秋に卵からふ化した稚魚は川を下り、翌年の春までは海の沿岸付近で過ごして、小さなエビやプランクトンなどの動物性ものを餌としています。5cmから10cmほどに成長した鮎は、水温が上昇する3月から6月にかけて、群れとなり海から移動して川を遡上します。
川に生活の場所を移したあとは水生昆虫なども食べながら過ごしていますが、やがて川底の石に付着している藻類だけを餌にするようになっていき、体長20cmから25cmほどの立派な鮎に成長します。
Contents
鮎の旬な時期を知ろう!|夏
6月から8月頃に獲れる鮎は、1年の中で一番おいしいともいわれています。夏に獲れる鮎はなぜおいしく感じられるのか、夏の川の中で鮎はどんな生活をしているのかについて迫っていきましょう。
鮎の旬は夏
7月から8月かけて獲れる鮎は、餌をたくさん食べて栄養がたっぷりと蓄えられており、脂が乗っているのでとてもおいしいのが特徴です。日本の夏の代表的な味覚のひとつで、皇室にはこの時期に獲れた鮎が厳選されて納められています。
鮎が最も盛んな時期
6月頃からは、良質な藻類がある餌場に「縄張り」を作るようになり、ほかの鮎が近付いてくると体当たりして追い払うなど活発に動くようになります。群れは作らずに単独で行動しながら、盛んに餌を食べてどんどん成長していきます。
夏のアユは骨まで食べられる
初夏に獲れる若鮎は、体長が10cmから15cmと小ぶりですが、骨まで柔らかく身はとても淡白ながら独特の香りが強いので、この時期にしか堪能できないおいしさです。塩焼きのほかにも素揚げや天ぷらでも頭から尻尾まで丸ごと食べられます。
鮎の旬な時期を知ろう!|秋
夏の終わり頃から秋にかけて、群れをつくり産卵場所を求めて川を下っていき、川底の小石や砂に産卵して1年の寿命を終えます。この頃の雄の鮎には、あごから尾にかけてのお腹にオレンジ色の帯が現れてきます。
鮎は秋に落ちアユとして知られている
「落ちアユ」とは、産卵をするために川を下っていく鮎のことを指します。鮎は小さな頃から順に、「シラス」「ノボリアユ」「ワカアユ」「セアユ」「サビアユ」などと、成長に伴って呼び名も変わります。