キジムナーは見える人と見えない人がいるという事も有名であり、見えない人にとっては、信じられない話かもしれません。
しかし、目に見える物が全てではなく、見える方には本当に見えている可能性がある以上、デマだと言い切れるものではないのです。
Contents
キジムナーの登場する民話と民謡
沖縄ではキジムナーに関する様々な民話が伝えられています。地域によって多種多様なキジムナーのお話があるため、有名なものをご紹介させていただきたいと思います。
民話「キジムナーの仕返し」
昔、鮫殿という漁師がいたそうです。鮫殿が漁をしていると、見知らぬ漁師の男性が声をかけてきました。
村の人の顔は覚えていたため、不審に思った鮫殿ですが、深くは考えず答えます。
しかし、来る日も来る日も現れる漁師を不審に思い、ある日後をつけると、クワの木に姿を消した漁師。
そこで鮫殿は漁師がキムジナーと知り、気味悪くなりました。そしてばれないようにクワの木に火を放ったのです。
もちろんその日からキジムナーは男性の前へは現れませんでした。しかし、鮫殿が幼馴染にキムジナー撃退の話をしていると、気付けば幼馴染はキジムナーの姿に。
怒りをあらわにしたキジムナーは男性の指の間を刃物で裂き、男性はその後亡くなってしまいました。
民話「三人娘のキジムナー」
薪を森から切り出し、釣りに出向いた3人の男は、時間が余っていたために薪の傍で昼寝をしていました。
1人の男性はそこで夢を見たのですが、薪の傍に若い3人の娘がおり、薪を投げつけられ、遊ぼうと誘ってくるのです。
男性が娘たちに誰かを問うと、男性たちの木を伐りに行く近くの木に棲んでいると告げて姿をくらましたのです。
夢で終わると良かったのですが、男性たちは全員同じ夢を見ており、告げられた場所を訪れると、キジムナーが住めそうな古い大木があったようです。
民話「キジムナーとおじい」
昔、1人身のお爺さんの元へキジムナーが現れました。そして、友達になろうと問うのです。1人身だったお爺さんはもちろん良い返事をします。
その後、毎日決まった時間にキジムナーがお爺さんの元を訪れては、海へ行こうと誘うようになり、キジムナーとお爺さんは大漁の魚を獲り、生活が豊かになりました。
しかし、キジムナーはお爺さんの体調が悪い時や、虫の居所が悪い時もお構いなしに現れては海へと誘います。
嫌気のさしたお爺さんは、さりげなく聞いたキジムナーの怖い物を用意しました。キジムナーはお爺さんに朝が来る訪れを告げるニワトリが怖いと打ち明けます。お家に帰らなくてはいけないからです。
お爺さんはキジムナーが訪れる頃合いを見計らい、ニワトリを放ち、陰から見守っていました。しかし、それがキジムナーに見つかってしまいました。
怒りを露わにしたキジムナーは稲妻のような怖さでお爺さんへ問い詰めました、友達に向けた仕打ちなのかと。お爺さんはショックのあまりそのまま亡くなってしまったそうです。
民話「否と言えない男」
ある所に、若い夫婦がおり、2人の住んでいた家の裏手には大きな古い大木があったそうです。もちろんそこにはキジムナーが住んでおり、男性とキジムナーは良い友達でした。
キジムナーは夜になると嵐の日も構わず男性を漁へと誘い、海へ赴きました。男性はいよいようんざりとしてきましたが、断ると何があるかわからないと、拒否せずについて行ったようです。
しかし、男性の妻もうんざりしており、2人はキジムナーを追い出す計画を立てました。キジムナーの住む大木を燃やしたのです。
キジムナーは住処が無くなったため、遠くへ越すと男性へと告げて姿を消しました。
その後しばらくして、キジムナーが越した先に用があった男性は、キジムナーが気になり赴く事にしました。
しかし、引っ越した先の大木にキジムナーの姿が見当たらず、近くの民家の男性に、自身がキジムナーを追い出してしまった事を伝え、居場所を伺いました。
すると、男性はみるみる怒りの顔に代わり、男性の目を突き刺しました。そう、言わずともその民家に住んでいたのはキジムナーだったのです。
民謡「ちょんちょんキジムナー」
こちらは沖縄の民謡です。内容はキジムナーの紹介文の様な内容となっています。
キジムナーは魚取りがうまく、呼びに来たら漁に出て、お金が儲かり、大きな家を建てれます。ただ、魚の目はキジムナー達のものです。
しかし、キジムナー達に気に入られると、お金持ちにはなりますが、海外へ旅行へ行ったとしても無駄のようです。
キジムナーは色々な作品に登場!ディズニーにも?!
