ポエトリーリーディングってなに?
ポエトリーリーディングが注目されています、といってもポエトリーリーディングという言葉すら聞いたことないという方もいらっしゃるでしょう。
または、ポエトリーリーディングは聞いたことあるけどよく意味がわからないという方も多いのではないでしょうか?まずはポエトリーリーディングの意味について解説します。
ポエトリーリーディングは自作の詩を朗読すること
今回ご紹介するポエトリーリーディングとは、直訳すると「詩の朗読」です。歴史は古く、初めて公の場で詩の朗読が行われたのは19世紀末です。
19世紀末に鬼才シャルル・クロがパリのサロンで詩の朗読を始めたのがポエトリーリーディングの始まりだと言われています。
ただ19世紀から20世紀初頭にかけてはポエトリーリーディングはそこまで広まらず、一時的には表舞台から影を潜めたほどでした。
ポエトリーリーディングを世界規模で有名にしたのは20世紀半ばに活躍したジャック・ケアルックやアレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズです。
彼らの活動はビート・ジェネレーションやビートニクスと呼ばれます。
ポエトリーリーディングは詩の朗読と音楽の新アート
現代のポエトリーリーディングは多様です。読み手の詩の朗読といった形態のみにとどまらず、音楽やリズムに合わせて詩が読み上げられます。
また一部では舞踊と音楽とポエトリーリーディングを合わせる動きもあります。このように詩という文学の域を超え新たな芸術として、ポエトリーリーディングは拡大しています。
素敵なポエトリーリーディングを聞くなら音楽機器にもこだわりたいものです。スピーカーのおすすめランキングの記事もよろしければご覧ください。
ポエトリーリーディングとラップの違い
ポエトリーリーディングとラップの明確な線引きや違いはありません。ポエトリーラップというジャンルも出てきているくらいです。しかし、両者の違いもあるので、こちらでまとめました。
ポエトリーリーディングは韻を踏まない
ラップはライムという韻をふむのが特徴です。例えば「点」と「線」というように同じ音で終わる言葉を繰り返すのが韻です。このためラップは言葉の意味以上に言葉の音を重視します。
しかし、ラップと違いポエトリーリーディングは韻をふみません。言葉の音を気にしなくて良いポエトリーリーディングは言葉選びがラップより自由です。
その分、アーティストに最適なニュアンスの言葉を選ぶことができます。このためポエトリーリーディングは伝えたい言葉や詩の内容をより多彩に表現できるのです。
ポエトリーリーディングは音楽がシンプル
ポエトリーリーディングの特徴は音楽に合わせることです。しかし音楽といってもメロディに合わせるのではなくドラムサウンドや拍感覚に合わせるのが特徴で歌唱ほどの抑揚はありません。
音楽をシンプルにすることで、詩の意味が一層聴衆に届きやすくなるのです。
ポエトリーリーディングは魂の叫び
ラップと言えば、ラップバトルがあるようにやや攻撃的なイメージが強いですが、ポエトリーリーディングはそうではありません。迷いや不安、嫉妬や劣等感、劣情など自由にさらけ出しているのが特徴です。
したがって、ポエトリーリーディングは、人の自然な情動に寄り添うかのような詩が多いのです。いわば、アーティストや聴衆者の魂の叫びとも言えます。
ポエトリーリーディングトラップの違いを理解したところで、ラッパーについても知りたいという方もいるでしょう。おすすめのラッパーの記事をご用意しています。
ポエトリーリーディングとポエトリーラップの関係
新ジャンルにポエトリーラップがあります。ポエトリーリーディングとラップを融合し誕生しました。大注目のポエトリーラップやそれまでのラップとの違いについて見ていきましょう。
ポエトリーラップは新ジャンルのラップ
ポエトリーエトリーラップは新ジャンルのラップです。それまでのラップと言えば、韻を重視するため詩の内容や物語性、全体の整合性などは二の次でした。
しかし、近年内容を重視したラップも人気です。それが詩とラップの融合であるポエトリーラップです。
