筏釣りとは
海上に浮かんだ木製の筏(イカダ)で釣る釣法の一つです。主に近畿地方を中心に人気のフィッシングスタイルとなっています。トイレがイカダには完備してあり女性や子どもの家族連れでも初心者の方でも安心して安全に楽しい釣りができます。
「筏」と呼ばれる人工浮遊物が釣り場
人工的に造られた浮遊の釣り場の筏に渡船して釣りをする釣り方です。数多くのフロート上に板を敷き詰めた筏が基本的なものですが、中には養殖筏や真珠棚を利用してコンパネを張り巡らして釣りができる筏もあります。
付けエサをダンゴで包む点も特徴的
この釣りは、黒鯛(チヌ)を寄せるためにつけエサをダンゴで包み込んで海底に落とし込み意図的に濁りをつくりタ-ゲットを狙うのが特徴です。また、ダンゴは餌取りからサシエを守る大切な役割もあります。
筏釣りのタックル① 竿
この釣りでは、竿の穂先が魚のアタリをとる、言わばウキ代わりになります。そのため、筏竿選びは魚の釣果に大きく影響する重要な要素です。はじめて筏釣りを始められる方は特に1本目の筏竿をきちんと選ぶことが大切です。
筏釣り用竿の選び方のポイントは?
筏竿は、釣り場の状況に合致したものを使用します。その選択は竿の曲がり具合を示す調子と長さで選びます。これらが合っていないと釣果に大きく影響しますし、特に繊細なこの釣りでは大切なポイントです。
調子は, 釣果を決定付ける重要要素
竿の調子には、先が曲がる先調子ときれいな弧をえがく胴調子・本調子があります。筏釣りで使うのは、80:20の先調子で、ダンゴ釣りなどいろいろなフィッシングに適応できます。生きた海老を使ったり潮の流れが速かったりする場所では、90:10の極先調子を使います。
長さにも注意したい
長さは潮流の速さや水深、海底の様子、そして自分のフィッシングスタイルに合わせて選びます。150センチ以下の短い筏竿は使い勝手かよく、特に初心者には扱いやすい長さです。150センチ以上の長めのタイプは海底に多い障害物がある場合、扱いやすく糸を多めに出すなどストロークが大きいので有利です。
おすすめの筏釣り用竿は?「ダイワ チヌ竿 飛竜 イカダ 150P・V」
スペック
- 全長(m):1.50
- 継数(本):2
- 仕舞(cm):100
- 自重(g):80
- 先径/元経(mm):0.35/10.9
- 適合ハリス ナイロン(号):0.6~2
- カーボン含有率(%):2
特徴
使い勝手がよく魚の食い込みの良さ抜群の穂先(グラスソリッド)を持つ筏竿です。使ってみるとそのよさがわかります。板シートタイプとパイプシートタイプがあり様々な使いみちがあります。この竿の極細先調子はきれがよくチヌの細かなアタリも見逃しません。
筏釣りのタックル② リール
魚とのやり取りする場合に必要不可欠なのは筏釣り用のリールです。ラインを出し入れする操作の快適性と大物がヒットした時、確実にそれに対応するパワーが必要です。そのためある程度価格の高いものになるかもしれませんが、釣り場も考慮して的確なリ-ルを選ぶようにしましょう。
筏釣り用リールの選び方のポイントは?
ライン操作のしやすさにこだわりたい
筏釣りのリ-ルには、両軸タイプと片軸タイプがあります。釣れるチヌの大きさや釣り場の状況に応じて使い分けることが大切です。特にラインの出し入れのしやすさは大切ですので、できるだけ細かな操作ができクラッチレバ-付きのものを選びましょう。
下向きタイプのリールが総合的に高評価
リールには、上向きタイプと下向きタイプがありますが、アワセやすいという点で考える下向きタイプが評価が高いです。また、ドラグの機能があり、魚とのやり取りの際、サミングの必要がないリールもありますので、特に初心者の方はそのようなものを選ぶと良いです。
おすすめの筏釣り用リールは?「カセ釣り 筏リール ヘチ釣り 2.6:1 10BB ゴールド」
スペック
- 自重:213g
- ギア比:2.6:1
- 標準糸巻量:3号/100m
- スプール外径:65mm
- ハンドル長:45mm
- ベアリング数:10
- カラー:ゴールド
- ハンドル:左巻き
特徴
高級な感じするアルミ製マシンカットの筏専用リールで、チヌ釣りには最適です。釣り好きな人のために理想的なものに仕上がっています。初心者にも扱い安く筏釣りをしっかり楽しむことができます。
筏釣りのタックル③ バッカン
バッカンはダンゴ作りになくてはならないアイテムです。また、容量が大きいものを用意すると、降雨の時もダンゴをぬらさずにすみますし、釣り道具などが一度に収納できるので便利です。
筏釣り用バッカンの選び方のポイントは?
