太刀魚とはどんな魚?
太刀魚といっても食卓で出てくる太刀魚はすでに切り身になっていて、その全体を見ることはあまりありません。太刀魚はその漢字の通り「太刀」に似ていることや立って泳ぐ姿から太刀魚と名付けられました。その太刀魚とはいったいどんな魚でどのような生態なのでしょうか。詳しくご紹介します。
海のギャング~太刀魚~
海のギャングは太刀魚だけでなくウツボも同じよう呼ばれており、漁師が仕事の妨げになる生物を「海のギャング」と呼んだことがきっかけとなっています。太刀魚には鋭い歯がついており網を傷つけたりするためそう呼ばれています。最近ではダイバーが遭遇してはいけない生物も海のギャングと呼んでいます。
とてもおいしい魚
海のギャングと呼ばれている太刀魚ですが、その身はとてもおいしいです。旬は長く、夏の太刀魚は特に安定して脂がのっていてとてもおいしいです。太刀魚はうろこのかわりにグアニンでおおわれており、無味無臭。骨も柔らかく見切れもよい。塩焼きやソテーなどで食べるととてもおいしく食べられます。
泳ぐ太刀魚を見てみよう
太刀魚が立って泳いでいるのが分かりますよね。なぜ立って泳ぐのかというと、餌を狙うために立って泳いでいます。その為太刀魚が立ち泳ぎをしている海域は、餌の小魚が集まりやすい流れが緩やかな場所が多く、海流が早い場所ではほかの魚と同じように泳いでいます。
太刀魚の生態
太刀魚は世界中に分布ており、日本でもほぼ全国で生息しています。太刀魚は水深約400mの泥底辺りに群れをなして生息していますが、時々河口など汽水域まで来たりします。産卵期は6月から10月と長いためよくメスの太刀魚が釣れます。太刀魚の寿命は5年から7年でオスよりメスのほうが大きいです。
太刀魚の分類
太刀魚はスズキ目サバ亜目タチウオ科に属しており、回遊魚です。大きいもので全長200m超、重さ5kgのサイズもあがっており、鋭く発達した歯があります。体はとても平たくて日本刀のように細長いです。また太刀魚にはうろこがなく、「グアニン」という銀色の色素で覆われています。このグアニンは指で触っただけですぐに取れてしまいます。
太刀魚の生息地
太刀魚は世界中の熱帯、温帯の地域に分布しており、日本では北海道から九州までほぼ全域に生息しています。産卵期は6月~10月でこの時期の太刀魚は脂ものっており、その身はとても美味しいです。幼魚のころは甲殻類のプランクトンや小さな魚を捕食しており、大きくなると鋭い歯で小魚を捕食するが、時にはイカや甲殻類までも捕食します。
太刀魚の習性
太刀魚は回遊魚で夜行性、アジやイワシといった小魚を食い荒らす「フィッシュイーター」といった習性があります。太刀魚は日中、沖の深い水域に潜んでおり、日が暮れてくると浅瀬に移動し、暗くなるといったんその場の深いところへ潜りますが、明け方になってくると再び浅瀬に移動してきます。
太刀魚の特徴
太刀魚の特徴といえば日本刀のような細い体でうろこがなく、鋭い歯を持ち小魚を立ち泳ぎで捕食します。他の魚では見られない立ち泳ぎをするので太刀魚は自分よりも上にあるルアーなどに興味を持ちます。また太刀魚には太刀魚に似た「テンジュクタチウオ」という魚もいます。
立ち泳ぎで捕食する
太刀魚は日本刀のような体でタチウオと呼ばれているほかに、「立って泳ぐ」という意味でも太刀魚とも呼ばれています。頭を上に、尻尾を下にして泳ぎながら獲物を待ちます。獲物を見つけたら狙いを定め、勢いよく獲物を鋭い歯でかぶりつきます。泳いでいる姿はとても優雅ですが捕食シーンは狂暴です。
見た目も怖い鋭い歯
太刀魚は立って泳ぐほかにも鋭い歯を持つのも有名です。その鋭い歯で噛まれたらケガをするのは間違いないので、釣り上げた太刀魚を持つ際は注意が必要です。素手で持つのは控えて、太刀魚専用の「太刀魚バサミ」などを使うことをお勧めします。手袋などを付けて背中側から首辺りをつかむように持ちましょう。
テンジクタチウオとの違い
太刀魚に似た「テンジクタチウオ」という魚がいます。テンジクタチウオは太刀魚よりも「天竺」(熱帯域)の水域に生息しており、日本では屋久島南部や奄美大島北部近海、沖縄、宮崎などに生息しています。太刀魚との違いは、口の下の部分、舌のようなところが太刀魚は黒っぽく、背びれや目の色が透明です。
それに比べてテンジクタチウオは淡い色合いで背びれや目の色が黄緑がかっています。どちらも味は変わらず美味しく、スーパーではどちらも太刀魚として売られているので、気が付かないこともあります。ですが築地などでは太刀魚よりも高値で取引されています。知っている人は好んで選んでいる方もいます。