ポエトリーラップとラップの韻
ポエトリーリーディングとポエトリーラップの違いは韻をふんでいる点です。そして、両者とも詩の内容も重要視され詩全体が意味が通じる文章となっています。
ポエトリーラップで言葉の意味を繋げながら、さらに韻をふますとなるとかなり高度な言語感覚が必要となります。
例えば「バナナ」と「なずな」といった関係ない言葉を一つの詩の中で繋げるにはどうしたら良いか、それをするのがポエトリーラップです。
そういったアーティストのセンスやアーティストごとの言語感覚の違いに注目してみるのも面白いジャンルです。
ポエトリーラップは優しい言葉遣い
ラップは英語のスラングや相手への罵倒なども取り入れられ全体的に悪口や攻撃的になっているものものあります。この点が下品・柄が悪い・横柄というイメージになりがちです。
それゆえ敬遠しているという人も多いのではないでしょうか。しかし、ポエトリーラップでは、ラップとは違いその人の葛藤や不安など個人の心の動きを読むものが多いです。
このため、ラップの言葉遣いが怖いという人でもポエトリーラップであれば大丈夫なことがあります。今までラップの攻撃的な言葉が怖かった人も、ポエトリーラップにぜひ挑戦してください。
ポエトリーリーディングのおすすめのアーティスト
ポエトリーリーディングをする数々のアーティスト達がいます。そのなかでも特におすすめの人たちをピックアップしました。
お気に入りは見つかるでしょうか?ぜひ聞いてみてください。
ポエトリーリーディングアーティスト「不可思議ワンダーボーイ」
不可思議ワンダーボーイは、2009年新宿スポークンワーズスラムで優勝した優秀な歌い手です。その実力と語りかけるような優しい声、孤独や寂しさも素直に表現する詩は人気が出るのも頷けます。
不可思議ワンダーボーイ24歳で急逝
YouTubeや手売りで人気が出てきていた不可思議ワンダーボーイですが、残念ながら交通事故により24歳の若さでこの世を去りました。
神に愛された天才は早くに天に召されるとも言いますが、親御さんもご健在であってもおかしくない年齢で急逝されるとは非常に悲しいことです。
それでもいまだに人気が続いており、彼の人柄と作品の良さを物語っています。
ポエトリーリーディングアーティスト「Moroha」
ギター奏者とボーカルのユニットです。作詞はほぼボーカルのアフロがしています。家族愛や人間味溢れる生活を軸とした作品が多く、若者だけでなく大人世代にも響く詩が多いのが特徴です。
可愛いラブソングなどに飽きている人にもおすすめです。
ポエトリーリーディングアーティスト「狐火」
生きづらさや人間関係の希薄さ、その反面の恋しさを全面的に出す詩が多いのが特徴的なのが狐火です。
心の内面をしっかりと表した詩ですので、聞き始めはしんどくなる人も多いかもしれません。
しかし聞き終わったあとは、何だか応援されているような気がして、頑張ろうと思えます。全年代におすすめですが、社会人の人は特に心打たれるのではないでしょうか。
ポエトリーリーディング女性アーティスト「SUIKA」
女性のポエトリーリーディングアーティストtoto、男性ラッパーのタケウチカズタケやタケウチが在籍するグループです。
女性目線の作品も多く、日常の些細な出来事を見事に芸術にまで高めている詩に抜群のセンスを感じます。
言葉選びが優しく、安心して聞ける詩も多いです。
ポエトリーリーディング女性アーティスト「DAOKO」
中田ヤスタカや米津玄師とのタイアップで知られるDAOKOですが、彼女もポエトリーリーディングアーティストと言えるでしょう。
バックサウンドや、詩、PVの映像などに徹底的にこだわられた作品は女性的で可愛いものが豊富です。彼女も日常の些細な出来事やちょっとした不安や不満を端的に詩に表しています。
DAOKOの作品であれば、ラップが怖い印象を持っている人にも聞きやすくおすすめです。
ポエトリーリーディングの手法を取り入れたボカロ
ポエトリーリーディングにボーカロイドを取り入れた試みもあります。そちらについて見ていきましょう。