ロイコクロリディウムは世を震撼させた摩訶不思議な寄生虫?ロイコクロディウムに迫る!

この生体は、消化器官(腸管内)で孵化し、成長していきます。成長しきると、触覚に移動します。宿った相手の触覚は透明に近く、この生体の先端は鮮やかな色になっているので、触覚に移動すると触覚が画像のような色になります。普段は無色ですが、この生体が宿ると緑やオレンジになります。

ロイコクロリディウムは鳥にアピールをする!

この生体の先端が鮮やかな色になっているのも理由があります。触覚の中に入り込んだ生体は、触覚の中を素早く移動することで鳥が普段エサとして食べているイモムシのように見せかけることができます。鳥は、この生体が宿った触覚をイモムシだと勘違いし捕食してしまうのです。

ロイコクロリディウムは食べられて鳥の体内に移動

この生体が、イモムシのように見せかけ鳥が食べた後、鳥の体内に移動します。この生体の最終的な目的は鳥に捕食されることなのです。鳥に捕食してもらうために宿った相手を利用するということです。しかし、鳥には何も影響を及ぼしません。

ロイコクロリディウムは鶏の腸管内で卵を産む

この生体が鳥に食べられるために宿った相手を利用するのは、繁殖するためです。鳥に食べられたこの生体は、鳥の腸管内で卵を産みます。この生体は、1匹でも繁殖できる無性生殖が可能です。なので、他の仲間に出会えなくとも鳥の体内で繁殖できるのです。もちろんオスとメスがいればそれでも繁殖は可能です。

鳥のフンとして排出されたロイコクロリディウムの卵がカタツムリに食べられて・・

卵は鳥の体内では孵化することなく静かに対外へ排出されるのを待ちます。フンと共に体外へ排出されると、そのフンを宿る相手が食べる事で再びカタツムリの体内に戻ることができるのです。この一連の流れを永遠に繰り返すことにより、絶滅することなく生き延びていくのです。

ロイコクロリディウムが寄生したらカタツムリは死に至る?

宿られた生体は鳥に食べられることによって死に至ります。普段この生体は、天敵から身を守るために暗い場所を好みます。しかし、宿られてしまった生体は視界が悪くなり、明るい場所を好むようになります。その結果、鳥にも見つかりやすくなり死に至ってしまうのです。

この害虫が体に悪影響を及ぼし死に至るのではなく、鳥に食べられるから死に至るという考え方です。宿られても、鳥に見つからなければ死に至ることはありません、むしろ、鳥に食べてもらうためにこの害虫が生体の寿命を延ばすことがあるともいわれています。

ロイコクロリディウムはカタツムリから取り出すとどうなる?

この画像は、宿られた生体を解剖したときの画像です。このように外から見れば触覚だけにいるように見えますが、実は体全体に枝分かれしながら大きくなっていくので、取り出すとなると生体も死に至る場合が多いです。

この害虫を生体から取り出しても、多少は動き続けます。1匹のように感じますが、1匹と思われる袋の中には100匹程度の幼虫が住み着いています。しかし、その後新たな宿る相手を見つけることができなければ死んでしまうでしょう。

ロイコクロリディウムが寄生するために行き来するのは何?

寄生虫は生きていく中で、中間宿主と最終宿主が食べてくれるのを待つ生体です。成長していく過程で宿る相手を変更しないといけない理由があるのです。鳥だけに寄生していた場合、卵がフンと一緒に排出されるので再度鳥に寄生することができません。

反対にカタツムリにだけ寄生していた場合、この生体も自分のフンは食べないし、小さい体内では繁殖し続けることは難しいのです。このように、理由があり行き来することがこの害虫にとって生き残る道なのです。

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