ミュンヒハウゼン症候群は病気を装う心の病気!原因や治療法は?芸能人にも?

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逮捕当時、はじめは容疑を否認していた母親。しかし「子どもが体調不良になれば、仕事を休んで看病ができて一緒にいられると思った」と身勝手な動機を語りました。インスリンを混入したコーヒーを娘に飲ませるなどした疑いがありました。
「子どもを取られるなんて、死ねと言われているのと同じ」とブログ内で書いていた母親は、自ら大切な娘を死の淵に追い込むような行動を取っていたのです。

入院中に子供が虐待される事案が多数

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保護者のエゴから発症することの多い代理ミュンヒハウゼン症候群。献身的な親というポジションでいることで、精神的に満たされているのです。
驚くべきことに、虐待を受け入院したのにもかかわらず、病院内でさらに虐待を受けるケースがあります。骨を折られたり、摂取するものに異物を入れられる事例があるのです。
しかし親は傍からみれば熱心に看病をしているので、虐待の根拠が少ない場合は、面会を拒絶することすら難しいのです。

ミュンヒハウゼン症候群はどう治療すればよいか

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周囲の優しさを求めるあまり、最悪の場合死亡者まで出してしまう、危険なミュンヒハウゼン症候群に、治療法はないのでしょうか?この病気を治すためには何科に行けば良いのか、見つけてしまった場合の対応についてご紹介します。

ミュンヒハウゼン症候群の根本的な治療方法は確立されていない

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病気を捏造する「偽性障害」という精神的な疾患の中でも、ミュンヒハウゼン症候群はとくに重たいものです。治療が必要ですが、残念ながら根本的な原因は未だにわかっていません。

ミュンヒハウゼン症候群の治療は精神科へ

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まずは心の病気として精神科での治療をおすすめします。なんとも皮肉なことに、ミュンヒハウゼン症候群の患者は自分が「病気になりたがる心の病気」と診断されることを快く思わないそうです。
しかし自傷行為や不要な服薬を防ぐためにも、治療を行いましょう。とても辛いですが、原因を知って自分と向き合うことが大切です。

病院で代理ミュンヒハウゼン症候群を見かけたら病院・警察へ通報を

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万が一ミュンヒハウゼン症候群の兆候が見られる人に遭遇したら、早めに病院や警察へ通報しましょう。自分がいなければ生きていけない子どもの存在自体を、自分の個性だと勘違いしていることが多く危険です。
それらの行為は虐待である可能性が高く、早めに手だてを打つ必要があるからです。悲しいことに87%の子どもが、疾患のある親に虐待され死亡する可能性があるといいます。
入院している子どものケアも大切です。しかし、看病している保護者にも目を向けて、育児で困っていることはないかコミュニケーションをとることも必要です。

ミュンヒハウゼン症候群が疑われる芸能人

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テレビでお馴染み、常に注目される芸能人にも、ミュンヒハウゼン症候群の兆候がある方たちがいます。断言はできませんが納得できるエピソードの数々です。芸能人のミュンヒハウゼン症候群についてご紹介します。

ミュンヒハウゼン症候群疑惑の芸能人①釈由美子

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釈由美子さんは、愛犬が日本酒のおちょこに顔を突っ込んでなめてしまい亡くなったとブログで報告しました。「十字架を背負って生きる」という言葉に、ペットを失った経験のあるファンから同情の声が集まりました。
しかし、愛犬の死に関係すると思われるブログの記事が2回更新されたこと、そして以前にも3ヶ月半で別の愛犬が亡くなっていたことから、ミュンヒハウゼン症候群なのでは?という声も上がっていました。
多くの芸能人はブログやSNSをやっているので、自分を発信する場があります。心配してもらったり注目されるには、うってつけの場所でもあるのです。

ミュンヒハウゼン症候群疑惑の芸能人②市川海老蔵

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妻の麻央さんを亡くされた市川海老蔵さん。ブログで自分の怪我について報告を上げるようになったことが、世間の注目を集める手段として怪我を利用しているのでは?と疑問を持たれるきっかけになりました。
以前から麻央さんの闘病の様子をブログで頻繁に更新していた海老蔵さんです。芸能人ブログでも話題に上がることの多かったため、日常生活の一部を発信しただけとも思えます。

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常に見られるはずの職業である芸能人にも、ミュンヒハウゼン症候群の疑いがある方がいることがお分かりいただけたと思います。しかしこの事例はあくまでも憶測なので、芸能人だから…と非難するのはお止めください。

ミュンヒハウゼン症候群は詐病とどう違う?

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詐病(さびょう)をご存じでしょうか?ミュンヒハウゼン症候群と同じくくりにされがちな詐病ですが、病気になることによって手に入れたいものが違います。詐病は一体何なのか、この章でご説明します。

ミュンヒハウゼン症候群と詐病は病気になる目的が違う

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詐病とは、意図的に身体の不調を訴え、利益を得ることを目的としています。保険金や治療費、寄付金をもらうといった金銭的な援助を受けようとします。
公務員が詐病を使い、給与の不正受給したことが問題となった事例もありました。病気療養中でも給与が支払われる会社に勤めている人が、詐病を利用し、診断書を捏造して手当てを受け取ろうとすることがあります。

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別の目的の利用のため薬を処方してもらうのも詐病の一種です。アトピー性皮膚炎の治療に用いるヒルドイドが、高価な化粧品より効果があると口コミが広がり、乾燥肌などと理由をつけ処方してもらう事例もありました。
2年間の兵役の義務がある韓国では、詐病を使い免れる事例もあります。精神疾患を装い仕事を休んだり、判断能力が欠如していると診断されるよう仕向けて、犯罪の追訴を免れるために詐病を使うことがあります。

