火起こしは難しくない!方法やコツを大公開|道具を使って効率的に

火起こしはアウトドアの必須テクニック。難しいと思われがちですが道具と方法、コツが揃えば、火種を作るところから炭への着火まで火起こしのハードルは高くありません。今回は火起こしについて徹底的にまとめました!火起こしのやり方を修得すればサバイバルでも怖いものなし!

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自然大好き!星空大好き!! 母親譲りの星空好きが転じて、トレッキングを皮切りにアウトドアに目覚めました。現在は子育てと並行して週末アウトドアを楽しんでいます。
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どんな時に火起こしをするのか

料理や明かり、寒い季節には暖を取ったりと、私たち人間にはどうしても火の存在が必要不可欠です。普段の生活は便利になりすぎて、私たちは火起こしがどれだけ凄いことなのか忘れがちです。しかし一度アウトドアの世界に踏み込んでしまえば、キャンプやバーベキュー、サバイバル、そして暖を取る事にさえ、火起こしは重要なスキルとなってくるのです。

マッチやライターがない状態で火種を作る「火起こし」

サバイバルの世界では、マッチやライターと言った便利グッズを敢えて使わない傾向にあります。しかし何もサバイバルをしていないからと言って、文明の力を使わなければいけない訳ではありません。ここ近年では文明の有難さを感じるために、あるいは単純にその作業を楽しむために、火種を使った火起こしが密かなブームとなっています。

先日、教育番組でもこの火種を使った火起こしが取り上げられていたので、皆さんもテレビで目にする機会が増えているのではないでしょうか。原始時代に想いを馳せて、木の棒をグルグルと回し、徐々に煙があがってくる様は、子供でなくても本能的にワクワクする光景です。

焚火などの最初の手順で、薪や炭にうまく火を燃え移らせると言う意味の「火起こし」

これまでの原始的な方法や新聞紙なども含め、火種を作ったところで次に初心者が引っかかってしまうのは、そこからいかにうまく薪や炭にうまく火を燃え移すことが出来るか、と言う意味合いの火起こしです。コツを掴めば案外簡単な作業なのですが、知らないとこの時点でお手上げ状態になってしまいます。

方法はいくつもありますし、自分に合った方法を探していくのもある意味醍醐味です。またキャンプなどのアウトドア初心者も混ざる様な集まりの場では、火起こしの方法をアドバイスしたり、ササっとこなすだけでアウトドアの上級者気分に浸ることもできる機会だってあります。

火種を作る火起こし方法!キリモミを使う

ここでは具体的に火種から作る方法について紹介していきます。良くテレビなどで紹介される、いわゆる原始的な火種作りの方法として、キリモミ方式があります。このキリモミ(錐揉み)とは本来穴をあけるために棒を掌で力強くクルクルと回すことを意味しますが、皆さんが原始的な火起こしとして一番イメージしやすい、板に棒を回し当てて火を起こす方法です。

必要な道具

縄文時代の人たちも行っていたと言われるキリモミ式発火。自然の中にあるものだけで行うことももちろんできるのですが、道具をそろえるだけで時間がとられてしまいます。最初は予め用意できるものは用意していくのが吉です。

  • ヒキリ板(スギ、ヒノキなどの針葉樹の軽い板に、火種を集めやすい様加工したもの)
  • ヒキリ棒(ウツギ、アジサイ、クワなどのまっすぐな棒)
  • もぐさや硫黄など、燃えやすいもの(用意しやすいのは、麻紐をほどいてバラバラにしたもの)
  • (必要であれば)ローソクなど

火起こし器は購入できる!

更には、ネットなどで出来上がっているキリモミセットなどの火起こし器を購入してしまうという方法だってあります。単純に原始的な方法で火起こしをしてみたいんだという方には、後はやるだけ、の購入コースがオススメです。是非古代の生活体験をお手軽に楽しんでみてください。

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やり方

では実際にヒキリ板のくぼみにヒキリ棒を当てて錐揉み開始です。掌の小指側をヒキリ棒に充てる様にして、板方向へ2~3キロ程の圧をかけながら回していきます。この時折角できた火種や木くずやがちらばらない様、ヒキリ板が動かない様に誰かに押さえてもらうか足でしっかり押さえておくことが必要です。

最初はそこまで速く回す必要はありませんが、煙が出てきたら回転スピードを上げ、その摩擦で火種を作っていきます。木くずの中から煙が立ち、線香の様な火種が出来ますので、こちらを用意していた燃えやすいもぐさや硫黄などに点火します。炎になったら、そのまま焚火の火起こしに使うのも良いですし、ローソクに移しておくのも良いですね。

根気が必要

達人ともなれば1分足らずで発火させることも出来ますが、初心者はそうはいきません。ただひたすらに15分ほどヒキリ棒を回し続ける根気が必要です。折角火種が育ってきても、そこで手が疲れてしまっては最初からやり直しになってしまいますので、最初は複数人で順番にヒキリ棒を回し続けるのが得策です。ポイントは『速さ』よりも『下への圧力』です。

サバイバルでの火起こし方法!ナイフ一本で火をつける!

