そもそも寄生虫って何?
そもそも寄生虫とはどのような生体かご存知ですか?他の生体と一緒に生きていくというのは有名ですが、その他にも驚くような生態があるのです。まずは生体全体の仕組みについて説明していきます。
寄生虫の生態
地球には様々な害虫が存在しますが、進化の過程で吸盤が発達したものや生殖器が発達したものなど様々な種類がいます。しかし、一般的にこのような生体は、消化器官や感覚器官などが退化したと言われています。また、自分だけでは生きて行けず、宿る相手がいないと生きていけないとされています。
ロイコクロリディウムってどんな生物?
少しずつ認知度を高めつつある生体が「ロイコクロリディウム」です。全く知らないという人や、名前しか知らないという人のために、今回は不思議な害虫について詳しく追求していこうと思います。
ロイコクロリディウムは新種の寄生虫?
現代では様々な害虫が発見されていますが、この生体はどうなのでしょうか。今回紹介する生体は、とてつもない生命力で宿る相手と一緒になる生体です。新種の生体かと思われがちですが、その歴史は意外と深くはるか昔から生息していました。
ロイコクロリディウムのことを詳しく知りたい!
詳しく知りたいという方に向けて詳しく説明していきます。この写真の右側にいる2匹が今回紹介する生体です。先端にある鮮やかな色がのちに活躍する部分で、生体にとってとても大切な部分になります。この害虫は、19世紀にはすでにドイツで発見され、ヨーロッパやアメリカなででもよく見かけるものです。
日本ではあまり見かけませんが、1990年代にはすでに生息していたと言われています。日本でも最初の目撃情報が寄せられたのは北海道です。この害虫の生態を知れば、分かると思いますが北海道で発見されたからといって南国の方も安心できません。
ロイコクロリディウムは何に寄生する?
この生体は、吸虫の一つになります。これは、体に吸盤を持っており吸盤で引っ付いて他の生体と宿ります。一体どのような生体に宿るのでしょうか。それではロイコクロリディウムをご紹介していきます。
ロイコクロリディウムはカタツムリに寄生する
意外と身近にいるカタツムリに宿ります。なぜこの生体を選んだのかという疑問がありますが、きちんとした理由があります。身近にいるカタツムリだからこそ、この生体にも注意する必要があるのです。
ロイコクロリディウムがカタツムリに寄生するとどうなる?
宿る相手と一緒になり、この生体はどのような過程で成長していくのでしょうか。続いては、宿る部分から成長していくまでの過程を細かく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。過程を知ると恐ろしい事実も判明します。
ロイコクロリディウムはカタツムリの体内で成長!
この生体と一緒になった害虫は、体内でこっそりと成長していきます。孵化すると、徐々に体長を伸ばしていき、完全に成長するまでは宿った相手に何の影響も与えません。しかし、成長しきったとき宿った相手に影響を及ぼします。
ロイコクロリディウムは最後はカタツムリの触覚に移動?
この生体は、消化器官(腸管内)で孵化し、成長していきます。成長しきると、触覚に移動します。宿った相手の触覚は透明に近く、この生体の先端は鮮やかな色になっているので、触覚に移動すると触覚が画像のような色になります。普段は無色ですが、この生体が宿ると緑やオレンジになります。
ロイコクロリディウムは鳥にアピールをする!
この生体の先端が鮮やかな色になっているのも理由があります。触覚の中に入り込んだ生体は、触覚の中を素早く移動することで鳥が普段エサとして食べているイモムシのように見せかけることができます。鳥は、この生体が宿った触覚をイモムシだと勘違いし捕食してしまうのです。
ロイコクロリディウムは食べられて鳥の体内に移動
この生体が、イモムシのように見せかけ鳥が食べた後、鳥の体内に移動します。この生体の最終的な目的は鳥に捕食されることなのです。鳥に捕食してもらうために宿った相手を利用するということです。しかし、鳥には何も影響を及ぼしません。
ロイコクロリディウムは鶏の腸管内で卵を産む
この生体が鳥に食べられるために宿った相手を利用するのは、繁殖するためです。鳥に食べられたこの生体は、鳥の腸管内で卵を産みます。この生体は、1匹でも繁殖できる無性生殖が可能です。なので、他の仲間に出会えなくとも鳥の体内で繁殖できるのです。もちろんオスとメスがいればそれでも繁殖は可能です。
鳥のフンとして排出されたロイコクロリディウムの卵がカタツムリに食べられて・・
卵は鳥の体内では孵化することなく静かに対外へ排出されるのを待ちます。フンと共に体外へ排出されると、そのフンを宿る相手が食べる事で再びカタツムリの体内に戻ることができるのです。この一連の流れを永遠に繰り返すことにより、絶滅することなく生き延びていくのです。
ロイコクロリディウムが寄生したらカタツムリは死に至る?
