ニゴイは餌釣りもできます。シンプルなぶっ込み釣りでもよいですし、浮き釣りでも釣ることができます。
餌釣りの仕掛け
ぶっ込み釣りの場合は、頑丈な舟竿が望ましいです。鯉がかかることもあるので、針は大きめの鯉針を、ラインは5号くらいを使用するのがよいでしょう。浮き釣りの場合は渓流竿を使います。ニゴイは匂いに敏感で、何でも食べる魚なので、どんな餌にもよく反応します。ミミズや練り餌の他に、スーパーで売っているサツマイモやエビ、かまぼこなどもよく使われます。
ニゴイ釣りの注意点
ルアーフィッシングにも言えることですが、ニゴイは唇が厚く、フックが刺さると抜けづらいため注意が必要です。カエシのない針を使用するか、針先をあらかじめ潰しておいた方がよいでしょう。また、ニゴイは寒さに弱いため、冬は動きが鈍くなります。少し暖かくなってからの方が釣りやすくなります。
ニゴイの釣り場
ニゴイ釣りのポイント
ニゴイは夜行性なので昼間は底の方に潜んでおり、夜間や、雨で水が濁っている時などに活発になります。しかし、夜間や雨の日でないと釣れない、ということはなく、むしろ明るくて水がきれいな場所の方が、ニゴイの動きを捕捉しやすくなります。ニゴイは、緩やかな流れがある大きめの川に多く見られます。小石が多く、やや深さがあるところがおすすめのポイントです。また、小型魚は用水路にいることもあります。
ニゴイと一緒に釣れる魚
ニゴイを目当てに釣りをしていると、ブラックバスや鯉、ナマズが釣れることもあります。さまざまな魚を同時に楽しめるのが、ニゴイ釣りの醍醐味でもあります。いつもは脇役になりがちなニゴイですが、あえてニゴイをターゲットにすることで、その他の魚の新しい側面が見えてくるかもしれません。
ニゴイの食べ方
ニゴイの味
ニゴイは、シコシコとした食感が特徴で、泥臭さはあまりありません。昔はヒラメの代用品として出荷されることもあったようで、特に、よい水質に住むニゴイはおいしいと言われています。現在市場に流通することはほとんどありませんが、滋賀県の一部の地域では、食用として安く流通しています。
ニゴイの栄養
ニゴイの身は、DHAやEPAが多く含まれており、肉質は良質なタンパク質です。DHAは、動脈硬化の予防に効果があると言われ、近年注目を集めている栄養素です。DHA・EPAは、健康な生活に欠かせない重要な栄養素ですが、人の体内では生成できないため、食べ物で補う必要があります。マグロなどの青魚に多く含まれていますが、実はニゴイもこれらの栄養素を多く含む魚です。
ニゴイの捌き方
ニゴイの捌き方は、鯉とほぼ同じです。生きている場合は暴れるので、まず気絶させてから捌きます。3枚におろして内臓を取り除きますが、この時流水でよく洗うことで、臭みを抑えることができます。その後皮を引きますが、皮はかなり固いので注意が必要です。ニゴイは小骨が多いので、しっかりと骨切りをした方がよいでしょう。
ニゴイの料理
揚げ物がおすすめ
ニゴイは小骨が多いため、唐揚げとして食べるのが一番食べやすく、またおいしく食べることができます。作り方は簡単で、3枚におろして骨切りしたニゴイに、醤油、酒、しょうがで下味をつけ、片栗粉をまぶして揚げるだけです。小骨や臭みもほとんど気にならず、ニゴイの味を楽しむことができます。レモンやゆず、ネギなどの薬味を添えることで、お酒にも合う贅沢な一品料理が完成します。
さまざまな調理方法
揚げ物だけでなく、煮込みや天ぷら、塩焼きにする場合も多いようですが、小骨が多いため敬遠する人もいます。もちろん刺身として食べることもできますが、その場合は寄生虫に十分注意しましょう。また最近では、すり身を団子にして鍋にいれたり、アヒージョにして食べるといった方法もあります。
もともと味はよいので、「小骨が多い」という問題さえ解消されれば、調理の幅が広がります。すり身にする、油で揚げるといった工夫を加えることで、よりおいしくニゴイ料理を楽しむことができます。
ニゴイの飼育
実は、ニゴイは飼育することもできます。
鑑賞魚としてのニゴイ
顔が気持ち悪いといわれることもあるニゴイですが、「よく見るとかわいい顔をしている」「ブサかわいさがクセになる」との声もあり、飼育用としてひそかに人気を集めています。ニゴイは水質の悪化に強く、たいていの環境でたくましく生息できる魚なので、とても育てやすい魚です。ニゴイの稚魚を釣ってしまった時は、リリースしてもよいですが、飼育にチャレンジしてみるのも楽しいかもしれません。
ニゴイの飼育方法
ニゴイはかなり大きくなるので、大きな池や水槽の用意が必要です。水温は20度から25度に保ち、水流を作ります。底は砂利や砂を敷きましょう。アカムシや沈下性の人口餌が最適です。大きくなるとなんでも食べてしまうので、口に入るサイズの魚とは混泳できません。遊泳力が高く、跳ねることもあるので、飛び出し防止の蓋やネットを取り付けた方が安心です。
まとめ
釣りの対象としても、飼育の対象としても、多くの魅力に溢れているニゴイですが、まだまだマイナーな魚です。ニゴイ専門の釣りのノウハウもまだ少なく、自分なりの釣り方を探求する楽しみがあります。「ニゴイは外道」というイメージを捨てて、ぜひ一度、ニゴイ釣りに挑戦してみてはいかがでしょうか。