沖縄で広く知れ渡っているキジムナーは、沖縄を超えてメディアにも進出し、更に多くの人に認知されています。
キャラクターから知り、調べた結果キジムナーについて詳しく知ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、キジムナーが登場した作品と、その中でのキャラクターについてご紹介させていただきたいと思います。
キジムナー登場作品①水木しげる作品
妖怪達が沢山登場し、日本を代表する名作として歴史に名を載せている、この有名な作品の中にも、妖怪という扱いに近いキジムナーが登場します。
丸々とした赤褐色の毛で身をくるんだような姿で登場ししていますが、その名はキムジナーとニアピンであり、こちらで覚えてしまっている方もいらっしゃるようです。
キジムナー登場作品②リロ・アンド・スティッチ
ディズニー作品として広く愛されている中にも、登場しているキジムナー。その姿は伝説のキジムナーと近く、赤く長い髪の子供の姿で登場しました。
リロ達と天真爛漫に遊ぶ姿から、いたずら好きのキジムナーを忠実に再現しているディズニークオリティでその姿を確認してみてはいかがでしょうか。
キジムナー登場作品③ドラえもん
眠る海の王国という作品の中に、森の住人として登場したキャラクターの姿が、子供のように背が低く、赤い髪とキジムナーととてもマッチしています。
また、主人公一行の中でも見える人と見えない人がいる事も、キジムナーの伝説と一致しているのです。
キジムナー登場作品④女神転生シリーズ
真・女神転生デビルサマナーで初のお披露目がなされたキャラクターです。キジムナーの種族は妖精と設定されています。
見た目は何かの木の実のような下手を頭に乗せた緑色の姿で登場し、キジムナー伝説とはまた違う印象を与えました。
キジムナー登場作品⑤うしおととら
キジムン名義の中で、悪い妖怪を倒せる強い妖怪を探しに、主人公のいるお屋敷にやってきた妖怪です。
最終章でも援軍として土地神と共に駆けつけており、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
キジムナーグッズを手に入れよう!
沖縄のお土産品としてもキジムナーのグッズは人気が高く、知人からもらったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
沖縄でしか買えないものもありますが、現在ではインターネット上のオンラインストアでも購入が可能ですので、幸運を呼ぶ伝説の妖精のグッズを手に入れてみてはいかがでしょう。
キジムナーストラップがある!
民芸品のような姿のキジムナーストラップは、沖縄という南国のイメージも再現されており、人気のキジムナーグッズの1つとなっています。
お値段もお手頃でインターネットでも購入できます。それぞれ3種類のキャラクターモチーフストラップとなっているので、是非購入をご検討してみてください。
水木しげる作品のキジムナーグッズが人気!
キャラクターとして水木しげる先生が創作したキジムナーの可愛らしい人形のグッズも販売されています。
その姿はとてもキモカワイク、現代では女性の人気も高くなってきているのではないでしょうか。妖怪とも思えない可愛い人形を置物としてお部屋に置いてみてはいかがでしょう。
キジムナーのLINEスタンプもある!
マスコットのように可愛いキジムナーのLINEスタンプも販売されています。ゆるかわいいキジムナーがセリフを発しているスタンプです。
沖縄の方以外でも使用でき、何そのキャラクターと会話のネタになるかもしれないため、是非LINEでの利用をご検討してみてください。
沖縄の妖精「キーヌシー」
自然豊かな土地である沖縄。そこには自然の力を司る精霊や神様が沢山存在していても不思議ではありません。
キジムナーと混同されがちなキーヌシーという精霊をご存知でしょうか。こちらではキーヌシーとキジムナーの違いを含めご紹介させていただきたいと思います。
キーヌシーはキジムナーとは違う精霊
キジムナーは子供の姿をしており、いたずら大好きで、良く人の前に顔を出してくれる精霊です。しかし一方で、キーヌシーも木の精霊と同じですが、木から出てこない大人しい性格です。
そのため、目撃情報などもあまりありません。しかしながら、ある1説ではキーヌシーが人の前に現れる際にはキジムナーとなる、という説もあるようです。
キーヌシーってどんな精霊?
ではキジムナーとキーヌシーは、それぞれ木を司る精霊ですが、キーヌシーはどういった精霊なのでしょうか。
伝説によると、キーヌシーは古い大木の中でじっと暮らしており、その木が枯れそうになると人へとその事を伝える役割をもっているとされています。
木に宿るキーヌシーはその木が苦しんでいると、共に苦しみを感じるとされており、真夜中に倒木していないのに、倒木したような音が聞こえる現象はキーヌシーの苦しみの声と言われています。
そして不思議なことに、その音がした数日後には大きな木が枯れてしまうという現象があるようです。
キジムナーの絵本
沖縄の方々以外でもキジムナーを題材とした絵本を読むことは可能です。こちらではキジムナーが登場する絵本についてご紹介させていただきたいと思います。
小さなお子さんがいらっしゃる方や、キジムナーについてもっと知りたい、とお考えの方は是非ご購入を検討してみてください。
てっぽうをもったキジムナー
こちらの絵本では、キジムナーや沖縄を通して、戦争を学べる内容となっています。舞台自体が線状を姿を描写しており、そこへキジムナー達も登場するのです。
子供達に読み聞かせるには少し抵抗があるほど、重い作品だと考える方もいらっしゃいますが、その重々しさから子供達が学べることがあるのではないでしょうか。
だるまちゃんとキジムナちゃん
こちらは書店に並んでいて、表紙を見たお子さんが欲しがるといった事も有るような可愛らしいタッチで描かれたシリーズものの絵本です。
絵本から、沖縄の文化や民話に関しても学ぶことができるため、大人から子供まで皆で楽しめる素晴らしい絵本です。
キジムナーは沖縄の精霊!出会ったら仲良くなろう!
沖縄のガジュマルの精霊であるキジムナー。子供の姿をしており、いたずら大好きの人と近い精霊です。
好かれた人には幸運をもたらすとされていますが、一方で起こらせると不幸が訪れるため、もし出会えたながら良い友好関係を築いて幸運を掴み取りましょう。
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