宿られた生体は鳥に食べられることによって死に至ります。普段この生体は、天敵から身を守るために暗い場所を好みます。しかし、宿られてしまった生体は視界が悪くなり、明るい場所を好むようになります。その結果、鳥にも見つかりやすくなり死に至ってしまうのです。
この害虫が体に悪影響を及ぼし死に至るのではなく、鳥に食べられるから死に至るという考え方です。宿られても、鳥に見つからなければ死に至ることはありません、むしろ、鳥に食べてもらうためにこの害虫が生体の寿命を延ばすことがあるともいわれています。
ロイコクロリディウムはカタツムリから取り出すとどうなる?
この画像は、宿られた生体を解剖したときの画像です。このように外から見れば触覚だけにいるように見えますが、実は体全体に枝分かれしながら大きくなっていくので、取り出すとなると生体も死に至る場合が多いです。
この害虫を生体から取り出しても、多少は動き続けます。1匹のように感じますが、1匹と思われる袋の中には100匹程度の幼虫が住み着いています。しかし、その後新たな宿る相手を見つけることができなければ死んでしまうでしょう。
ロイコクロリディウムが寄生するために行き来するのは何?
寄生虫は生きていく中で、中間宿主と最終宿主が食べてくれるのを待つ生体です。成長していく過程で宿る相手を変更しないといけない理由があるのです。鳥だけに寄生していた場合、卵がフンと一緒に排出されるので再度鳥に寄生することができません。
反対にカタツムリにだけ寄生していた場合、この生体も自分のフンは食べないし、小さい体内では繁殖し続けることは難しいのです。このように、理由があり行き来することがこの害虫にとって生き残る道なのです。
ロイコクロリディウムは人間にも寄生する?
「宿られたら死ぬなんてかわいそう…」と思った方、人間には宿るのか気になりませんか?中間宿主を殺してしまうほど生存意欲の強いこの生体が、人間に宿ることがあるのでしょうか。次はこちらの謎に迫っていこうと思います。
ロイコクロリディウムは人間にも寄生する
基本的に、生体から積極的に人間に宿ろうとはしません。しかし、人間にも宿ってしまう場合があるのです。海外では死亡例も出ているほど危険な生体なので注意が必要です。もちろん、宿られないようにする方法もあるのでぜひ活用してください。
ロイコクロリディウムが寄生するルートは?
宿るルートは、様々なパターンが考えられます。人間が自分で体内に入れてしまったり、カタツムリ以外に宿っていると知らずにその食品を食べてしまったりと要因は様々です。たくさんのルートがありますが、人間が体内に入れなければ宿られることはありません。宿るルートについてこのあと1つずつ詳しく説明していきます。
ロイコクロリディウムが人間に寄生する方法を詳しく見よう!
それでは、この生体が人間に宿る手法を詳しく説明してきます。宿られたら命に関わることもあるのでぜひ知っておきましょう。そして、身近な人が宿られそうになったときに注意してあげましょう。
ロイコクロリディウムはカタツムリを介して人間に寄生?
1番宿っている可能性が高いのが、カタツムリです。カタツムリを食べるというのは、日本人にはあまりなじみのないことかもしれませんが、世界的に見ると食べる人が結構いるようです。日本人でも海外や飲食店などで食べたことがある人がいるのではないでしょうか。
エスカルゴなどは人間にもなじみのある食品!
カタツムリと聞くとあまり食べなれない感じがしますが、エスカルゴと聞くと分かりやすいと思います。認知度の高い飲食店でも提供しています。エスカルゴから宿られることも十分に考えられます。しかし、飲食店で販売されているものは、安全性を確認したうえで提供しているので安心でしょう。