刃渡りが10~15センチほどのサバイバルナイフ。これが一本あれば何でもできてしまうのがサバイバルです。もちろん火起こしだってナイフ一本で出来てしまいます。これまで紹介してきたキリモミ式の火起こしを、自然の恵みの中から道具を揃えてやってみましょう。

道具は自然の中から集める

自然から得る火起こし道具に一番大切なのは、良く乾いていること。足元の枯草や立ち枯れている木は良く乾燥しており水をほとんど含まない上、組織を腐らせてしまう菌類もいないため狙い目です。

ヒキリうすを作る

もちろん自然に板は落ちていないので、直径数センチのスギやヒノキなど針葉樹の枯れ枝を削りだして厚さ1センチほどの板を作ります。板の端から1.5センチ程のところにヒキリ棒をこすりつけてくぼみを作ります。このくぼみの中心より気持ち外側を頂点とするV字の切りかきを作ります。

ヒキリきねを探す

ウツギやアジサイ、ヨモギやセイタカアワダチソウといった、太さ1センチ程度、1メートルほどのまっすぐで空洞が空いている棒を用意します。なぜ空洞の空いているものが良いかと言うと、単純に空洞がないと摩擦が大きくなってしまい、ヒキリうすに早く穴が開いてしまうからです。更には削りかすが出やすく、結果火種が生れやすいという理由もあります。

火口になる燃料

折角できた火種を育てるためには燃料が必要です。厚手の枯葉を数枚、枯草と小枝をそれぞれ一掴みずつ用意します。しっかりと乾燥しているものを集めてください。

火のつけ方

枯葉を広げ、その上にV字の切りかき部が来る様にヒキリうすを乗せます。ヒキリきねをヒキリ板のくぼみに2キロほどの力で擦りつけて行きます。根気よく続けると摩擦でつくられたカスがたまり、ここから煙が立てば火種の完成です。火口用に用意した枯草の中に火種を入れこみ、しっかりとつつんで内部の熱を育てます。

この時点ではまだ空気は不要です。少し手に熱を感じてきたら、少し枯草を開いて息を吹き付け空気を送り込みます。徐々に煙が増え、ある瞬間を境に火が上がります。予め組んでおいた小枝の山の下へ入れれば、間もなく火が移り燃え始めます。

ファイヤースターターを使った火起こし

サバイバルやアウトドア好きな方から熱い支持のあるファイヤースターター。こちらを使ってももちろん火起こしは可能です。火口などはお好きなものを使えますが、麻紐をほどいたものが比較的発火しやすいのでオススメです。勿論フェザースティックの様に木を削ったものでも可です。

ファイヤースターターって何

ファイヤースターターは、主にマグネシウムなどで出来た現代版火打石の様なもので、ライターなどに使われる火打石の大きなものと考えて頂ければイメージが湧くと思います。この素材と鉄などとの摩擦で火花を飛ばします。

着火のコツ

購入時は黒色のコーティングが施されているので、こちらを削ってから使います。火花を散らすのは誰でもできますが、着火のコツとしてはファイヤースターターで火口となる麻紐などを押さえつける様にすること。空中に浮かせて使うと、対象に上手く火花を当てるのが大変なので、押さえつけてしまえば集中して当てたいところに火花が当たります。

最初の内はファイヤースターターを削ると出てくるマグネシウムの粉を火口に散らしておくことで、マグネシウムが火花を受け止め発火てくれるので更に火が上がりやすくなります。慣れてきたら粉を出さなくても使える様になりますので、練習してみてください。

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圧倒的便利な火口!買わなくても作れる

サバイバルでの火起こしは楽しい反面、どうしても体力を消耗してしまうので少しでも楽に成し遂げてしまいたいものです。この時あると便利なのが火口です。キリモミ式などで折角起こした火を使い火口を用意することで、次回の火起こしはファイヤースターターなどの小さな火花でも瞬く間に炎があがってしまうマジックの様な方法を紹介します。

必要な道具

  • 綿性のタオルや服などの布
  • 手ごろな大きさの缶

作り方

綿性の布を、ハンドタオルであれば1/4ほどの手ごろな大きさに切ります。火であぶり、しっかりと全体が黒くなるまで焼いていきます。この時、ある程度黒くなってきたら缶に入れ蓋を閉めます。缶がない時は、砂などに埋めて『酸欠状態で』しっかりと黒くさせる事が大切です。ちなみにネットで売られているのはこういったものです。

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火のつけ方

出来上がった火口への火のつけ方です。ファイヤースターターやナイフの火花をこの火口に向けて放てば良いだけです。驚くほど簡単に火が上がります。火口はネットでも売られていますが、こんなに簡単に用意できるのであれば初心者であってもDIY可能なのではないでしょうか。

たき火での火起こし方法!薪を使う

焚火で薪を火起こしに使う場合は、最初はそのままでは大きすぎてなかなか火を移すのは大変です。焚火をする周辺で火種になりそうな枯草や枝などを探しておくのが吉です。

必要な道具 

自宅で用意できるものとして以下があります。

  • ライターやマッチ、チャッカマンなど
  • 着火剤としての新聞紙か麻ひも(麻ひもはバラして使います)
  • 軍手
  • うちわ
  • 火バサミ
  • バケツ
  • スコップ

この他に、使用済みの割りばしや小枝、松ぼっくりがあれば焚き付けに便利です。

薪の組み方

火起こしや焚火において必要な三大要素があります。燃料、熱、そして酸素です。薪の組み方によって、燃料である薪を十分にくべてあるか、発生した熱がしっかりと集中するか、そして酸素が通りやすい道が確保されているかが決まってきます。ここで焚火が上手く燃え盛るかどうかが決まってくると言っても過言ではありません。

円錐状

焚火、と言うとこの組み方を連想する方が多いと思います。頂点に向かって薪をお互いに支えあう様に立て掛けあう組み方です。焚き付けとなる新聞紙などの周りに先に細い枝を円錐を意識して組んでから、太い薪を周りに立てかける様に組んで行きます。コツとしては細い枝を組む際にがちがちに固めるのではなく、中に空気が通り抜けられる様な道を確保することです。

井桁状

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