フナムシは海のゴキブリ?食べることも出来るこの生物を徹底解説!

フナムシのゴキブリのような見た目と素早い動き、群れでうごめく姿に恐怖した人も多いと思います。そんなフナムシの生態や特徴、釣りエサに使用する時のポイントを紹介します。また、食べてみた時の味や料理方法も注意点も踏まえて紹介します。

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か弱きアウトドアファン。もう少し体力をつけて、ディープなアウトドアにも挑戦してみたいです。気軽にアウトドアを楽しんでもらえるように、分かりやすい記事を作成できればと思います!
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フナムシはゴキブリなのか

黒光りする体色で、地面をカサカサと猛スピードで動き回るフナムシ。見た目も動きも、ゴキブリに見えて仕方がありませんが、やはりゴキブリとは関係が近しい生き物なのでしょうか?どういった違いがあるのか、その生態なども交えてご説明します。

なぜ、海のゴキブリと言われているのか

なぜ、海のゴキブリと呼ばれるようになってしまったのでしょうか?それは、やはり「光沢のある黒っぽい見た目」や、「カサカサと逃げる時の動き」がゴキブリに似ているからということの様です。見たことがある方なら、誰もが納得する二つ名ですね。

実は全くの別物

しかしゴキブリとは、生物学上全く別の生き物となっています。よくよく観察して見ると、そっくりに見ていた見た目にも大きな違いがあることが分かりますね。またその生態に関しても、調べてみると実際には全く違うものとなっているのです。

ゴキブリとの違いを解説

まずフナムシが甲殻類なのに対して、ゴキブリは昆虫に分類されますので、この時点で大きな違いがあります。そして、それぞれの呼吸方法にも大きな違いがあります。フナムシの呼吸は全てえら呼吸ですが、ゴキブリは体表にある気門で呼吸を行っているのです。

フナムシの生態を紹介

ワラジムシ目、フナムシ科に分類されます。同じ節足動物には、ワラジムシやダンゴムシなどおり、それらの仲間ということになります。なんとなく見た目も似ているように思えますね。また、見た目は似ていませんが、甲殻類にも分類されますので、エビやカニなどの仲間にもなります。

フナムシの基礎知識

大きい個体で5cmほど。体色は鈍い光沢のある黒っぽい色をしています。平べったい胴体部分は節が多く、7対の脚があります。頭部分には長い触角と、小さな眼が1000個ほど集まって出来た大きな複眼があり、非常に視覚が発達していますので、夜間帯でも目が利きます。尾部分には、枝分かれした尾脚が1対付いています。

フナムシの生息地と分布

世界中の、暖かい地域の海岸に広く生息しています。海中を短時間泳いだり歩いたりは出来ますが、長時間は生き続けられませんので、潮が満ちてこない岩石の上やテトラポットなどに住処を置いています。そのほか、港に停めてある船の中や、海辺近くの民家などでも目にすることがあります。

フナムシの生息環境と食性

なんでも食べる雑食性ですので、打ち上がった藻なども食べますし、魚の死肉などでも食べてくれます。そういったところから、海岸のお掃除屋さんと呼ばれることがあります。こういったところは、陸のお掃除屋さんのゴキブリとも共通するところがありますね。

フナムシの特徴を解説

海のゴキブリとして、少し倦厭されがちですが、私たち人間にとって特に害はありません。毒があったり、注意すべき細菌を持っているということもありませんので、接触するにあたり気をつける事はありません。また、海辺に住みながら水がちょっと苦手だったりと、可愛らしい一面もあったりもします。

泳ぎはへたくそ

海水がないと干からびて死んでしまいますが、だからといって水中では生きていけません。誤まって海に落ちてしまった場合、海面を少し泳ぐことは出来ますが、長距離は泳げません。水中に長い時間いると、そのまま溺れて死んでしまいます。

人には無害です

雑食ですので人間を噛むこともありますが、力は強くないので、チクっとした痛みを感じる程度。流血するほどではありませんし、毒もありませんので、噛まれた箇所が腫れることもありません。万が一腫れてしまった場合は、他に原因がある可能性もありますので、すぐに病院に行くようにしましょう。

ゴキブリよりはきれい?