この釣りで使うバッカンは、用途がダンゴづくりであることを踏まえて大型の容量の大きいものを選ぶことが大切です。イカダでダンゴを作るのは手間と時間がかかりますので、事前に作ってバッカンに入れて釣り場に持ち込みましょう。
おすすめの筏釣り用バッカンは?「マルキュー ワイドパワーバッカン 47cm」
スペック
- サイズ:470(W)×320(D)×240(H)mm
- 長さ調節、着脱可能のショルダーベルト
- 手の負担を軽減するハンドクリップベルト:2本のグリップをひとまとめにするグリップベルトを標準装備
- 筏上での滑りを防止:底部には、滑りを防ぐラバーを標準装備
特徴
防水性の上蓋は海の水しぶきからもふいの降雨の時でも混ぜ込んだダンゴをしっかり守ってくれます。ダンゴエサを均一にムラなく混ぜることを考えて四隅は丸みをもたせてあります。ダンゴ作りが余裕をもってできる、この容量はありがたいです。
筏釣りのタックル④ 玉網
タモは、魚をかけて取り込む時に使う必要なアイテムです。枠はチヌの頭からすくって尾っぽが若干でるくらい入り込む大きさが良く、せっかく掛けたのにすくう段階でターゲットを取り逃がすことがないようにタモの選択も重要な要素です。
筏釣り用玉網の選び方のポイントは?
筏で使用するタモの網枠の直径は、45cmくらいのものであったら十分に対応ができます。柄の長さについては、長いものは必要でなく1m~2mのサイズが普通使われますが、筏の上に座った状態でタモを出した時、楽に網枠全体を水中に沈め込められる長さが適切です。
おすすめの筏釣り用玉網は?「プロマリン(PRO MARINE) CB 大ちぬ筏玉セット 165 」
スペック
- 筏玉の柄 規格:165振出
- 全長m:1.65
- 継数:2
- 仕舞寸法cm:70
- 自重g:150
特徴
和風仕上げの塗りは見た感じがよく高級感を思わせる筏専用のタモです。この価格で軽く持ちやすいハイカーボン製なのはとても魅力です。魚を掛けてタモに取り込む動作が楽で大変使い勝手のよいタモです。
筏釣りのタックル⑤ その他
この釣りでは上記で述べた道具の他に、ダンゴ作りや手洗いなどに使う水汲みバケツや釣れた魚や飲食物を保冷するクーラーボックス、仕掛けをつくるのに便利なフィッシングプライヤー、大切な竿などを保管するロットケースが必要です。
その他の各種筏釣り用タックルの選び方のポイントは?
筏釣りで使う水汲みバケツやクーラーボックス、フィッシングプライヤー、ロッドケースは、持ち運びが便利で実用性があり、そのアイテムの機能がしっかり発揮できる、できればコスパの面でもリーズナブルなものを選ぶようにしましょう。
おすすめのその他の各種筏釣り用タックルは?
