火傷を負った際の応急手当はどうすれば良いか、ご存知でしょうか。料理等で火傷ができた時は流水で冷やす方が多いと思います。小さな火傷ならそれで正しいのですが、重症の場合は異なります。軽度、重度の判断方法から重度の際の手当の仕方まで、ここで紹介します。
熱傷の程度を調べる
まずは熱傷の深さを調べましょう。赤いなら1度、水疱が出来ていたり破れていたら2度、白っぽくなっていたら3度の熱傷です。次に熱傷の広さを調べます。傷病者の手のひらの面積の1%とし、火傷の面積が体表面積の何%かを測定します。
軽度の熱傷の場合
1度の熱傷もしくは狭い面積での2度の熱傷ならば、できるだけ早く冷水で冷やします。衣服を着ている場合は無理に脱がすと水疱が破れたり皮がめくれたりして危険ですので、衣服の上から冷やしましょう。火傷の範囲が広い場合は、身体を冷やし過ぎないように注意してください。冷やして痛みが引いたら、薬は塗らずにガーゼを当て、包帯等で覆いましょう。
重度の熱傷の場合
- 2度の熱傷で、体表面積の30%以上
- 3度の熱傷で、体表面積の10%以上
- 顔の熱傷で、鼻毛が焦げたり痰が黒色になっている熱傷(気道熱傷)
上記の場合は「重度の熱傷」と判断され、かなり危険な状態です。冷やす事に時間をかけるよりも、なるべく早く専門医に見てもらう努力をするべきです。直ちに救急車や救急隊を呼び、広範囲の熱傷の場合は綺麗なシーツ等で体を包みます。3度かつ狭い範囲の熱傷の場合は、きれいなガーゼやタオル等で被覆しましょう。もどかしいでしょうが、専門家以外に出来るのはこれが限界です。なるべく動かさない方が良いですが、救助の来れない場所や建物の倒壊の危険がある場所にいる場合は、抱えるか即席の担架を作って運び出しましょう。
日本国内で火災旋風の危険がある場所は?
火災旋風は起こりやすい場所とそうでない場所があります。起こりやすい場所に当てはまるのは適度な広さの公園や川がある区域で、日本にも多く存在しています。特に公園は火災や地震の時の避難場所に設定されている場合もあり、そんな場所で火災旋風が起これば本所被服廠跡と同じかそれ以上の被害が出る可能性もあります。過去に東京都で開かれた防災会議では、都内で火災旋風の危険性が高い場所の報告が上がっていました。
都内で火災旋風の危険がある場所① 世田谷区:羽根木公園一帯
世田谷区では北側に住宅密集地があり、かつ細い路地が多く消火活動が難航する事から大地震の際は火災が広がりやすいと言われています。その中で、羽根木公園は火災の可能性が特に高い地域に囲まれており、周囲から火が迫った際に火災旋風が発生して大きな被害が出る可能性があると言われています。
都内で火災旋風の危険がある場所② 杉並区・練馬区:上井草スポーツセンター一帯
杉並区にある上井草スポーツセンター周辺も火災旋風が発生する可能性があります。この一帯は炎や風を遮るものが少なく、加えて木造住宅が多い為延焼の危険性が高いと言われています。
都内で火災旋風の危険がある場所③ 大田区:蒲田電車区一帯
大田区では区部の環状7号線の周辺やJR中央線沿線近くに木造建築が密集している箇所があり、火災危険度が高いと言われています。その中で、蒲田電車区一帯が大火事の際に火災旋風が起こる可能性が高いようです。
火災旋風だけじゃない!危険な地震の二次災害
地震による火災でも発生する事がある火災旋風ですが、地震の二次災害として注意すべきは火災旋風だけではありません。いつか遭遇した時に素早く対応できるよう、津波や建物の倒壊といった、火災旋風以外にも発生する可能性のある災害について紹介します。
津波
東日本大震災で多くの死者を出した二次災害であり、知らない人はあまりいないでしょう。津波が起こる原因は、地震発生時のプレートの動きにより、海水が大きく上下に変動する事にあります。小さな地震でも大きな津波が発生する事もあるので、地震直後は海の近くには行かないようにしましょう。また、地震後は津波警報が出ているかを確認し、警報が出ている場合は即座に高台へ避難を。地形によっては警報が出てから避難しても間に合わない場所もあるので、そういった地域にお住まいの方は地震の揺れが収まり次第、避難することをお勧めします。
建物の倒壊
本震で建物が無事だったとしても、その後の余震で倒壊する可能性は低くありません。実際、2016年の熊本地震では1度目の揺れで無事だった家に戻り、2度目の揺れで倒壊した為に下敷きになって亡くなった方が複数おられます(この時は余震ではなく、前震と本震だったと言われています)。避難所として指定されている場所は耐震構造がしっかりしているか、そもそも建物の少ない場所であったりするので、特に古い家屋にお住まいの方は早めの避難を推奨します。
液状化現象
液状化現象とは、簡潔に説明すると地震の揺れにより地中にある砂の粒子と水分の結合が溶け、水分だけが地表へ出てくる現象です。地中から泥水が溢れ出して道路が水浸しになったり、陥没やひび割れを起こします。さらに、液状化が広範囲に及ぶと、巨大なビルやマンションが丸ごと傾いたり、酷い時には横倒しになる場合もあるようです。主に地下水位の高いゆるく堆積した砂地盤で起こる現象で、砂丘地帯や埋め立て地、三角州等で起きやすいと言われています。
どの二次災害でも言える事ですが、情報を手に入れる為の道具を必ず持っておきましょう。携帯やスマホは災害時は電波が入らなくなることもあるので、ラジオを一つ所持しておくことをお勧めします。
火災旋風に関する資料
火災旋風についてもっと詳しく知りたい方は、詳しく説明している書籍が存在しますのでそちらをお勧めします。どれも火災旋風以外に災害や風による現象等の説明もありますので、知識を深める為にもお勧めの本となっています。
風の事典
風に関わる事柄を、気象や環境問題、スポーツにエネルギー的な観点など、様々な方角から焦点を当てて解説しています。火災旋風を含む災害についても勿論触れられていますので、風を中心に幅広い知識を得ることが出来ます。
竜巻のふしぎ
こちらは竜巻に焦点を当てた一冊となっています。竜巻の形状や発声の原因、被害の内容や、もしも遭遇した時の身の守り方等。竜巻について知りたい方にお勧めの一冊です。第2章「竜巻の姿と動き」の中で火災旋風にも触れられています。
天変地異のメカニズム
「天災」の仕組みや威力を図解を使って解説しています。内容は地震や台風などの身近な災害から隕石による被害まで幅広く、難しい専門用語を使わずに説明しているのでとても読みやすい一冊です。
危険な火災旋風!正しい対策と避難が大切!
火災旋風について説明してきましたが、その危険性が少しでも伝わったでしょうか?非常に対策の難しい災害ではありますが、対処の方法を知っているのと知らないのとでは大きな差があります。いずれ必ず起こると言われている大地震、その時にもしも火災旋風が起きても無事逃げられるよう、どうか対処法だけは頭の片隅にでも入れておいてくださいね。