鮭は一回たくさんの卵を産み付けるとそれっきりで死んでしまうという特性を持っています。サケ科なのでイトウもそれと同じく産卵をしたら死んでしまうのかといわれるとそんなことは無く、むしろ何度も産卵をするのです。毎年産卵期に必ず産むというわけではありませんが、ゆみょうが長いため結局たくさんの卵を産むのです。
小さいうちは昆虫を食べる
続いては食性についてですが、小さい間は昆虫を主食として食べています。川の中に住んでいる昆虫を食べて小さいイトウが成長していき、ある程度の大きさになってくるとドジョウやヤマメなどの魚が主食になっていきます。もっと巨大な個体は蛇やネズミなどの陸生の動物まで食べるとされています。
幻の魚である「イトウ」
生態でご紹介しました通り、産卵の時期になればイトウは沢山の卵を産みしかもそれを毎年ではないとはいえ何度も続けます。しかしだからと言ってたくさんの個体がいるというわけでもないために幻の魚と言われているわけで、続いてはその希少性について触れていきましょう。
絶滅危惧種レッドリストに認定されている
イトウはパンダなどの絶滅の危機に瀕している動物たちが認定されている絶滅危惧種の一種であり、レッドリストにも入っているのです。それほどに個体数が少ないということであり、その理由は後述するように環境の悪化とされています。絶滅危惧種に認定されていることもあって幻であるということです。
イトウが熊を飲み込んだ?
なんと淡水の魚であるイトウが陸生の大型動物である熊を飲み込んだという伝説が残っているようです。あらすじとしては、湖の中に入っていった熊が時間が経っても戻らないため狩人が見に行ったら、戦慄するほどの巨大なイトウが熊を飲み込んでいたということです。流石に実際はできないでしょうが、それほどの巨大さということです。
なぜイトウは減少してしまったのか?
今回の記事で何度もご紹介している通り、個体数が非常に少なくお目にかかることが滅多にない魚です。では、絶滅危惧種レッドリストにも認定されてしまった理由とは何なのでしょうか。次はなぜ個体数がそれほどまでに減少してしまったのかを見ていきます。
生息環境の悪化
まず1つ目に上げられる個体数現象の理由は、生息する環境がまだ数の多かった昔に比べて悪くなっていってしまったということです。生息している場所が人間の手で変えられてしまい、産卵自体がしにくくなってしまったため、そして成長するための餌も居なくなってしまったために減少したとされています。
人間による乱獲
もう1つ、人間による乱獲も原因とされています。現在は北海道地方にのみ生息していますが、かつては青森県や岩手県などの北陸にも数こそ少ないながら生息していました。しかし人間による乱獲が行われたために現在は絶滅、北海道を残すのみとなりました。いずれの原因も人間が絡んでいるのが事実なのです。