上記で示した道具は、筏釣り専用ロッドケース以外ほとんどが他の釣りにも使えるものですが、ここでは入門者を意識して、メーカーから発売されている様々な品々から特におすすめで釣りに役立つものを紹介します。
その他の筏釣り用タックル① 水汲みバケツ
スペック
- サイズ:17cm/19cm/21cm
- 外寸(cm):17cm 17×19×16/19cm 19×22×18/21cm 21×25×21
- 素材/EVA
特徴
突起などがある場所での引っかかりを少なくする楕円の形状をしているバケツです。シンカーによって水面でうまく傾斜させることにより水を汲みやすくしています。滑りにくい柔らかな手触りのロープ8mとヨレを防止する回転ナス環はとても便利です。
その他の筏釣り用タックル② クーラーボックス「シマノクーラーボックス 25L スペーザ ライト」
スペック
- クーラーボックス 容量(L):25
- 重量(kg):5.0
- 保冷時間(目安):40時間(クーラー容量の20%分の氷を外気温31度で持続する保冷時間)
- 内寸法(幅×長×高):220×500×230mm
- 外寸法(幅×長×高):305×657×320mm
- 素材:発泡ポリスチレン+真空1面パネル
- カラー:ピュアホワイト
特徴
内側の寸法は50cmあるので大型の魚が釣れてもらくらく収納できます。保冷能力に優れ長時間の釣りでも遠距離の釣り場でも安心して対応できます。また、指1本で開け閉めができる簡単操作で、左右いずれからでも開閉できる両開きになっているのも大変便利です。
その他の筏釣り用タックル③ フィッシングプライヤー「ウミボウズフィッシングプライヤー」
スペック
- 重さ:超軽量の約88g
- 安全ロープ 専用ケース付き
特徴
アルマイト加工された特殊なアルミニウム素材のため錆に非常に強いのは、海釣りに持ってこいプライヤーです。先端が細く魚の口にも簡単に入り、奥に掛かった針もらくらくと外すことができます。オモリつぶしやPEラインなどのカットも容易にでき仕掛けづくりをスムーズにします。
その他の筏釣り用タックル④ ロッドケース「(Aofit)ハードロッドケース 」
スペック
- 全長:100CM
- 幅:13CM
- 高さ:12CM
特徴
防水性に優れ、こわれにくく、汚れに強い材質が用いられているので安心して使えます。握りやすさや滑りにくさ、そして持ちやすさと大変優れたハンドルと肩にかけても負担のないショルダーベルト、中のロッド固定マジックテープは釣り場に筏竿などを収納して楽に持って行けます。
筏釣りの仕掛けの基本構成は?
この釣りの仕掛けは、基本的には上記の図の例ように道糸とハリス兼用ライン(例 筏専用「フロロカーボン1.5号」)、ガン玉(例 針から15cm上に1号)、針(例 チヌバリ3号)の、3つによって構成されます。
筏釣りで使用する仕掛けアイテムをご紹介!
繊細な筏釣りでは、仕掛けに使うハリス兼用道糸やガン玉(オモリ)、ハリそれぞれの選び方が釣果に大きく影響します。どんな仕掛けづくりをして釣りに臨むかが重要です。ここでは、仕掛けのそれぞれのアイテムについて紹介します。
筏釣りの仕掛けアイテム① ハリス兼用道糸
一般的には、道糸とハリスを結んで釣るというのが支流ですが、この釣りではラインの結び目での強度が低下することを防止し、魚の些細なアタリを竿先で確実にとるためにハリス兼用道糸が用いられることが多いです。
筏釣り用ハリス兼用道糸の選び方のポイントは?
この釣りでは、道糸の素材としてはナイロンより強いフロロカーボンが使われますが、ハリスを兼ねるということを考えればそれも頷けます。また、海水にも素早くなじみやすいとうことでもこの材質が主に使用されています。
比重が仕掛けの動きを左右する
フロロカーボンは、水に比べて比重が重くナイロンラインより沈下速度が速く、目的の水深まで瞬時に仕掛けを届かせることが可能です。潮流が激しくてもその影響を受けませんので安定してターゲットを狙うことができます。
低伸縮性をウリにしているものを選びたい
フロロカーボンは、ナイロンと比較して伸縮性が低い素材です。ナイロン製の場合は大きめの魚が掛かったら少し糸が伸びるので、その重さや引きが瞬時に竿に伝わってこないのが通常です。伸縮性の低いフロロタイプだとラインそのものに重さが加わっても、非常に伸びにくいので、魚が掛かった感覚が直接伝わってきます。
おすすめの筏釣り用ハリス兼用道糸は?「クレハフロロカーボンラインシーガー筏ちぬスペシャル」
スペック
- 素材:フロロカーボン
- 全長:100m / 号数:2号 / 強度:3.1kg
- カラー:クリア
特徴
伸縮性の低いフロロカーボン素材のため感度がよく魚のアタリが直接伝わってきます。潮流の速さにもしっかり対応でき、強度もあるので魚とのやり取りも安心してできる筏チヌ釣りハリス兼用道糸です。
筏釣りの仕掛けアイテム② オモリ
この釣りでは、仕掛け自体を安定させるためにガン玉オモリを使うことがあります。仕掛けは、潮流の速さに影響しますので、どうしても狙う水深に持っていけない場合などがあります。こんな時にオモリをうつことにより難局を乗り越えることができます。
筏釣り用オモリの選び方のポイントは?
