本当にあったヤマノケの話
みなさんは「ヤマノケ」の話をご存知でしょうか。平凡な親子が、とある山道をドライブしている時に体験した、なんとも気味の悪い恐怖体験。当事者の男性がインターネット上で語り、多くのオカルトファンによって拡散され有名な話となりました。
ヤマノケは2chで有名な怪談話
日本最大の電子掲示板2chには、日本中から、不思議で不気味なオカルト体験が日々書き込まれています。この話は、2chの中でも長い間語り継がれている恐怖体験。リアルな描写と、未解決のまま書き込みが終わっている点が、後味が悪くなんとも気味の悪い話です。
ヤマノケの話とは?
ある親子がドライブを楽しんでいました。父親のイタズラ心から、娘を少しだけ驚かそうと、舗装されていない山道へと進みますが、突然車が動かなくなってしまいます。疲れて寝てしまった娘と共に、一夜を車内で過ごそうとしたに男性に「ソウ・テン・メツ…」と、音とも声ともつかない言葉が聞こえてきます。すると白い体に一本足という異様な姿をした何かが手を異様にバタつかせ、まるでケンケンをしているように近づいて来るのです…。
男性は叫びたい気持ちをぐっと堪え、やがてソレは通り過ぎたようでした。しかしふと娘を見やったその時、助手席の窓の外に「ニヤニヤ」と気持ち悪い笑みをたたえ、娘を見つめる顔が。「この野郎!」と叫んだ瞬間、娘がビクッと体を跳ねさせます。驚かせてしまったかと娘に詫びようとするも、「ハイレタハイレタハイレタ…」と呟く娘。そして、まるであの化け物のように「ソウ・テン・メツ…」を呟きだします。やっと動き出した車で近くの寺に駆け込むと、住職は「ヤマノケに憑かれたのだろう…」と。49日以内に祓えなければ一生正気が戻ることはないと言われます。「一週間経った今でもニヤニヤと自分を見る娘の様子は、あの時から変わがない…」というところで掲示板の更新は終わっており、その後娘さんがどうなったかは追記されていません…。
ヤマノケの姿かたち
その姿とは、私たちの理解には到底及ばないおぞましい姿だったそうです。体は真っ白。一本足で、こちらに向かってくる様は、まるでケンケンをしているよう。両手はデタラメにバタバタと激しく振り回して、おおよそ人間や、その他の動物とは思えない異様な形をしていたそうです。
ウルトラマンのジャミラ
姿形は、ウルトラマンに出てくる「ジャミラ」という怪獣のキャラクターに似ているとのこと。ジャミラと言えば、体色は白かグレーのような色。頭と首がなく、顔が胴体部分にあるのが特徴的です。ジャミラには両手両足がありますが、ヤマノケには足が1本しかない様子。
顔が胸の位置にある
ジャミラ同様頭と首が無く、胸の位置に顔が付いていたとのこと。私たちの想像を超える、何とも異様な姿をしているそうなのです。こんな姿形を持ったモノと、ある日突然遭遇してしまう事を、誰が予想出来るのでしょうか。
ニタニタ笑う顔
遠くからは頭が無いように見えたのに…。近くで見たソレは、人間の胸に当たる部分に顔が付いており、ニタニタと気持ちの悪い笑みを見せながら、助手席に乗っている女の子を覗き込んできたとのこと。
ヤマノケがつぶやく謎の言葉
ソレが近づいて来る時に、男性は奇妙なモノが聴こえてきたと言います。それが声なのか音なのか、よく分からなかったそうです。それは、「テン・ソウ・メツ」もしくは「ケン・ソウ・メツ」と聴こえたとのこと。そしてまるで人間の言葉のように「ハイレタハイレタハイレタ…」とブツブツと呟くと言うのです。
テン・ソウ・メツ
「テン・ソウ・メツ」とはまるで意味不明に聞こえますが、こういった考察もあります。「テン」は「転」、「ソウ」は「操」、「メツ」は「滅」ではないか。人の中へと転がりこみ、操り、そして滅ぼすという恐ろしい意味なのかもしれないと言うのです…。
ハイレタハイレタハイレタ
「ビクンッ」と体を跳ねさせた娘と、その直後窓の外から消えたヤマノケ。そして娘は、「ハイレタハイレタハイレタ…」と言う言葉をブツブツと呟き続けるようになります。これは、少女の体の中に入れたことを喜んでいる化け物の歓喜の言葉には思えないでしょうか。
ヤマノケの正体
正体については、色々な話が聞かれます。山の神なのではないのか?と言う意見。もしくは、飢饉による口減らしのために、犠牲にされた女性が化けたものという意見もあり、真相は分かってはいません。何にせよ、人に取り憑き体や精神を乗っ取る、悪しきものには変わりないでしょう。
女に憑く化け物
この話で実際に取り憑かれてしまったのは、男性が連れていた女児。様子がおかしくなってから駆け込んだお寺の住職からも、好んで取り憑くのは女性だけという話が出ています。取り憑かれた後は、49日以内に祓えなければ、一生正気が戻る事はないと言われています。
ヤマノケの起源は殺された女の子の霊
天明の大飢饉という、大規模な食糧難の時代がありました。ある日父親に「いいものを見せてあげようね」と連れ出された小さな女の子。大人しく付いて行くと、鋸を持った父親が泣き出します。その内狂ったように笑いながら、女の子の足に刃を立て、足を切り落とします。
そう、両親は自分たちの腹を満たすために、自分の娘を殺し肉を食べたのです。最後の親心なのか、切り落とし食べられたのは片足だけでしたが、出血多量で女の子は死んでしまいます。ヤマノケが片足なのは、この女の子が幸せに生きる子を羨み、憎んだ末に化け物として現れるようになったからだと言います。
ヤマノケの伝承が残る地域
Y県やI県をまたぐ山に、飢饉によって両親から殺され、その肉を食べられた少女が化け物に成り果ててしまったという伝承が残っているそうです。腹を満たすために自分の娘を食べるなど、今の時代ではあり得ない事。それほどの酷い飢えを、想像すら私たちには難しい事です。
ヤマノケが出る山はどこ?
Y県やI県をまたぐ、S山地という場所だという話があります。その場所では不幸な少女が化け物として変わり果てた「山の化」の伝承が残っているそうです。全身真っ白で何かを呟きながら近づいてくるソレと出逢ってしまった女性は、精神に異常をきたしてしまうとの事。
ヤマノケが出る場所
ヤマノケについて語った男性は、詳しい場所まで公表していませんが、ヒントを残しています。そこからネットの中では場所が限定されたようで、有力な場所が挙げられています。