ミュンヒハウゼン症候群は身体的なリスクを省みない

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詐病の患者は利益を得たいので、実際にリスクがあることを避ける傾向にあります。詐病患者の多くが利用するのは、自己申告だけで症状が成り立つ疾患です。
それは失明や難聴、統合失調症などが挙げられます。以前お茶の間を騒がせた全ろうの某作曲家も、この疾患の疑いがあります。
しかし、ミュンヒハウゼン症候群の患者が欲しいのは心の満足感です。詐病と違い、手術や検査も積極的にやってのけ、嘘も平気でついてしまうのです。

ミュンヒハウゼン症候群と境界性パーソナリティー障害との関係

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境界性パーソナリティー障害とミュンヒハウゼン症候群は、多くの共通点があります。境界性人格障害とも言われ、人口の約2%が該当する精神疾患です。より詳しく理解していただくために、この章をお読みください。

境界性パーソナリティー障害とは

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性格の一部が極度に偏ってしまう「人格障害」に含まれている障害のひとつです。感情を操作することが得意でなく、気分の浮き沈みが激しく不安定で、物事の良し悪しの判断がとても極端になります。
芸能人にも疾患の疑いのある方がいます。障害の発症の原因は人それぞれです。先天的な脳の要因、遺伝、家庭環境、後天的なトラウマなどが挙げられます。

目的のために病的な嘘をつく行動が似ている?

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自分を誇張してアピールしてでも誉められたい(自己愛性パーソナリティー障害)、いつでもみんなに注目されていたい(演技性パーソナリティー障害)といった行動はとても酷似しています。
自分のためなら犯罪を犯してもお構いなし(反社会性パーソナリティー障害)という面も持ち合わせている可能性があります。ミュンヒハウゼン症候群との共通点がお分かりいただけたでしょう。

こんな人は要注意!ミュンヒハウゼン症候群患者の特徴

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病気になったことを誇らしげに話す人が、芸能人に限らず一般人にもいます。でも度が過ぎていたら要注意。ミュンヒハウゼン症候群の予備軍ではないか、チェックをしましょう。該当数が多ければ診察も検討してください。

医師はこんなところを見ている

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ミュンヒハウゼン症候群の疑いがある人について医師は、病歴、身体診察、検査を行い、身体的な面だけでなくメンタル面で障害がないかも見ています。病気についての知識に長けている患者もいるので、医師が判断に困ることもあります。

多く当てはまればミュンヒハウゼン症候群の疑いがあるので注意

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・病歴に一貫性がなく、治療を行っても悪化する
・陰性の結果が出たり治療を行うと別の症状が現れ、他の病院に移ってしまうこともある
・検査や手術を受けることに対してポジティブ、抵抗がない
・以前担当していた医師と家族又は現在担当している医師が話すことを嫌がる
・病気の人を羨ましいと思う

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病気の可能性が否定されてもなお症状を誇張したり、改ざん、詐称をした場合は医師が確認し、ミュンヒハウゼン症候群の疑いがないか精神科を勧められることがあります。不必要な治療を防ぐことができます。

ミュンヒハウゼンってどんな意味?病に関わる映画やドラマも

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ミュンヒハウゼンって一体何?とお思いになった方もいるのではないでしょうか。実はある人物の名前が由来となっています。一方この奇病は、人々の興味の対象となり、数々の作品の中でも取り上げられています。気になる方はぜひご覧になってみてください!

「ほらふき男爵の冒険」

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ミュンヒハウゼン男爵という18世紀ドイツに実在した貴族から、ミュンヒハウゼン症候群の名称は、由来しています。男爵の冒険エピソードがおもしろおかしく語られています。
出版された経緯というのも風変わりで、話好きのミュンヒハウゼン男爵は自分の体験談を創作も交えつつ客人に披露していたようです。それがとても良くできていたので、ある人が男爵に無断で出版してしまいました。
怒ったミュンヒハウゼン男爵は出版をやめさせようとしたものの、たちまち大ヒットとなります。ミュンヒハウゼン男爵は憤慨のあまり亡くなってしまったそうです。

「THE Act」

前述したクローディーヌ・ディーディー・ブランチャード殺人事件がドラマ化されています。アメリカで制作され、日本ではHulu限定で配信をされています。
代理ミュンヒハウゼン症候群の毒親の母よって、病気だと思い込まされていた娘。真実を知った娘は、恋人に母親を殺害してほしいと頼みます。俳優陣の演技力にも話題が集まるこのドラマ、一見の価値ありです。
親に支配された「搾取子」の運命は?詳しくはこちらをご覧下さい。

ネタバレ注意!「ルイの9番目の人生」

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9歳の少年ルイは、生まれてからの8年間で生死をさ迷うほどの大ケガに8回もあっています。9歳の誕生日にも、不運に見舞われます。家族と出掛けた海辺の断崖絶壁から落下してしまうのです…。
奇跡的に9度目の九死に一生を経験するルイ。しかし担当医のパスカルは不審に思い、彼が抱えた謎を解き明かそうとします。
これ以上はネタバレとなってしまうため記述はできませんが、この記事で紹介したどれかの疾患が、この映画の重要なキーワードとなっています。ミステリーが好きな方におすすめの作品です。

ミュンヒハウゼン症候群は病気を装う心の病気

病気を装って関心を引くミュンヒハウゼン症候群についてご紹介しました。我が子を利用した代理ミュンヒハウゼン症候群は、自分の欲求のため虐待を行う恐ろしい疾患でもあります。芸能人ですらなりうる病です。もし身近にいたら、治療を勧めましょう。

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