燻製器を自作したい!条件は3つ
燻製は食塩水などにつけて下ごしらえした食材を煙で燻して作ります。もともとは食品を保存するための調理法ですが、自家用では味付けや風味付けが目的となる場合が多いようです。自作の燻製器には、手軽にできるものから、本格的なものまでさまざま。難しそうですが、実は3つのポイントさえ押さえていれば簡単に製作できます。
①煙をうまくこもらせること
燻製に欠かすことのできない煙。この煙によって、食材に燻製独特の香りと味が付きます。また、煙の成分により、腐敗しにくくなり、殺菌効果もあります。この薫煙をいかに密閉した中に閉じ込めて、食材にまとわり付かせるかがポイントです。容器を密閉して煙を外に逃がさない工夫が必要です。
②熱源を確保すること
燻製を作る時の煙の出し方には、大きく分けて2種類あります。煙の元となる木に直接火をつけて煙を出す方法と、コンロなどで加熱して煙を出す方法です。直接火をつける場合はライターやバーナーなどを使用すればよいのですが、加熱して煙を出す方法ではガスコンロや電熱器、炭火などの熱源が必要です。
③食材を置ける・吊るせること
燻製を作る食材を置くところ、または吊るせるところが必要となります。食材は煙がスムーズにまんべんなくあたるように、網にのせたり吊るしたりします。煙の出るところの上に網を固定して置いたり、食材を吊るすフックを設置したりする必要があります。
自作の燻製器はアウトドアで活躍
燻製を作るには煙は欠かせません。屋内では排煙に気を使いますし、部屋に燻製の匂いが残ってしまいます。燻製を作るにはキャンプなどのアウトドアが最適です。しかも、自作の燻製器は小型であったり、簡易的なものであったりと、持ち運びに便利なものが多いのでキャンプにぴったりです。のんびり燻製料理を作るのもキャンプの楽しみの一つです。
100均アイテムで燻製器を自作する
高価なイメージの燻製器ですが、「煙をうまくこもらせること」「熱源を確保すること」「食材を置ける・吊るせること」以上の3つの条件を満たせば100均アイテムを使って数百円からでも燻製器が作れます。煙の管理さえしっかりできれば100均アイテムで作ったとは思えないほどのおいしい燻製ができます。
こんな人におすすめ
燻製にチャレンジしてみたいけど失敗したらどうしようと思っている燻製初心者の方、高価な燻製器を買うのはちょっと敷居が高いですよね。そんな方に100均アイテムの燻製器はおすすめです。また、燻製作りに慣れた方でも100均アイテムの燻製器を使えば、普段の料理にちょっと1品燻製をプラス、というように気軽に燻製を楽しめます。
100均アイテムで作るメリット
100均アイテムで作る燻製器の一番のメリットは、値段が安いということです。数百円から作ることができ、十分燻製の味を楽しめます。また、燻製器には匂いや色が付き、加熱するところが劣化します。100均アイテムなら買い替えも気軽にできます。
100均アイテムで作るデメリット
デメリットですが、燻製器が小さいことです。小さく持ち運べてお手軽に使えるといういい面もありますが、たくさんの食材や大きな食材を燻製するには不向きといえます。普段の料理には100均アイテム、パーティーや保存食用として大量に作る時は専用の燻製器と使い分けるといいです。
燻製器を自作!100均ボール編
100均アイテムのステンレスボールを使って燻製器を作ります。3つのアイテムで作るシンプルで値段も安い燻製器です。100均のボールですので比較的小さくコンパクトなサイズで、キャンプなどへ持ち運びも便利です。
必要なもの
- ステンレスボール2つ、丸網、アルミホイル
ステンレスボールは同じ大きさのものを2つ、できるだけ大きなものを用意しましょう。丸網はボールの直径よりも少し小さく、ボールに入るくらいがいいのですが、なければ焼き網でもかまいません。
燻製器の作り方
ステンレスボール1つの底部分にアルミホイルを敷きます。その上に丸網を入れます。アルミホイルと丸網の間に隙間ができる状態です。もう一つのステンレスボールをさかさまにして蓋をするように上に被せます。アルミホイルの上にスモークチップ、丸網に食材をのせ、ボールの下からコンロなどの熱源で加熱します。
手ごろな丸網がない場合
ステンレスボールに入るような丸網がない場合は、普通の焼き網で代用できます。ボールとボールの間に焼き網を挟むように置いて、食材は焼き網の上に乗せます。隙間ができてしまうのでアルミホイルで塞ぎます。
燻製器を自作!100均スポンジ型編
100均アイテムのスポンジ型と粉ふるいを使った燻製器です。まるでケーキを作る時の調理器具ですが、しっかりした燻製器にもなります。こちらも熱源以外で500円程度という価格で作れる安さです。粉ふるいを複数用意すれば何段にもできます。