太刀魚を美味しく食べよう
夏に旬を迎える太刀魚は脂ものってとてもおいしく食べることができます。釣ってすぐに締めて持ち帰れば家庭でも美味しく食べれます。刺身はもちろん、塩焼き、煮付けなど食べ方は様々あります。今回はおすすめの太刀魚レシピをご紹介します。
太刀魚の塩焼き
太刀魚といえば定番の料理、塩焼きです。太刀魚といえば塩焼きでしょう、と思うくらい塩焼きは太刀魚料理では定番ですね。作り方も簡単で高めの位置から塩を振り、グリルで焼きます。そのまま食べるのもいいですが、レモンなどを絞って食べるとさっぱりとして違った味わいになります。
太刀魚のムニエル
太刀魚はの魚でクセも少ないため、ムニエルにしてもとてもおいしく食べることができます。塩コショウでした味を付けた太刀魚に片栗粉を全体にまぶして、焦げ目が軽くつくくらい焼き上げます。レモンソースなどをかけて食べるとお店で出てきそうな一品になります。
太刀魚の煮付け
どの魚も煮付けは美味しいですが、太刀魚も美味しい煮付けにすることができます。いつもの魚の煮付けに味付けで太刀魚を煮ましょう。煮付けにすることで、骨まで柔らかくなるので、小さなお子様も安心して食べることができます。シンプルな味付けがご飯に合いますね。
太刀魚の蒲焼き
太刀魚は蒲焼きにしてもおいしく食べることができます。作り方も難しくなく、3枚におろした太刀魚に小麦粉をまぶし、フライパンで身のほうから両面焼きます。そのあと蒲焼きのたれを入れてからめると出来上がりです。お好みで山椒や唐辛子などを振って食べると味が引き締まっておいしく食べることができます。
太刀魚の釣り方について
太刀魚釣りは様々な場所で釣ることができます。岸の上からはもちろん船からでも釣り上げることができます。ですがその場合夜釣りになることが多いです。太刀魚は夜に餌を捕食しに浅瀬に上がってきたりするため夜に釣ることが多いです。一体どんな場所でどんな時期に釣れるのかご紹介します。
太刀魚釣りとはどんな釣りか
太刀魚釣りは初心者でも仕掛けさえ分かれば簡単釣り上げることができます。太刀魚釣りで使用する竿やリールも手ごろなものでも十分に楽しめます。また太刀魚釣りでの強烈なヒキに魅了される方も多く、竿が折れてしまうのではないかという強烈なヒキを楽しむ方もいます。
太刀魚が釣れる場所
太刀魚は全国で生息しているので、比較的釣りやすい魚ですが、どこで釣ればいいのか…なんてこともありますよね。そういった場合は釣具屋店やネットで検索してみてもたくさん釣れる場所は出ています。釣り場を探し出すコツは①沖に向かって釣りができる②港内で釣る③太刀魚釣りや釣り人が多い場所なども探し出すヒントになります。
太刀魚が釣れる時期
全国的にどこでも釣れる太刀魚の時期は水温が上がってくる梅雨の時期から年末辺りまでになります。特に8月から9月の時期が最盛期になります。水温が下がってくる秋から冬にかけては太刀魚もあまり出てこないため、太刀魚を釣る際は水温が暖かい時期を選びましょう。
太刀魚の締め方
せっかく釣り上げた太刀魚を新鮮なまま持ち帰りたいのはもちろんです。鮮度の良い太刀魚は刺身はもちろん、どんな料理でも美味しく食べることができます。締める際は、太刀魚の鋭い歯に噛まれないように気を付けて締めましょう。締め方をご紹介します。
頭を切る
太刀魚を釣り上げたら、目の上辺りをはさみなどで切り込みを入れます。鋭い歯を持っているので、フィッシュグリップなどでしっかりと頭を挟んでおくことが大切です。頭さえしっかりとつかんでいれば暴れることもなく、作業ができます。夜釣りなどで暗い場所での作業になるので十分に気を付けて行います。
血抜き
どの魚も必ず行うのが血抜き作業です。釣り上げて時間が経ってしまうと魚は生臭くなってしまいます。その為釣り上げて締めた後血抜きを行います。頭に切り込みを入れたら海水を入れたバケツの中に入れて血を抜きます。完全に抜けるまで海水に付けたまま放置しておきましょう。
内臓を処理する
太刀魚の臭みをよりなくす手段として、血抜きを行った後に内臓を処理するとより臭みなどが取れます。手間や技術が必要になるので省いても大丈夫ですが、どうしても味やにおいにこだわる方は是非内臓まで処理をして持ち帰りましょう。内臓を処理した場合は必ず釣り場を汚さず、処理した内臓もしっかりと持ち帰りましょう。
太刀魚の仕掛けの種類をご紹介!