不衛生な下水道を出入りしたり、ゴミを置き場を漁っているゴキブリの体の表面には、様々な細菌が付着していることが考えられます。対して海沿いに生息しているフナムシでは、塩分に弱い細菌は繁殖することが出来ません。体の表面に付く細菌は少ないでしょう。

フナムシは食べられるのか

エビやカニの仲間ということは、同じように焼いたり茹でたり、美味しく食べることは可能なのでしょうか?驚くことにゴキブリには食用のものもいるようですが、果たしてフナムシはどうなのでしょう。もし食べられるならば、その味はどういった味がするのでしょうか…?

食べることは可能!

結論から言うと、食べることは出来ます!毒もなく寄生虫などもいないため、最低限加熱すれば食中毒などの危険はありません。しかし、見た目が少しグロテスクな部分もあり、食べるのには少し勇気が要るかもしれませんね。そして味に関しても、見た目を裏切らない独特な風味があるようです。

フナムシの味を紹介

食べても害は無いものの、その味は非常にまずいそうです。苦みが強く、磯臭さを凝縮したような、腐敗臭に似た風味があるとのこと。食感もシャリシャリとする感じで、あまりいい食感でもない様子。ゲテモノ好きな方ではないと、少しハードルが高そうですね…。

フナムシを食べる時の注意点

その独特な風味は、ハラワタから来ているようです。雑食ということで何でも食べていますので、この色々な食物が詰まったハラワタの処理をしっかりしないと、口の中いっぱいに苦みと磯臭さが広がってしまいます。調理する際は、まず下処理を忘れないように注意が必要です。

食べるなら下ごしらえが肝心

数日エサをやらずに水の中に置いておき、フン抜きをします。しかし、そのまま生かし続けるのは難易度が高いことではありますので、出来ればで大丈夫です。調理前には、酒に漬けて臭みを消します。そして、お腹に包丁を入れてハラワタを取り出します。尾脚を引っ張るとキレイに取れます。

フナムシ料理を紹介

どんなに苦くても磯臭くても、まずは試食してみたいというガッツのある方へ、フナムシ料理をご紹介します。調理方法は至ってシンプルなものばかり。海辺でキャンプをする時などに、すぐに実践することが出来ますので、機会があればお試しください。

揚げる

まずはから揚げ。素揚げしたものに塩を振って、フナムシ本来の風味をシンプルに味わえます。衣を付けて揚げても、サクッと揚がっていいですね。衣に調味料を混ぜておけば、臭みを消すことも出来そうです。高温でカラッとあげるのがコツです。

焼く

焼くことで、甲殻類独特の香りが引き立つので、比較的美味しく食べられる調理法とのこと。エビやカニに似た味がするそうです。しっかり焼くことで、パリパリとした食感も楽しむことが出来ます。初心者は焼きから試してみるのがいいのかもしれませんね。

茹でる

沸騰したお湯に塩とフナムシを入れて、塩茹でにします。茹でることで磯臭さが更に増してしまうとのことで、食べるには少しハードルが高い調理方法かもしれません。から揚げや焼きに飽きた方には、ぜひ挑戦していただきたい調理方法ですね。

フナムシは釣エサになる

自分で食べるのは躊躇われるという方、魚のエサにしてみてはいかがでしょう。フナムシは、釣りのエサとしても利用出来きますよ。しかも釣り場で大量に調達出来きますので、買いに行く手間も、持ち運ぶ手間も省けます。お財布にも優しいという大変優れたエサになるのです。

フナムシは海の万能エサ

釣り人たちに愛されているエサであるのは、コスパがいいからだけではありません。通常通り鈎に掛けてもいいですし、撒き餌としても利用できるので、とても使い勝手がいいんです。見かけに反して柔らかいので、様々な魚を食いつかせてくれますし、まさに非の打ち所がない万能なエサといえるでしょう。

フナムシをエサにするときのポイント

鈎に掛ける時は、チョン掛けが一般的です。背中から尾に掛けて鈎を通していきます。撒き餌にする時は、少し弱らせておかないと、泳いで戻って来る場合がありますので、撒く時には、少し潰して弱らせて使うか、水溶き片栗粉を使って動きを鈍くしておくといいでしょう。

上手に使ってコストダウン

釣りをするにも、道具代やエサ代など、中々お金がかかりますよね。釣りに行きたいけど、お財布が寂しい…。そんな時には、フナムシに頼ってみるのもいいかもしれませんよ。有能なエサが大量に現地調達出来るのですから、使わない手はありません。

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