絶滅危惧種の「イワシクジラ」って?絶品と噂のその生態や料理などまとめ

イワシクジラの大きさは最大18mになります。体重はヒゲクジラの中では、シロナガスクジラ、ナガスクジラに次いで3番目の大きさです。身体は細長く、頭部がV字状にほっそりしており、背鰭があるのが特徴とされています。背部は黒っぽい色、腹部が白色で、背と腹の境界には波形や不規則な波模様があります。

イワシクジラの特徴②

イワシクジラには、顎から胸部にかけて約60本の筋状の溝があります。上顎口蓋があり、左右に最長80cmにもなる髭が320~400枚の髭があります。白く、細い毛が三日月形で直立した髭が密集して生えています。口の大きさは2~3mあり、群れている餌を一気に口の中に入れます。

「イワシクジラ」の歴史

イワシクジラの捕鯨

日本や韓国沖では、1911~1955年にかけて毎年約300~600頭ものイワシクジラが捕鯨されていました。1959年には1340頭もの数が捕鯨され、1963~1974年にかけては平均捕鯨数が3643頭にもなりました。1971年にはイワシクジラの数は欠乏し、1975年には西北太平洋での商業捕鯨は禁止とされました。

イワシクジラの保護運動

1976年、割当量が導入されたことにより、北太平洋での商業捕鯨から全面的保護をされるようになりました。1981年には、複数の種類のクジラが世界規模で絶滅危機に瀕しているという証拠が報告され、IWC(世界捕鯨委員会)より商業捕鯨の一時的禁止されました。これにより、イワシクジラの合法的な商業捕鯨が全面的に禁止されました。

「イワシクジラ」と鯨食文化

日本の鯨食文化の変化

昔から日本で愛されている鯨料理ですが、時代とともに食べられるクジラも変化しています。戦後最も食されていたのは「ナガスクジラ」という全長30mほどの大型のクジラです。調査捕鯨が始まり、そこからは「ミンククジラ」が食されてきました。ミンククジラの捕鯨が難しくなり、イワシクジラが食されるようになったのは最近のことなのです。

日本から消えつつある鯨食文化

昔は鯨料理が一般家庭の食卓にあるほど、主流の日本の食文化でした。鯨肉は高タンパク、低カロリーのため、昔から健康食として注目されていました。しかし、今では市場に出る数も少なく、余り目にする機会がなくなってきています。

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