必要なもの
- スポンジ型、粉ふるい、鍋またはフライパン、鍋またはフライパンの蓋、アルミホイル
スポンジ型、粉ふるいは直径が同じサイズのものを選ぶのがポイントです。なければ粉ふるいの方が大きいものを選びます。鍋またはフライパンはスポンジ型と同様か大き目のサイズを選びましょう。
燻製器の作り方
基本的に熱源、チップ、食材、蓋とタワーのように重ねていきます。まず鍋底にアルミホイルを敷き、鍋の上に底を取ったスポンジ型を置きます。その上に粉ふるい、そして蓋をします。鍋とスポンジ型、粉ふるいの隙間をアルミホイルで塞ぎます。これは倒壊防止にもなります。
スポンジ型の燻製器の使い方
鍋底のアルミホイルの上にスモークチップを置き、鍋の底からコンロなどの熱源で加熱します。食材は粉ふるいの網の上へのせ蓋をします。蓋と粉ふるいの隙間が大きく開くようでしたらアルミホイルで塞ぎます。この燻製器の特徴は粉ふるいを複数重ねることもでき、1段目は肉類、2段目ははチーズというように、多くの食材が一度に調理できます。
燻製器を自作!100均ケーキ型編
ケーキ型と粉ふるいを使った燻製器です。100均のケーキ型もシリコンやアルミホイルなどいろいろありますが、ステンレスなど直接火にかけられるものを選びます。できればテフロン加工されているものがあればお手入れも簡単です。
必要なもの
- ケーキ型、粉ふるい、ボール、アルミホイル
ケーキ型は粉ふるいよりも大きめのものを用意します。ボールはケーキ型と直径が同じものを選ぶのがポイントです。ボールは蓋として使用しますので、100均で売っている鍋蓋の取っ手を取り付けると便利です。
燻製器の作り方
ケーキ型の底にアルミホイルを敷き、粉ふるいを逆さにして被せます。ケーキ型にボールを逆さにして蓋をすれば出来上がり。ケーキ型と蓋にしているボールに隙間ができればアルミホイルで塞ぎます。アルミホイルにスモークチップ、粉ふるいの網に食材をそれぞれのせて、ケーキ型の底からコンロなどの熱源で加熱します。
燻製器を自作!100均土鍋編
100均のアイテムで小さな一人用の土鍋があります。土鍋や中華鍋などはもともとスモーク料理を作るのに適していますので、100均の土鍋でも同様に燻製器を作ることができます。しかも非常に簡単です。
必要なもの
- 土鍋、網、アルミホイル
主な材料は土鍋と網の2つだけというシンプルな材料です。土鍋には蓋も付いているのでとても便利に利用できます。網は丸網でも焼き網でもかまいません。土鍋よりも少し大きめのものを用意しましょう。
燻製器の作り方
土鍋の底にアルミホイルを敷き、スモークチップをのせ、さらに土鍋の上に網を敷き、食材を乗せ蓋をします。土鍋と蓋で網を挟んだようになります。網と蓋の隙間をアルミホイルで塞ぎ、土鍋をコンロなどの熱源で加熱します。
燻製器を自作!ダンボール編
ダンボールを使った簡易の燻製器が市販されているように、ダンボールは加工しやすくどこでも手に入るので燻製器を作るのにおすすめです。また、燻製器を好みのサイズに作れるのも特徴です。ダンボールを使った燻製器は、燻製器の3つの条件さえ押さえておけば、いろいろな作り方が試せます。自身にあった燻製器を作ってみましょう。
こんな人におすすめ
材料も手軽に手に入り、その他の材料も安価で作ることができます。燻製初心者の方でもチャレンジしやすいです。加工がしやすいのでお子さんなどと一緒に制作できるので、ご家族やグループにもおすすめです。食材の仕込みによっては本格的な燻製もできるので、上級者でもダンボールを使った燻製器を使っている方がおられます。
ダンボールで作るメリット
一番のメリットは手軽に手に入るという点です。安価でいうと100均アイテムで作るのと変わりませんが、ダンボールの燻製器のほうが大きく、さまざまな食材に対応できます。はさみ、カッターナイフ、ガムテープといった簡単な工具で加工がしやすいのもメリットです。また、折りたためば持ち運びも簡単で、汚れたら処分もしやすいです。
ダンボールで作るデメリット
ダンボールですから火がつきやすく、その点を気をつけなければなりません。ガスコンロや炭火などは危険のため使用しません。風などでダンボールが倒れる場合もありますので、火をつけている間は近くにいて監視が必要です。
必要なもの
- ダンボール箱、網、割り箸(竹串)、アルミトレイ、ガムテープ、吊り金具(S字フック)
網は横にしてちょうどダンボールに入るものがベストですが、少し小さくても大丈夫です。割り箸(竹串)は網を固定するものですので、同じような棒などで代用できます。吊り金具(S字フック)は食材を吊るす時に使用しますのでなくても大丈夫です。
