クローズドセル構造は、発泡スチロールなどに断熱性をもたらしている構造です。フォーム内の空気の部屋(セル)が一つ一つ独立しており、その中に空気を保持しているため、空気の断熱性が得られるという仕組みになっています。
クローズドセルと対立する構造として「オープンセル」という構造があります。この構造は、フォームの中のセルが一つ一つ独立していないため、圧力をかけると空気が抜けていきます。いわばスポンジのような状態で、インフレーターマットの中のフォームなどはこの構造で作られているため空気を出し入れすることが可能なのです。
クローズドセルの断熱性能
エアクッションタイプのマットだけではなく、クローズドセル構造においても空気は断熱材として働いています。それでもエアクッションタイプの断熱性との違いが出てくるのは、空気を含んでいるセル以外の部分の断熱性能が空気の断熱性能に劣っているためです。
熱は、固体>液体>気体の順番に伝道しやすいため、クローズドセルのフォーム部分が多いほど、断熱性能は低くなります。
「初心者には発泡式マットがおすすめ」は果たして正解か?
キャンパーの間でまことしやかに言われていることが「初心者には発泡式マット」という決まり文句です。これは実際のところ正しいのかどうか、検証してみます。
「初心者は夏しかキャンプしない」が本当なら正解
おそらくこのような言われ方がするのには、「初心者(=ライトキャンパー)は夏場にしかキャンプしないである」という先入観が関係していると思います。秋冬などのハードな季節でも好んでキャンプをするヘビーキャンパーと異なり、キャンプをするうえで最も負担の少ない季節にのみキャンプをするのが初心者キャンパーだと考えられているため、それなら発泡式マットで十分というのが言い分でしょう。
当然、初心者キャンパーでもオールシーズンキャンプを楽しみたいという方でしたら話は別です。R値の高いアイテムを用意しなければ寒さに身を震わせることになってしまいます。
「初心者はキャンプ用品にお金をかけられない」が本当なら正解
これも、「初心者≒ライトキャンパー」であるという先入観が問題になります。夏場などにいわゆる「ちょっとした娯楽」程度にキャンプを楽しむという方であれば、キャンプ用品にそこまでお金をかける必要はありません。
しかし、もしも「キャンプをこれから積極的に楽しみたい、一生の趣味としてアイテムをそろえていきたい」と考える人ならお金に糸目はつけません。「もしも、とりあえずキャンプ用品一式そろえたいけれどお金が・・・」という方であれば発泡式マットを選択することを考慮したほうが良いかもしれませんが、予算の心配がないのならば、自分のキャンプシーンに合わせてマットを選ぶということが優先されます。
初心者でもきちんと調べて必要なアイテムは準備しましょう
初心者であるとかそうでないとか関係なく、アウトドアアイテム選びは「自分の使用シーンに合っているか」ということが大切な判断基準です。上で述べているように、予算の心配などがある場合には、汎用性の高い発泡式マットをとりあえず買っておくという選択肢もありますが、そうでなければ自分に合ったものを選んで購入すること。
ベテランさんでも、登山をメインでする人ならば発泡式マットを使いますし、初心者でもキャンプがメインで予算に心配がない方なら快適なエアマットを選ぶ、というそれぞれの必要に応じたアイテム選びが大切なのです。