オフセットフックって何?
「柔らかい疑似餌」用のハリ
オフセットフックとは、ルアーフィッシングの際に用いられるハリのことです。ルアーには大きく分けて「固い疑似餌(プラグ)」と「柔らかい疑似餌(ワーム)」の2種類がありますが、オフセット系のハリは後者のソフト系の疑似餌を使う際に用いられるのです。
ワーム用のハリのことを、特に「ワームフック」と呼びます。ワーム用のハリをさらに細かく分類すると、「ストレート系」と「オフセット系」に分けることができます。つまりオフセット系のハリは、柔らかい疑似餌に使われるハリの一種なのです。
オフセット系のハリの形状
オフセット系のハリとストレート系のハリは、根元部分の形状が大きく違います。ハリの根元部分がアルファベットの「Z」のような形に曲がっているのが、オフセット系のハリです。一方、ストレート系のハリはその名の通り、根元部分が直線状になっているのが大きなポイントです。
オフセットフックの特徴① 根掛かりしにくいこと
クランクした部分がオフセット系の特徴
オフセット系のハリの根元部分が「Z」状の形状をしていることを、特に「クランク」と呼びます。カーブが重なって「Z」の形になった道路のことをクランクと呼びますが、それと同じ発想です。根元部分がZ形になっているのは、根掛かりを回避するためという意味があります。
疑似餌を付ける際には、ハリ自体でワームを突き刺します。その際に「Z」状になった部分が、疑似餌を内側から固定する役割を果たしてくれます。「Z」状に曲がった部分が疑似餌内部で引っ掛かることによって、ハリが障害物に当たっても疑似餌が外れにくくなるのです。
ブラックバスを狙うには根掛かり対策が必須
根掛かりを回避しなければならない理由は、ブラックバスを獲物にするからです。というのも、ブラックバスには障害物に隠れる性質があります。障害物の陰に潜むバスを狙うには、障害物をかき分けながらターゲットを探らなければなりません。バス釣りで大きな獲物を釣り上げるためには、根掛かり防止策が重要なポイントになるのです。
逆にストレート系は根掛かりしやすい
一方で、「Z」形の部分がないストレート系のハリは、疑似餌を固定する力に乏しく、根掛かりに弱いです。そのため、障害物が多い場所を攻めなければならないことが多いバス釣りでは、ストレート系のハリはあまり使われなくなってしまいました。バス釣りの定番フックは、オフセット系のハリだといえるでしょう。
オフセットフックの特徴② シンカーと別々になっている
ジグヘッドとの違い
オフセット系のハリのほかにも、バス釣りの定番のハリとしては「ジグヘッド」が挙げられます。これは、シンカー(オモリ)と一体型になったハリのことです。これに対して、オフセット系のハリにはオモリが付いておらず、別にオモリを買っておかなければなりません。
ジグヘッドは、オモリのおかげで水底でも高い安定性を発揮します。底の探りやすさでは、ジグヘッドに軍配が上がります。その一方オモリのせいで根掛かりしやすくなるため、障害物の多い場所ではオフセット系のハリに軍配が上がります。場所の特徴を見極めて、うまく使い分ける必要があるのです。
オモリ付きのオフセット系もある
その一方で近年は、オモリ付きのオフセット系のハリも開発されています。あくまでも根掛かりの原因とならないように、非常に小ぶりなオモリが付けられているのが特徴です。ジグヘッドに比べると水底での安定性に劣りますが、ある程度の水流には耐えられます。オフセット系のハリとジグヘッドのいいとこどりのアイテムと言えるでしょう。
オフセットフックの使い方① ワーム(疑似餌)のつけ方
疑似餌のつけ方を解説!
まず疑似餌の先端に針先を刺し、すぐに反対側へ貫通させます。疑似餌の先端を、横に貫くイメージです。突き通した針先は、そのままスライドさせるように動かします。根元の「Z」形の部分が疑似餌の先端に当たるまで、針全体を移動させます。
Z形の部分が疑似餌の先端に引っ掛かったら、針先をグッと方向転換します。今度は疑似餌の中間部分に、針先を貫通させます。すると、疑似餌の先端は「Z」形の部分で、疑似餌の中間部分は針先で、それぞれ固定されることになります。これで疑似餌をしっかり固定できるので、障害物に当たっても根掛かりしなくなるのです。
オフセットフックの使い方② 結び方
ノーシンカーリグを作る場合
ノーシンカーリグとは、とてもシンプルな仕掛けです。その名の通りオモリを一切使いません。そのため、オモリと一体型ではないオフセット系のハリと、非常に相性のいい仕掛けです。先ほど解説したやり方でハリに疑似餌をセットすれば、ハリと糸の結び方は何でも構いません。