キャンプファイヤーの様な組み方、と言えばお分かりいただけるかと思います。コツは、薪をあまりにもキチっと整えて重ねて行かないことです。丁寧に重ねた方が崩れなさそうでいいじゃないかと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、炎が燃える時のことを想像してみてください。いびつに重ねておいた方が、次の薪に火が燃え移りやすいのです。
火のつけ方
薪に火をつけるには、底に用意した焚き付けの複数個所にバランスよく火を点けていく行くのが有効です。松ぼっくりは火起こしの強い味方ではありますが、跳ねて火傷やケガの原因にもなるので充分に気を付けてください。また、最初火が小さいうちは風を避けるなど火が育つのを守る必要があります。
火が少し育ってきたところで良く起こる例として、煙は沢山出てくるのになかなか炎が上がらないと言うことがあります。これは空気が足りていないので、うちわなどで空気を送ることで解決します。自然風で火が育つこともありますが、風が弱い日や空気の通り道が上手く確保できていない場合にはやはり人力で酸素を送り込むことが不可欠です。
面倒でも手順通りすすめるべし
面倒だからと焚き付けを使わず直接薪にライターなどの火であぶってもなかなか着火しません。先に書いた様に、火起こしに必要なのは燃料と酸素、そして温度です。ライターなどの小さな火で、薪に火を点けるほどの熱を得るのは一苦労です。
焚火は最初は火が付きやすい焚き付けを使い、小さな枝などから少しずつ火を育てていきます。そして徐々に火を大きくしていき薪の温度を確実に上げて行くのが、結果的には早く炎が上がるのです。『急がば回れ』と言うことわざがありますが、自然を通して物の心理を考えさせられますね。
たき火維持の方法
火力を維持するためには、これまたやはり燃料、酸素、熱を絶やさずに与え続けることが必要となります。とは言えそう難しいことではなく、炎が回りだしたら少しずつ太い薪などの燃料をくべて行けばよいのです。この時、一気に新たな燃料を追加してしまうと焚火全体の温度が下がってしまうので、一本ずつコツコツとくべていくのが安定して炎をあげるコツです。
薪は切断面よりも樹の皮の方が水分量が少ないため、樹の皮を炎側にしてくべた方が燃え移りやすいです。また言うまでもありませんが、空気の通り道を意識しないと酸素不足となり煙があがってしまいますので、詰め込みすぎにも注意が必要です。空気を送り込む方法として通気性の良い焚火台を使用するのも効果的です。
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バーベキューでの火起こし方法!新聞紙を使う
一般的にも広く行われているバーベキュー。アウトドアで仲間と過ごす時間はとても楽しいものですが、最初の関門となるのがこれまたやっぱり火起こしです。これまでの章でもポイントとなった、燃料、酸素、そしてなんといっても熱の力を最大限に使った新聞紙を使った火起こしについて紹介します。
必要な道具
最初炭に火を点す場所として、比較的平たい作業場を用意できるとベターです。バーベキューのロケーションを確保しつつ、以下の道具を用意してください。
- バーベキューコンロ
- 木炭
- 新聞紙
- ライターやマッチ、チャッカマンなど
- 軍手
- トングや火ばさみ
火のつけ方
まず、新聞紙をねじったものを10本ほど用意します。炭を井桁状にして土台を作り、その上に先だって用意しておいた新聞紙を全て井の型に積み上げていきます。このプチキャンプファイヤー状のタワーを囲むように、炭を円柱状に配置していきます。最後に新聞紙に火を点ければ、ものの数分で自動的に炭に火が入ります。
仕上げに、火のついた炭をトングでバーベキューのコンロに移せば完成です。網をしっかり温めてから、美味しい料理に徹してください。この方法を覚えてしまえば、他の方法が使えなくなってしまいそうです。しかし、新聞紙は火が付くと舞い上がってしまい危険が伴う場合もありますので風のある日はご注意ください。
バーベキューでの火起こし方法!着火剤を使う
新聞紙を用いる火起こしは、風の日には危険を伴います。そこで初心者向けに安全で失敗のない火起こしの方法と言うと、やはり着火剤を使うのが一番確実であると言えます。こちらでは着火剤の種類と用途について紹介します。
必要な道具
用意する道具は以下の通りです。
- バーベキューコンロ
- 木炭
- 新聞紙
- ライターやマッチ、チャッカマンなど
- 軍手
- トングや火ばさみ
- 着火剤
固形タイプの着火剤
火が燃えやすい繊維やおがくず、炭などに燃料が染み込ませてあります。この上に小さめな炭を重ねて置き、徐々に燃え移らせていく昔からあるスタンダードな着火剤です。炭に火を入れるのに多少時間が掛かったり、燃料が燃える際に特有の匂いがあるため好みが分かれます。安全を取りたい初心者にオススメしたいタイプです。
ジェルタイプの着火剤
炭の点火したい部分に塗って使います。割高ではあるものの、固形タイプよりも使い勝手や着火時間が短いのが人気の秘密です。ただし詳しくは後ほど説明しますが、ジェルタイプは手軽に使える反面使用方法については特に注意が必要です。しっかりとその特性を理解した上で利用すれば問題ありませんが、事故も起こっていますので気を付けたいところです。
火のつけ方
まずは網の上に固形タイプの着火剤を置きます。その上に、空気の通り道を確保しながら炭を重ねて置き、着火剤に点火します。この際、風が邪魔してしまい炭に火が燃え移り辛いことがあります。動画にもある様にアルミホイルなどを使って余計な風をさえぎる方法もありますが、火起こし器と言う市販品も便利なので、是非使ってみてください。
ジェルタイプは炭を重ねた上からかけて行きます。更にその上に炭を重ね、ジェル部に着火をします。固形、ジェルタイプ共に火種が出来たらうちわなどで空気を送り込み、炭がパチパチと音を立て始めたら完成。コンロに移して楽しいバーベキューの始まりです。
着火剤は飛散の恐れあり!
