ベイトリールの投げ方をはじめから丁寧に

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はじめに

ルアーフィッシングで使われるリールには、大きく分けてスピニングリールとベイトリールがあります。スピニングリールは扱いやすい、ベイトリールは扱いが難しい(特にベイトリールの投げ方が難しい)というイメージを持たれている方も少なくないと思いますが、実はそんなことはありません。コツさえつかんでしまえば、思いのほかすぐに扱えるようになります。また、ベイトリールを自分のものにすることで、釣りの幅を広げることができます。今回は、そんなベイトリールの投げ方についてみていきたいと思います。

ベイトリールの仕組み

ベイトリールの仕組みとしては、ルアーの重さと、ロッドを前に振り出したときの勢いによって、スプールが回転し、それによりルアーとライン(糸)が前方に飛んでいく、というものとなります。スピニングリールと比較すると、スプールが回るか回らないかという点が大きな違いといえます。では、まずはベイトリールのパーツについてみていきましょう。

スプールが回るか回らないか、それが大きな特徴の1つです

すでにお伝えしているとおり、ベイトリールの大きな特徴の1つとして、スプールが回ることが挙げられます。この点が、ベイトリールの最大の強みであり、使う製品によって違いが出る点であり、他方、ベイトリールの難しい点でもあります。ここでいう「製品によって違いが出る」というのは、スプールの素材として何を使うかによって、飛距離に大きな違いが出るということを意味します。

クラッチレバーによりスプールの回転する方向が変わります

ラインを送るか巻き取るかは、クラッチレバーを操作することで変わります。クラッチレバーを「カチッ」と押すことで、スプールがフリーな状態になり、リールのハンドルを回すことで、クラッチレバーが元に戻ってラインを巻き取ることができる状態になります。ルアーを投げるときはクラッチレバーを押す、ルアーを投げ終わり、ラインを巻き取るときはハンドルを回してクラッチレバーを戻す、というのが一連の流れとなるので、基本的にはこの点を押さえておけば大丈夫です。

適切なブレーキセッティングも大切です

ベイトリールを使ううえで肝となるのが、ブレーキです。具体的なベイトリールの投げ方(この後お伝えしていきます。)自体も大事なのですが、投げる前に適切なブレーキセッティングをしておくことも、投げ方と同じくらい重要になります。ブレーキには、スプールの回転具合を調整するためのブレーキと、微調整をするためのブレーキの2つがあり、前者は遠心ブレーキまたはマグネットブレーキ、後者はメカニカルブレーキといわれます。イメージとしては、遠心ブレーキまたはマグネットブレーキで大まかな調整をし、細かいブレーキ設定はメカニカルブレーキで微調整を行う、というのが近いです。ちなみに、ブレーキにはもう1つ、ドラグブレーキというものがあるのですが、それは基本的には締めたままにしておき、フッキングをして魚と戦っているときにラインのテンションの具合をみて緩めるといった使い方をします。

ベイトリールとバックラッシュ

ベイトリールの投げ方を説明するうえで、必ず触れておく必要があるのが、バックラッシュです。このバックラッシュが起こる確率を限りなくゼロにできるかどうかが、最大のポイントとなり、ベイトリールを使うことで釣果をアップすることができるかということにつながってきます。また、バックラッシュをしないようにベイトリールを扱うことができれば、ベイトリールの投げ方を身につけられたといってよいかと思います。

そもそも、なぜバックラッシュが起こるのか

そもそも、なぜバックラッシュが起こるのでしょうか。バックラッシュとは、スプールからラインが出過ぎた結果、ラインがグシャグシャになっている状態のことを指しますが、このバックラッシュが起こるのは、「ルアーが飛んでいくスピード」よりも「スプールが回転するスピード(=ラインを送るスピード)」のほうが速くなったときです。イメージとしては、電車や車に乗っていて、いきなりブレーキがかけられると身体が前に投げ出されるように感じること、が近いかと思います。慣性の法則で、前に出る必要がないのに出てしまう状態です。ちなみに、バックラッシュはベイトリールに限った現象ではなく、スピニングリールでも起こることがあります(ただ、スピニングリールの場合は、スプール自体は回転しないため、そう頻繁には起こりません)。

バックラッシュを防ぐには

上でお伝えしたとおり、バックラッシュはルアーよりもラインのほうが出てしまうために起こります。これはルアーが水に着く前と、水に着いた後のどちらも起こりますが、バックラッシュを防ぐためには、要はラインが出過ぎないようにすればよい、ということになります。では、具体的にどのようにすればよいのでしょうか。それが、この後にお伝えする「サミング」というテクニックです。

サミング

ベイトリールの投げ方において特徴的なテクニックが、サミングです。サミングはバックラッシュを防ぐ方法として有効なテクニックなのですが、その言葉が意味するように、親指(=Thumb)を使います。コツは、いきなり強く押さえないことと、ラインが指に触れる感触を感じながら力加減を調整することです。

サミングを使う場面は大きく分けて2つあります

サミングを使う場面としては、ルアーが空中を飛んでいるときと、ルアーが水面に着くときの2つに分けられます。ルアーが空中を飛んでいるときについては、バックラッシュをしないようにラインの出る量を調整することと合わせて、飛距離のコントロールや、障害物を避けるためのコントロールが主な目的となります。他方、ルアーが水面に着くときについては、バックラッシュを防ぐために行うというのが大きな目的となってきます。

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