免田事件は最悪の冤罪事件|死刑判決から再審無罪となった事件の結末と現在

最初は玄米を盗んだ罪で逮捕した

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別件での逮捕のことに少し触れましたが、配給が行われた当時、どの食材でも貴重な存在です。玄米やもみなど、大事にされてきましたが、最初警察はその貴重な食材を盗んだことにより別の件で逮捕します。大切な食である根元になる、玄米を盗んだとして別件で逮捕するのです。玄米を盗んだ件と免田事件の繋がりはどこで生まれたのでしょうか。

配給の際には台帳に記載しますが、そこで不思議なことに盗んだというように扱われてしまうのです。厳重に管理されていた玄米ですが、貴重な食材を盗んだとされてしまいます。

身柄を確保し殺人容疑で再逮捕した

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任意であることが基本であるにも関わらず、警察の強引な行動が明らかになって行きます。寒空の中、軽装で長時間にわたり、雪道を歩かされてしまった点も大きいはずです。身柄を確保するのですが、その強引さから免田事件では恐怖すら覚えたことが伺えます。玄米を盗んだことを皮切りに、容疑者として再逮捕するのです。

一体どこで繋がっているのか、強引さがあったことは確かかもしれません。同月16日には再逮捕されるという速さですが、捜査がどのように行われたかです。

自白を強要し強盗殺人で起訴

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現在でこそ、休憩を挟む決められているので飲食はその時可能になります。拘留された段階では、当時はどうだったかというと、免田事件では3日間に渡りろくな飲食は与えられず、一睡もできず、また殴るなどの拷問と、死刑になるぞなどの脅迫が続き、自白を強要するといったことが行われたのでした。

結果的に生まれたことは強盗殺人事件としての起訴ですが、恐怖と絶望の中で追い込まれていた様子が見て取れます。アリバイがある、という内容が絶対だったので、その場から離れたいと思うのが当然のことだったかもしれません。更に前日のアリバイについて、いつの間にか前日が翌日のように、虚偽の内容で警察はアリバイ崩しもしたのです。

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免田さんはなぜ容疑者にされたのか?

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警察が強引だったとはいえ、全くの繋がりがない人間を逮捕することはあるのでしょうか。そこには、免田事件の隠された裏側が潜んでいたことが露呈されます。事実とはかけ離れたことであっても、強引にさせた背景には仕組まれた裏側も関係していたのでしょう。

警察の強要が1人の人生を狂わせたことに繋がったことは確かで、おそらく別件での逮捕の際に何かしらあったのではないか、とも想像できるかもしれません。状況が勝手に作られたことで、人生は大きく狂わされてしまうのです。警察のとった行動の背景を更に見てみると、浅はかすぎるずさんだ姿が浮き彫りになります。

被害者の娘の目撃証言によるもの

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隠された裏側に迫ってみると、そこには考えられないような事柄も明らかになります。状況によって目撃者の証言は大切なことは確かでしょう。ただし、それは落ち着いた状態ではっきりとしたことでなければいけません。警察が注目したのは娘の目撃証言でしたが、重傷を負った2人が冷静な判断を取れるでしょうか。顔見知りなのか、どう犯行と裏づけられるのか、大きな疑問があります。

長女と次女による証言は、流石に後にパニック状態だったこともあり、信憑性かけるとされますが、そこから描いた犯人像に着目した免田事件の犯人像はどこから現れたのでしょうか。無理のある目撃情報から描いた犯人像が、勝手な想像を生み出したのかもしれません。

事件のことを興味深く話していたから

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被害者の話の他に当時の世間が関係していたこともあり得ます。いつであっても殺人事件があれば、関心が行き渡ることは確かなことではないでしょうか。それにもかかわらず、殺人事件について本人が興味深く話をしていた、詳しく話していたことも警察は主張したのです。今ではネットで囁かれる話題も、当時は人伝いに伝わることは言えます。

その中で残酷な事件が語られたのは、どこかに限った話ではないのではないでしょうか。噂が噂を読んだこと、そうだとしても免田事件に疑いを持った段階で詳しいと捉えられてしまうこともあるはずです。反対にとれば、犯人が犯行を詳しく語ることなど自供以外にあり得ないとも言えます。

警察が売春の手助けをしていると知ったからという説も

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本人の主張の中に、警察の中の問題も挙げられています。内部の人間の手引きによって、売春の手助けを知ったからではないかという説もあるのです。警察の内部の人間が本当に売春の手引きをしていたとなれば、それを知った人間を陥れることもあり得たかもしれません。免田事件では犯罪を隠すために隠蔽工作を警察がした、と考える説も浮上しているのです。

そのために犯罪を知った人間に押し付けたとしたら、とんでもない失態どころでは済まされません。戦後すぐの当時にとって、警察内部で何が行われたかは分かりませんが、それによって人生が崩されたとなれば大きな問題でしょう。ただし、それは一説に言われているのみの話なので、実際のところは判明していません。

免田さんと犯人とするとつじつまが合わない

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目撃などが曖昧で証言が自白によるものだとしても、残されている物的証拠は何を語っているのでしょうか。その点が争点になるのですが、免田事件を繋げることに乏しいことが挙げられます。物的証拠と呼べる凶器の存在は、どうなっていたのでしょうか。

血液を浴びた姿で歩いている段階で逮捕は免れないかもしれません。免田事件で犯行現場に凶器が残されていたこともあり得るでしょう。一つ一つを手繰り寄せると、一致する事柄はあったのか疑問が残ります。

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