捕食方法が特徴的な太刀魚にはいろんな種類の仕掛けがあります。自作の仕掛けで挑戦することもできますが、まだ初心者の方や仕掛けを作るのに慣れていない方などは市販の仕掛けを利用するのも良いです。太刀魚釣りで使われる仕掛を種類ごとにご紹介します。
太刀魚釣りの仕掛け①:テンヤ
太刀魚釣りでよく使われている仕掛けは「テンヤ」といわれる仕掛けです。オモリと針が一体となっていて、太刀魚が餌を食べに来たら餌の先についている針を引っ掛けて釣り上げる仕掛けになります。シンプルな仕掛けですが、誘い方ひとつで釣果が変わるので太刀魚釣りの楽しみの一つです。
テンヤの仕掛けを紹介
この仕掛けは、オモリと大きな針が一体となったとても独特な構造をしています。針の軸に餌を付けるための針金が飛び出ていてそこに餌となる小魚刺し、ワイヤーで巻き付けるというとてもシンプルな仕掛けになります。仕掛けはすべて太刀魚テンヤという名前で呼ばれています。
テンヤ釣りのコツを紹介
タナ取りが重要な太刀魚釣りではポイントに到着すると船長さんから太刀魚のいる水深を教えてくれます。そのポイントを狙うのももちろんですが、指示された前後1mも含めて探ってみましょう。太刀魚の顔の辺りにテンヤが来るように狙います。
基本的な誘い方を行うだけでもいいですが、アタリが少ない時はしゃくって太刀魚に興味を持たせましょう。ずっと同じ動作ばかりだとアタリも悪くなってくるので時々しゃくってみるなどのアクションを起こすのも良いでしょう。太刀魚にどれだけアピールができるかが大切です。
テンヤ釣りを動画でチェック
特徴やコツが分かったので、実際の釣り方はどのような感じなのかを動画で勉強しておきましょう。餌の付け方からアタリの合わせ方など詳しく紹介されているので、実践前にしっかりとチェックして太刀魚釣りに挑戦しましょう!
太刀魚釣りの仕掛け②:ウキ釣り
初めての方でも太刀魚釣りを始めやすいのがウキ釣りです。通常のウキ釣りと違うところは、夜釣りをするのでウキが光ったり、海中を蛍のように照らしてくれるケミホタルを用いて行う釣り方です。またウキ釣りはアタリがあってもすぐに合わせずにしっかりと食いつくまで焦らず待ちます。
ウキ釣りの仕掛けを紹介
太刀魚釣りは日が暮れる頃から明け方にかけて行うので、暗くても投げたラインの先が分かるよう、ラインに電気ウキ・ケミホタルなどの夜釣り用のアイテムを使用し、鋭い歯で噛みちぎられないようにワイヤーとオモリ、餌を組み合わせて仕掛けを作ります。
手軽なセット
ウキ釣りの仕掛けは必要になるアイテムが多くなり、初めての方には難しいイメージになりますが、釣具店などに行くとセットになっている仕掛けが売っています。このセットを使えばすぐに釣りに挑戦することができます。オモリやウキ、針もそろっているので餌を用意するだけで大丈夫です。