を掛け育てたミニチュアホースは人にとてもなつくので飼育しやすくなります。
ミニチュアホースはペットにできる?
人間に良くなついて性格もおとなしく、大きさも大型犬並みなので簡単に飼育できそうなイメージですが。ミニチュアホースを飼育するなら注意しなければならないポイントが想像以上に多いので説明します。
ペットとして飼うことは可能
まずペットとして飼育することは可能ですので安心してください。ただしレトリバーなどの大型犬と変わらないサイズですが、飼育環境などは普通の大きな馬と変わらず、屋内ではなく専用の馬小屋が必要です。
飼育のするときは自治体への届け出が必要
そしてお住まいの市区町村の家畜課に飼育届を提出するのですが、ミニチュアホースをペットとして飼育する場合は市区町村によって異なるので役所に問い合わせてみて下さいね。
馬を診てくれる獣医さんを見つけておく
近所に動物病院がたくさんあっても馬を専門に診察してくれる獣医さんはそう多くは無いでしょう。まずは近所の動物病院に相談するか、ネットでも公開され閲覧可能な日本馬術連盟の登録医名簿を参考に探すと良いでしょう。
ミニチュアホースの値段や販売している場所は?
サラブレッドを購入する場合と違い決して手が出せない値段とも言い切れない値段の相場や、犬や猫と違いペットショプでは簡単に手に入る事の無いミニチュアホースはどこへ行けば購入できるのでしょう。
ミニチュアホースの値段の相場は70万円ほど
さてやはり気になるのはミニチュアホースがいくらの値段で購入できるかでしょう。そのお値段は、相場では70万前後で購入できます。またサラブレッド同様ミニチュアホースも血統や年齢・特徴で値段はおよそ20~数百万と格安の中古車並みに値段の振り幅が大きくなっています。
ミニチュアホースを販売している牧場から購入可能
ネットでもブリーディング情報を閲覧できる牧場ではミニチュアホースの繁殖と販売をしているので購入可能です。またミニチュアホースをペットにしている方がいらしたら紹介でも購入することができる場合もあるので聞いてみてください。
ミニチュアホースを購入するときは直接見る
ペットを家族に迎える時は必ずそうですが、直接自分の目で確かめて状態や性格などの飼育に後々参考となる注意点をしっかりと購入先の方に聞いておく事が何よりも大切です。これから家族に迎えるミニチュアホースの親馬の様子で子供の成長後の姿や性格なども分かる事があり値段も相談に乗ってくれるかもしれませんよ。
ミニチュアホースの飼育方法は?
自由に走り回れる広い庭があれば言う事無しの完璧な飼育環境ですが、仮に都市部だとそうもいきません。しかしミニチュアホースならほぼ乗用車1台分くらいのスペースと小屋があれば大丈夫です。
馬小屋には7~8畳くらいの広さが必要
馬小屋は広ければ広いほど快適に過ごせますが、最低でも高さ1.3mと畳2枚分くらいの小屋は必要になります。床にはワラやおがくず、干し草を敷き詰めると完璧ですが、無ければ新聞紙を切ったものでも代用できます。馬は大変きれい好きなので大切なのは毎日キレイに掃除をして糞尿のニオイを残さない事です。
10畳以上なら散歩の必要なし!
10畳(およそ4m四方)以上の広さがあれば、ある程度歩き回る事ができて運動にもなるので、毎日の散歩は必要ないと言われているようです。郊外の一軒家にお住まいの方なら大丈夫そうですが、そんなに広い庭が無い場合もあります。
広い庭がない場合は散歩をさせる
10畳以上の庭などのスペースが無い場合には毎日20~30分は散歩させてあげてくださいね。ミニチュアホースに限らず屋外で育った動物はストレスを感じると病気になる可能性があります。
ミニチュアホースの餌と月々の餌代
主食には干し草が最適です1日に2回から3回ほどバケツに入れてあげると良いみたいです。1日1回ビタミンを含んだ濃厚飼料をあげるとより良いでしょう。干し草は10kgで1000円前後、月およそ5000円位の餌代ですから大型犬より安いです。水は大きめのバケツや桶に入れて、常に新しい水をたっぷり飲めるようにしてあげてくださいね。
ミニチュアホースはある程度のしつけもできる
飼い犬ほどではないにしろある程度のしつけは可能です。馬は元々IQの高い哺乳類なので仔馬の頃から大事に育てられ人に馴れた馬は、猫よりも言う事を聞いてくれるようになります。
ミニチュアホースのお手入れ方法
大小問わずきれい好きの馬はブラッシングや身体を洗ってもらう事が大好きなので、スキンシップとしても効果的です。ミニチュアホースとも触れ合う事でより一層仲良く慣れる事請け合いのお手入れ方法を紹介します。
ミニチュアホースのお手入れ①ブラッシング
身体をキレイにする以外にもリラックス効果が抜群なのでミニチュアホースに限らず哺乳類はブラッシングが大好きです。できれば毎日ブラッシングすることで気持ちいい事をしてくれる人と認識するので、より信頼関係を深める事に繋がり懐いてくれます。
ミニチュアホースのお手入れ②丸洗い
水道の水でジャブジャブ丸洗いするのも喜んでくれますが、気温の低い季節や身体が冷える風の強い日はブラッシングだけにして、定期的に丸洗いしてあげましょう。声を掛けながら洗ってあげると鳴き声や仕草で嬉しさを現してくれます。
ミニチュアホースのお手入れ③蹄の掃除
ミニチュアホースの蹄は人間の足に相当する身体の大事な部分です。すり減ったり傷ついていると不安定がストレスに繋がって病気の要因になるので、マイナスドライバーを使って蹄の中にたまった土やゴミを取り除いてあげましょう。
ミニチュアホースのお手入れ④蹄を削る
蹄を削るケアは素人にはかなりハードルが高く、下手をすると余計に負担をかけストレスを引き起こしかねません。一番近い乗馬クラブを探して装蹄師のプロを紹介してもらいケアしてもらうのが安心です。
ミニチュアホースが気を付けるべき病気は?
いくら手をかけて大事に飼育していてもミニチュアホースもかかりやすい病気があります。そんな時に慌ててしまわないためにも病気の基礎知識を身に付けて予防をするようにしましょう。もちろん獣医さんには診察してもらって下さいね。