先にも少し触れましたが、ジェルタイプの着火剤は便利さ故に危険を伴います。これはあくまでも着火剤ですので、火を点ける前に炭に塗って使います。弱まってしまった火を強めようと、既に燃えている中にジェル着火剤を入れて飛散してしまい、重傷を負ってしまった例もありますからしっかりと用法を守って楽しんでいただきたいです。
バーベキューでの火起こし方法!バーナーを使う
バーベキューでバーナーを使うことに憧れがある方もいらっしゃるかもしれません。料理の仕上げにも良いですが、火起こしにも頼もしいグッズです。アウトドア特有の高揚感も得られますし、コンロ内で直接できるのが炭を移す手間も省けて良いところです。
必要な道具
用意する道具は以下の通りです。
- バーベキューコンロ
- 木炭
- 軍手
- トングや火ばさみ
- トーチバーナー
火の付け方
コンロ内に炭を設置し、直接トーチバーナーで炭をあぶって火を起こす方法です。直にあぶって火を移す方法なので明快ですが、炭の大きさや量によっては燃料が足りなくなってしまう場合もありますので、燃料のスペアがあると安心です。また言うまでもないですが、火力が強いため取り扱いには十分注意が必要です。
火起こしをするときの注意点
これまで火起こしの方法を色々紹介してきましたが、全てに共通して言えるのは安全とマナーに気を付けて楽しんで頂きたいということです。1項目ずつ確認し、楽しい時間を過ごしていただけたらうれしいです。
直火禁止を要チェック
キャンプ場や公園など、直火禁止を謳っている施設が数多くあります。しっかりと各施設のルールを守ることが第一です。きれいな芝や草地を焼いてしまっては大変ですし、最悪の場合は火事にもなりかねません。
風の向きにも注意
自宅の庭などでバーベキューをする際に注意が必要なのが風向きです。煙や匂いなどが原因で隣近所ともめごとになることも少なくはありません。施設であっても、周りの方にあまりにも煙が行ってしまうのはマナー違反。不完全燃焼の嫌な煙を立てない様気を付けたり、風向きを気にしながら楽しむのも大切です。
後片付けをきちんと
施設や自然の中でバーベキューやキャンプを楽しんだ際に忘れてはならないのは後片付けです。ゴミを持ち帰ったり、施設ごとに決められた分別を守るのはアウトドアを楽しむ私たちにとって当然のことです。生ごみなどは残り火などで燃やしてしまうのが手っ取り早いですが、何でもかんでも燃やしてしまうのはいけません。
プラスチック製品は燃やさない
プラスチック単体は、高温でしっかり燃やせば有害物質が発生することはほぼありません。しかし、いつどんなきっかけで他の物質と結び付き有毒物質が発生するとも限りません。折角の楽しい機会に中毒症状を起こして台無しにすることはありません。燃やして処理するのは生ごみや紙製品に留め、後は施設の指示通りに処理するのが大切です。
ルールやマナーを守って火起こしを楽しもう!
アウトドアに欠かせない火起こしについて紹介してきましたが、具体的にどの様なものに挑戦しようかイメージは湧いてきたでしょうか。とても楽しい場であっても、どうしても火を扱うからには危険も伴います。注意すべき点はしっかりと抑え、ルールやマナーを守り、快適なアウトドアを楽しんでください。