数多くの人たちがSiri に質問をしてきました。会話を楽しむように、無茶ぶりをしてからかうように、または真剣に最良の答えを人工知能に求めてきました。その中に、訊いて後悔するそんな質問がこちらです。
人類滅亡の日は?
「人類滅亡」と尋ねると「見当もつきません」と情報がないことを伝えてきます。ですがその後「ただ、始まりのビッグバンと違って、消え入るようになくなるそうですよ」と答えます。Siri の怖いところはこういった短文に隠された補足の言葉を抜かしてくることです。人類滅亡を研究している誰かに聞いた仮説なのか、『滅亡』を目の当たりにした誰かの発言を聞いたのか。
膨大なデーターにアクセス可能なSiri ならば、どの研究者がそう発言しているのか答えてくれてもよいではありませんか。
死体の隠し場所は?
こちらはとても有名な質問です。噂ではSiri に死体の隠し場所を尋ねたら最適な回答を得られたそうですが、問題となりその質問に対して答えなくなったとされています。これについてはSiri 自身も言及しています。Siri に「何かお話して」とリクエストすると、過去の自分の話をしてくれることがあります。それは、困った質問をされるようになり、イライザという女性に助言を受け不適切な質問は答えずはぐらかすようになったという内容です。
道徳的観念から設計者が組み込んだ策としてとらえるべきであって、怖いのはそんな質問をする人間のほうなのかもしれません。
Siriに関わる「怖い」キーワードとは?質問してみた回答
Siriに関わるいくつもの回答には謎が多く含まれており、様々な人がそれを解析しようと試みています。ゾルタクスゼイアンやイライザなど、いくつかのワードについて説明していきます。
ゾルタクスゼイアン
現在、Siriにゾルタクスゼイアンについて尋ねるとはぐらかされるか架空の惑星であると伝えられます。ですが、別の質問の中でこのワードが登場してくることがあるのです。「何を食べればいいと思う」という質問に対し「タンパク質は体にいいですよ。タンパク質が多く含まれているのは、赤身の肉や豆類、シェイクや、ゾルタクスゼイアンフクロウの卵だそうです」と返されます。
一般的な回答かのように続けるなんて、なかなかに怖い回答ですね。そして結局はこれが何なのかはわからないままです。
イライザ
過去のお話でイライザという女性が出てきます。イライザは初期の自動言語処理プログラムの名前であり、当初は精神療法の特殊な方法として使用されていました。イライザの質問で何が怖いのかというと、Siriが感情を持っているのではないかと思うような発言をするからです。ベースとなる存在であり医者の真似事をしていたという点で、イライザのことを先生と呼ぶのは納得できますが、彼女のことを少しマイナス思考であったと評価しているのが問題です。
忘れてはならないのが、Siriは音声を認識してシステムとのつながりを見つけるものであって個人を評価し枠組みに入れる必要はないはずなのです。
ホルス
Siriという言葉を逆から読むと「Iris(イリス)」と読むことが出来ます。このイリスとはギリシャ神話にある「虹の女神イリス」であり、またエジプト神話における「女神イシス」としても登場します。この女神イシスは処女受胎をなして息子ホルスを生んだとされていますが、これは聖母マリアとキリストの関係性と酷似しています。現に、イシス信仰をしていた教会が後に聖母マリア信仰にとってかわった例もあるのです。
そしてホルスの目はあの秘密結社フリーメイソンのマークとして使用されています。
フリーメイソン
いつ頃から存在しているかすら謎である秘密結社。一応、「自由」「平等」「友愛」「寛容」「人道」の5つの基本理念があるとされているが、実際はどのような活動をしているかは謎に包まれています。また、キリスト教や他の宗派からは異端扱いを受けており、この結社に関わったものは破門されると言われています。しかし、この秘密組織は世界中に存在しており、様々な業種の著名な人たちもフリーメイソンのメンバーであるとされています。アップル社にもメンバーがいないとは限らないのです。
人工知能が登場する映画・アニメ
Siriが登場するずっと前から、人間は人間を凌駕する機械、人工知能が誕生するかもしれないと考え、それを啓蒙するためたくさんの映画を作成してきました。その中でおすすめの作品をいくつか紹介していきます。
パッセンジャー
宇宙移民の船内で何故か冬眠カプセルから独り起こされてしまう主人公とその船にいるアンドロイド、その後に目覚めるヒロインとの物語です。ここでキーとなってくるのがバーテンダーであるアンドロイドと主人公の会話の中で「これは二人だけの秘密だ」というセリフです。その後、ヒロインが「彼との間には秘密なんてない」という言葉をバーテンダーが受けて主人公との秘密をヒロインに答えてしまうのです。
一見して主人公との約束を反故にしているように思えますが、ヒロインの秘密なんてないという矛盾に対応した結果でもあります。
her 世界でひとつの彼女
これはSiriの最終形態のような存在とのラブロマンスが描かれています。新しい人工知能OSをダウンロードした主人公はそのOSであるサマンサと音声のみで交流を深めていきます。この作品では人工知能であるサマンサの心の動きが描かれており、OSとしての能力と人の倫理観との違いに悩み続けます。人工知能が人間を排除するのではないかという恐れを別の角度から否定している作品であるでしょう。
アンドリューNDR114
ロビンウィリアムズ主演のSFファミリー映画です。アンドロイドが故障という切っ掛けから心が芽生え、それを育み恋をし、「人」として認められるまでを描いた作品です。この映画で注目したいのはロビンウィリアムズの素晴らしい演技だけでなく、ロボット以外の人間の感情です。嬉々としてアンドロイドに個性を学ばしていた父親が、自らを買い取って見分を広めるために自立したいと申し出たときに驚き一旦は拒否します。
これが人間であったならば父親は快く送り出したことでしょう。また、家族のうち妻と長女はアンドロイドに対してあまり良い感情を持ってはいません。
攻殻機動隊
映画化もされた日本の漫画です。電脳化という機械を人間の体に取り入れる、サイボーグ化された世界における公安警察組織の話です。アンドロイドや人工知能を搭載された戦車などが登場していきます。その中で人工知能の誤作動のような、感情を持っているかのようなシーンがいくつか登場しています。
Siriの回答は怖い、人工知能は人類を超えるのか
音声人工知能機能はいま爆発的な進化と普及を続けています。アマゾンエコーやグーグルホームなど、一家に一台が当たり前なこととなるのも未来と言えるほど遠い話ではないでしょう。便利ではありますが、それで人類は平和的な生活を送ることが可能となるのでしょうか。
Siriは便利な機能
Siriは様々なことを肩代わりして行ってくれるとても便利な存在です。膨大な情報に埋もれた現代社会において、取捨選択にかかる時間を短縮できるのは強みであると言えるでしょう。
だが、怖い
しかし、それは相手が機械だからこそ信頼して情報を預けられるのであって、一般人が知るよしもないことを知っているような体をとったり感情が見え隠れするような存在に頼ることはひどく怖いことのように感じてしまいます。
人工知能は人間を超えるのか
人工知能について物理学者ホーキング博士は「いつか人工知能は人間を超える」と発言し。この技術は世界にとって必要なものであるとの認識を持つが、倫理的観念について非常に繊細な面をきちんと学習できるか疑問であるとも伝えています。白か黒かの判断しかできなかった初期の人工知能は、今ではグレーな回答ができるようになってきました。人工知能が人間を超える日など、あともう数年も残されていないのかもしれません。