おひょうとは
おひょうは漢字では大鮃、大きなヒラメと書きます。昔はヒラメとカレイを細かく呼び分けていなかったため、北海道での呼び名でおひょうは大型のヒラメという意味です。国内で揚がるヒラメは30種近くありますが、なかでもオヒョウは一番大きくなります。カレイ目カレイ科オヒョウ属の海水魚で形状、生態は両目が体の右側にあるカレイの仲間です。
おひょうのサイズ
全長は1~2メートル以上です。大きいものだと3メートルを超え体重は200kgを超えることがあります。ただし、このくらいの大物は大抵メスです。オスは大きいものでもメスの大きさの三分の一程度のサイズです。
おひょうの特徴
ほかのカレイの仲間に比べると体が細長く、口が大きく上顎の後端、目の中央下にまで達していて尾鰭が湾入しているのが特徴です。色は目のある右側が暗褐色、反対側は白色です。寿命は長く雄は25年、雌は35年生きたという記録があります。
おひょうの好物
おひょうは肉食性で好きな食べ物はイカやタコ、甲殻類、小魚や多毛類で主にこれらを餌として生きています。しかし大型のものになってくるとスケトウダラ、マダラ、ギンダラなどを襲って食べることもあります。
おひょうの危険性
毒はありませんが歯はとても鋭く、おひょうが暴れた際に尾びれが直撃し、亡くなってしまった釣り人もいるので注意が必要です。
おひょうの産卵
おひょうの産卵場所は、水深200~500mの大陸棚縁辺部です。時期は10月下旬から翌年の2月上旬までです。卵の数は雌の大きさによって異なりますが、120センチメートルくらいのメスで1年におよそ50万粒、200センチメートルクラスになるとおよそ200~300万粒の卵を産みます。卵は大きく、2.9~3.8ミリメートルあります。産卵後の卵は水深90~200mを漂います。
おひょうが大きくなるまで
孵化してすぐのおひょうは全長8~15ミリメートルで、水深200m以上のところで浮遊生活をしています。大きくなるにつれて体に変化があらわれてきます。全長が16ミリメートルぐらいの大きさになると左眼が移動を開始します。25ミリメートルほどの大きさになると体の右側に定着します。産卵から6~7カ月経つと35~40ミリメートルほどの大きさになり、このくらいの時期から海底へ進むようになります。そして成長するにつれてもっと深いところで生活するようになります。成長速度は環境要因に左右されるため年々異なりますが1年で9センチメートル、3年で38センチメートル、5年で57センチメートル、10年で91センチメートル、15年で112~125センチメートルぐらいに成長していき、成長したおひょうは産卵のために長距離を回遊します。成熟年齢は雌は12年で雄よりも7~8年遅いのです。
おひょうの生息地域
日本近海では東北地方以北の各地と日本海北部に生息しています。ほかにはオホーツク海、大西洋、北極海、ベーリング海などの冷たい海の水深400mから2000m付近の大陸棚に生息しています。釣り方としては刺し網や底曳き網などがあります。
おひょうの釣り方
刺し網
まずは刺し網についてです。刺し網は狙っている魚をとることができる比較的効率の良い方法と言われています。この使用する網目の大きさは狙っている魚の狙っている魚の頭部が差し込むように作られています。なので、混獲を防止するために網目の大きさや縒り糸の強さ、網の大きさは規定されています。魚の頭部が網目に刺さるとたとえ魚が逃れようとしても背びれや鰓蓋が網に引っかかってしまっていて逃げられなくなるという仕組みになっています。この方法は北アメリカの太平洋岸ではポピュラーな漁法です。ただ刺し網はイルカやウミガラス、ウミガメなどの生き物にとっては大きな脅威となることがあります。
底曳き網
二つ目は底曳き網についてです。この漁法は、船からのばした曳き綱、ワイヤーなどに連結した袋状の漁網を曳航して魚をとる方法です。
ジギング
三つめはジギングについてです。ジギングとは海底深くに潜っている魚を金属の塊であるメタルジグを落として巻き上げたりと動きをつけながら狙うルアーフィッシングの一種です。昔からスポーツフィッシングでアメリカやカナダなどで使われていた釣りの仕方です。
気になるおひょうの味
おひょうの気になる味についてですが、良く締まった白身で、脂肪は少なく淡白なくせのない味わいです。新鮮なおひょうはヒラメの代用魚として刺身やお寿司のネタのエンガワになります。ちなみに日本では、比較的安い市場価格で流通しています。理由としてはおひょうは大味と言われ、カレイと比べるとあまり高く評価されていないためです。