筏釣りでは、潮流の速さなどの状況によりガン玉オモリを使う場合があります。その選び方としては、着脱がしやすく道糸へのダメージを与えにくいものを選びます。また、その時の状況に合わせていろいろな重さを用意しておく必要もあります。
着脱のしやすさやラインへのダメージがカギ
ガン玉オモリは割ビシになっており着脱が簡単でしやすいのはいいのですが、糸に挟む時にラインにダメ-ジを与えることがあるため、それを防ぐためにガン玉の溝にやわらかな素材か、ゴムかがつけられているタイプを選ぶと良いです。
あらゆる重さのものを用意しておこう
筏釣りでは、潮流の速さによりガン玉オモリで調整をします。また、自分スタイルの釣りに合わせてガン玉をうつことがあります。その場合、必要な重さが微妙に変わりますので、様々な重さのものを用意しておくことをおすすめします。
おすすめの筏釣り用オモリは?「フジワラ ゴムコートガン玉セット 」
スペック
- 入数:8種類
特徴
ラインの損傷を軽減するゴムコ-トのガン玉です。滑りにくいので指での取り扱いもしやすくラインへの脱着もスム-ズにできます。色は三色で警戒心を抑える黒、集魚力のある赤と緑、状況に合わせて使い分けができます。
筏釣りの仕掛けアイテム③ ハリ
筏釣りでは、クロダイをターゲットにしますので、ほとんどの釣り人がチヌ針を使っています。この針の原型は伊勢尼針です。素早く針先が立ち上がる特性を持ち、懐が広く針の掛かりが良く、強度の面でも安心できます。
筏釣り用ハリの選び方のポイントは?
この釣りでは、ほとんど場合、チヌ針を使うのが基本になっていますが、下記の2点のことを踏まえて選ぶと良いでしょう。
チヌの活性やエサに合わせたハリ選びが肝心
チヌ針のサイズとしては1号~6号がありますが、魚の活性やエサなどによって針を選ぶことが大切です。初めて筏釣りをされる方は 3号を選ぶと良く、更には糸が結びやすい管付きのハリだと簡単に準備できます。
チヌバリにこだわらないことも大切
この釣りではほとんどチヌ針を使いますが、それにこだわらず釣り場の状況や個人の釣りスタイルに応じて、また、餌の形状に合わせて変えると釣果が変わる場合がありますので、様々な針を使ってみることも大切です。
おすすめの筏釣り用ハリは?「がまかつ掛リスギ フック チヌ 3号」
スペック
- 号数:3
- 入本数:18
特徴
魚の喰いのよさと掛かりの良さは、抜群のハリです。鈎先はスパットテーパーという特殊な加工してあるので掛かりが良く、チヌの接触やアタリの頻度もかなり高いものになっています。魚に違和感なく喰わせることができ、ハリ掛かりも確実なので安心して釣りに臨むことができます。
筏釣りで用いられるダンゴは?
この釣りで使うダンゴは、つけ餌をエサ取りの魚から守り、確実に海底まで、できるだけ早く届けて集魚し、その濁りでチヌを寄せるという役目があります。普通、ダンゴが底に着くと、魚たちの繰り返しの突きにより徐々にバラケ始め、ゆっくり割れていきます。その内に中からつけ餌が現れ、それをチヌに喰いつかせハリ掛かりさせるのが筏釣りです。
市販の人工配合エサに海水を混ぜて作る
ダンゴの役目は、付け餌を包み無事に海底まで確実に運ぶことと自然にばらけることにより匂いを拡散させ、濁りをつくることにより本命チヌを寄せて喰わせることです。この釣りのダンゴは、一般に販売されている人工配合餌を海水と混ぜて作ります。
種類を適切に判断しよう
市販の人工配合餌には、ダンゴのベースになるものや魚を集める匂いなどの効果があるもの、ダンゴのかたさなどの調整に使うものがあります。その釣り場や自分の釣りスタイルに合わせて判断して選択しましょう。