燻製器の作り方①網の位置を決める
ダンボール箱に網を取り付ける位置を決めます。大きなダンボール箱ですと、2段3段と取り付けることもできます。網の位置を決めたら、その高さの四隅に斜めになるように割り箸を刺します。割り箸の上に網を載せます。網を水平に設置するのがポイントです。
燻製器の作り方②スモークウッドの設置
段ボール箱の燻製器ではスモークウッドに直接火をつけて煙を出します。ダンボール箱の底面を切り取り、アルミトレイを敷いてその上にスモークウッドを設置します。ゴトクなどでスモークウッドの熱をダンボールに移らないようにすれば、ダンボール箱の底を切り取る必要はありません。
燻製器の作り方③密閉
スモークウッドに火をつけ、網に食材をのせたら密閉をします。ダンボール箱の蓋を閉じて、ガムテープを張ります。ダンボールとガムテープは相性が抜群。ダンボールの隙間や補強にもガムテープで対応できます。
燻製器の作り方④吊り金具(S字フック)の設置
大き目のダンボール箱なら細長い肉や魚を吊るして設置することもできます。網を高いところに設置して、その網に吊り金具(S字フック)を引っ掛けて食材を吊るします。吊るした食材から水分が垂れますので、食材の下方にももう一枚網を設置し、アルミトレイなどを敷き垂れた水分を受けます。ダンボールですが、かなり本格的な燻製が楽しめます。
燻製器を自作!一斗缶編
一斗缶を使った燻製器です。ダンボールよりも耐久性があり、直接火の上に置くことができます。手ごろな大きさで、比較的安価で手に入り易く、加工もし易いので燻製器を作るのに便利です。DIY感覚で燻製器を作ってみましょう。一斗缶を使った燻製器は、作り方によっては本格的なものができますが、ここではシンプルなものを紹介します。
こんな人におすすめ
ベーコンなど本格的な食材を燻製にしてみたいというような、何度か燻製を作ったことのある中・上級者におすすめです。また、一斗缶の燻製器は繰り返し使えますので、定期的に使用される方にもおすすめです。
一斗缶で作るメリット
手軽に作れるのに耐久性があり、何度でも繰り返し使えるという点です。材料も安価ですし、知り合いに一斗缶を使うようなお店の方がいれば、もらうこともできます。また、大きさも手ごろで、網を置くところも2段は作れますし、食材を吊るすこともできます。
一斗缶で作るデメリット
一斗缶で作る燻製器の一番のデメリットは、使わない時の収納です。分解したり、折りたたんだりすることができないので、使わない時は一斗缶の大きさのまま収納することになり、それなりのスペースが必要です。
必要なもの
- 一斗缶、網×2枚、ボルトとナット、吊り金具(S字フック)
何かの容器として使用されていた一斗缶を使う時は、洗浄して、中の汚れを十分に落とします。網は一斗缶に入るサイズのものを用意します。材料以外にも電動ドリル、ペンチ、ドライバーなどの工具が必要です。網の枚数、吊り金具(S字フック)は必要に応じて用意してください。
燻製器の作り方①空気穴を開ける
一斗缶の下側に空気の通り道を作ります。一斗缶の側面の下部分に、一面4ヶ所から6ヶ所の穴をドリルで開けます。一斗缶の底でスモークチップを燃やすので、空気が入ってこないとうまく煙が出ません。
燻製器の作り方②網の位置を決める
網の位置を決めます。およそ一斗缶の三分の一ところ二箇所に網をそれぞれ置くことにします。位置を決めたらその場所の同じ面に2箇所穴を開けボルトを外から通しナットで固定します。内側に出たボルトの上に網を置きます。網の大きさによってボルトの長さを決めます。
燻製器の作り方③熱源のセッティング
一斗缶の底にスモークチップ、網に食材を置き上部に蓋をします。一斗缶を直接ガスコンロなどの熱源の上に置いて加熱します。高さがあり、倒れる危険がありますので、コンロや一斗缶を置く時は地面やテーブルの安定したところでセッティングしましょう。
燻製器の作り方④吊り金具(S字フック)の設置
肉や魚を吊るして設置することもできます。食材を吊るす場合は、上側の網の位置をなるべく上の方へしましょう。その網に吊り金具(S字フック)を引っ掛けて食材を吊るします。吊るした食材から水分が垂れますので、食材の下方の網にアルミトレイなどを敷き垂れた水分を受けます。
燻製器を自作!コンパネ編
ホームセンターなどで購入することができる板、コンパネを使って燻製器を作ります。基本はコンパネで密閉できる箱を作って、網を設置するだけなのですが、作り方によっては大きく本格的な燻製器を作ることもできます。ここではシンプルな作り方を紹介します。