そんなヒョウモンダコは、温暖な海の浅い場所に主に生息しています。他のタコのように泳ぐことはあまりなく、大抵は擬態しています。生息域は熱帯、亜熱帯のサンゴ礁近辺ですが、近年の温暖化に伴う海水温度の上昇によって、生息地域が拡大してきているのです。日本国内でも目撃されているため、釣りなどでは注意が必要です。
タコの種類を知ろう:テナガダコ
名前通り腕の長いタコ
テナガダコというタコがいます。名前にある通り長い腕を持っていることからテナガダコという名前が付けられているタコで、全長は70センチほどになる大きめのサイズです。身が柔らかいためあまり味の評価が高くなく、スーパーではほぼ見かけられずに料理店で主に使われるタコでした。
テナガダコの生態
しかし最近は知名度が段々上がってきているタコでもあります。主に北海道から九州までの日本の海域全域や朝鮮半島の西側に生息していて、浅い海の底に穴を掘って長い腕で小さい生き物を主食にして活動しています。食べる旬になるのは春から夏にかけての時期で、キムチ炒め煮付け、天ぷらなどのレシピがあります。
味自体は最初にご紹介したマダコと比べると水分を多く含んでいて、旨みはあまりないようです。ちなみに、市場ではテナガダコは生きている状態であれば価格が少しばかり高く死んだ状態になると途端に値段が安くなります。
タコの種類を知ろう:カイダコ
貝を持ったタコ
6匹目にご紹介するのは、一風変わった貝を持つカイダコというタコです。別名アオイガイとも呼ばれ、体長は雄が約2センチから5センチ程度と非常に小さく、雌は25センチから30センチとタコ全体で見れば小ぶりですが雄と雌とを比較すると20倍近い体格差があるのが特徴です。
貝を持っているのは雌だけで、雌が分泌する液で貝殻を自分で作り出すことができるようになっています。貝を持っている理由は、雌が殻を持っている中で卵を産むため、その卵を外敵から守り殻の中で子供を育てるので雌のみが殻を持っているとされています。なので、殻を持っていればそれは雌だとすぐに判別できます。
生息地域など
カイダコは大抵暖かい温帯や亜熱帯の海に生息していて、寒冷地以外の世界中の海に生息しています。日本だと西日本の日本海側で生息が確認されていて、秋から冬になると海岸にカイダコの殻が沢山打ち上げられています。味は水気が多くあまり良くないようで、スーパーに出回ったりすることは無いため味わうことは無いでしょう。
タコの種類を知ろう:メンダコ
深海のメンダコ
メンダコというタコが存在します。深海魚というとチョウチンアンコウやダイオウグソクムシのような魚たちが有名ですが、このメンダコもそんな深海魚の一種です。名前に「面」とあるように面をしたような平たい顔をしているタコで、脚は短く泳いでいるときはエイのような平べったい体になります。
生態について
深海の魚であるためにしっかりとした生態が分かっているわけではないですが、生息しているのは水深が200メートルから1000メートルの深海、ヨコエビなどの小型の甲殻類を主食にしていて、近しい種のものとしてセンベイダコやオオメンダコという種も日本の海に住んでいます。
一般的なタコは吸盤が2列ありますがメンダコは1列だけ。味は海水を飲むかのような非常にまずい味であるようです。加えてシンナーのような薬品の如き独特な異臭がするために、網にかかった時は漁師が他の魚に臭いが移ることのないよう捨てているなど、なんとも不遇な扱いになっています。
タコの種類を知ろう:クラゲダコ
クラゲなのかタコなのか
最後にご紹介するのは、クラゲダコです。こちらもメンダコと同じく深海に生息しているタコで、一見すると体が透明で海の中を漂っていますので、クラゲと勘違いしてしまうのも無理はありません。しかしダコ科のクラゲダコ属に属しているれっきとしたタコで、脚は8本、目も2つあります。
不思議なクラゲダコの生態
そんなクラゲダコは太平洋やインド洋の500メートルから2000メートルの深い海に住んでおり、日本周辺だと舘山や相模湾などで見ることができます。そしてタコクラゲというクラゲではありますがまことに紛らわしい名前をしているクラゲもいます。
種類ごとにタコの特徴が分かれていた!
タコの種類ごとの特徴や生態などをご紹介しました。冒頭でもご紹介しました通りタコは人間にとってとても身近な魚、しかも日本は特にそうです。中には危険なタコもいますから、覚えておけば海に行ったときなどは自分の身を守ることにつながるでしょう。