キロネックスとは
まず魚やクラゲの界隈に詳しくない方にとってはキロネックスというクラゲの名前を言われてもどんな魚なのかはわからないかと思われますが、海水浴に行くときには危険生物として知っておくべき種です。ですので、最初にこの魚がどういった特徴を持っているのかについてご紹介しておきましょう。
世界最悪の殺人クラゲ
見出しにありますように、このクラゲは世界で最も凶悪で殺人的な種として広く知られているのです。名前は正式にはオーストラリアウンバチクラゲといい、英語ではシーワスプ、直訳すれば海のスズメバチという意味になりこの名前の意味からでも非常に危険であるということがうかがい知れるでしょう。
これまではオーストリアなどに生息
日本でも生息が確認される前までは、オーストラリアの北側の海岸だったり太平洋の西側で主に発見されていました。オーストラリアでは海水浴場でも出現しているようで、人間の活動する場所でも確認されたために非常に警戒される魚の1種でした。日本ではまだ海水浴場まで出現したという報告は無いようです。
刺されるとこんな被害が・・・
このクラゲが人間にとって脅威とされているのは、持っている毒によるものです。触手にある毒針で刺されてしまうと心臓や神経などに強く影響を及ぼし、刺された箇所は赤黒く変色してしまいます。更に刺される時には非常に強い痛みを伴い、あまりに痛いためにそのままショック死したり、心臓麻痺をしてしまったりといったケースもあるのだとか。
なんと日本にも!
ご紹介している魚について物騒な名称がつけられている理由や刺されたときの被害について簡単にご紹介しました。これほど恐れられている個体が海外にいたこと自体も驚き、恐るべきことであるのに違いはないのですが、さらに驚くべきことになんと日本にもその魔の手が及んでいるのだそうです。
日本での発見例
われらが日本国内でもこのクラゲが発見されており、場所としては明らかにここという地域は公言されてはいませんが日本の近海には間違いなく生息しているのが分かっているのだそうです。今まで海外のみで発見されていたのに、なぜ今日本でも生息が発見されるようになったのでしょうか。続いてはその原因についてです。
温暖化の影響でやってきた
何故このクラゲが日本にまでやってきてしまったのか。それは世界規模の環境問題である地球の温暖化が原因なのではないかとされています。温暖化によって気温が上昇し、世界的に海水の温度も上昇することによって日本の近海も今までの生息地域のそれに近い状態に。結果あのクラゲが近海まで来てしまったようです。
刺されたら1分で死亡!?
何度もご紹介していますとおり、今回取り上げているクラゲは非常に津代毒を持っておりその毒性は世界でも最強クラスとされているほどです。そして実際に被害に遭われている方も少なからずいるのですが、この毒が実際に被害に合ったときにどれほどに強力なものなのかについて見ていきましょう。
手はなんと60本
このクラゲには、触手となる部分がなんと60本もあります。これだけでも十分な脅威とみなされるでしょうが、しかもこの60本がすべて扇状に長くなっておりその長さは4メートル以上にもなるのです。触手だけで人間の体調を大幅に超えていますので、全身に絡みつかれてしまうという最悪の可能性も考えられます。
驚異的な毒性
そして驚くべきはその毒性で、この60本の触手1つ1つになんと50億にも及ぶ毒針が仕込まれていてこれだけで人間60人分を殺傷しうるほどなのです。更には一度刺されてしまえば最短で1分のうちに絶命してしまうほどに強力無比なものとなっており、まさに最も凶悪な種と言われるのにふさわしいです。
ちなみに、このクラゲは学名で「キロネックスフレッケリ」と命名されています。こちらを直訳してみると殺人の魔の手と訳すことができ、ご紹介している毒性を表している名前となっています。海のスズメバチとも魔の手とも称されているこのクラゲがいかに恐ろしい個体であるかがうかがい知れるでしょう。
もし刺されたら?
今までは外国でのみ発見されていましたが、ご紹介していますとおり最近になって日本の近海でも見られるようになってきたため私たち日本人も他人事ではすませられなくなってきています。では万が一この個体に刺されてしまった場合、そして刺されないようにどんな対策をするべきなのでしょうか。
昼間に活動する
まず、このクラゲは昼の間に活発に活動しています。そのためこのクラゲの活動をしている時間帯に海に入ったりすることさえしなければ、まず被害にあってしまうようなことは無いでしょう。海水浴は大抵昼間にやることですので、近くに生息が確認されている海水浴場で泳ぐ場合は細心の注意が必要です。
衣服着用も効果あり
このクラゲに刺されて被害にあってしまっている方は、足や腕などといった肌を露出している箇所が被害に遭った箇所となっています。持っている毒は肌を通して心臓だったり神経や皮膚細胞に影響を及ぼしますので、長袖長ズボンなど衣服を着用していれば被害を軽減することに繋げることができます。