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力糸の特徴③ 素材
「力糸」を構成する素材には、ナイロンとPE(ピーイーライン)があります。「力糸」はそのテーパー状の構造上で十分に強度が上がっているために、通常はナイロン素材で十分にカバーすることができます。PEの「力糸」がよく用いられるのはキス釣りの際などでしょう。キス釣りでは道糸もPEラインを用いることが多く、遠くへ遠投したい場合が多いからです。
ナイロン素材
ナイロン素材は釣糸では最も一般的に用いられる素材です。柔らかいし、しなやか、伸びやすいという特徴があるためラインに柔軟性を求めたい時によく用いられます。そして、素材の中では一番安価であるため、コストパフォーマンスにも長けています。投げ釣りの初心者でも扱いやすいのが特徴的です。
PE(ピーイー)素材
PEはポリエチレンの略称です。外観は透明ではなく、裁縫の糸かのように色がついていることが特徴です。糸が編み込まれているので非常にしなやかで柔らかく、さらにナイロンに比べ、同じ太さであっても3~4倍の強度があります。
PE素材の難点
唯一の欠点はナイロンと比べかなり高価であること。一本あたりではナイロンの10倍近くの値がすることもあり、敷居は少々高めです。また、耐摩耗性がかなり低いため、根掛かりがするようなシチュエーションでは切れてしまう可能性が高いです。キスの遠投投げ釣りのように遠投にはその強みを最大限発揮するので、そういった場面で用いられることが多くあります。
力糸の選び方① 道糸の強度に合わせる
「力糸」はそのテーパーした細い先端を道糸と繋げるために、道糸の強度をもとに号数をあわせなければなりません。一般的に、道糸がナイロン素材であった場合、1.5号~2号の道糸、つまり同等から少し細い道糸までに、2号の力糸を選ぶ、という感じです。道糸がPE素材であれば、細くても十分な強度があるため、0.6~0.8号のPEの道糸には2号の力糸をつけます。
力糸の選び方② 素材
「力糸」の素材を選ぶ際にはそれぞれの利点を考えて決めましょう。前述の通り、「力糸」の素材には「ナイロン」素材のものと「PE」素材のものがあります。コストパフォーマンス面で圧倒的にナイロン素材が有利であること、さらにテーパー加工がなされていることから十分な強度が保たれていること、などの理由で、通常は「ナイロン」素材の「力糸」が使用されています。
PE素材が適している場合
PE(ポリエチレン)素材の「力糸」を使用するのは次のような場合が考えられます。一つは「飛距離」を出したいとき。PE素材はナイロン素材よりも太さが細いため、「飛距離」を稼ぎやすく、より遠投の投げ釣りをしたいときに向いています。もうひとつは、「感受性」を上げたいとき。キス釣りなどで狙う魚のアタリがあまり強くなく、わずかな感覚をあげたいときは、PE素材がオススメです。
PE素材を使うときの注意点
「力糸」にPE素材を使う時、特に「感受性」を上げたくて使う場合では、仕掛けの先にある「力糸」だけをPE素材にしても、大元である「道糸」にナイロン素材を使っているとあまり意味がありません。ですから、できることなら、「力糸」にPE素材を使う場合は、道糸にもPE素材を使う方がよいでしょう。
番外編 一体型
現在は「力糸」と道糸が一体になって市販されているタイプがあります。使って見た感触はどちらも大きな違いは感じられないのですが、どうしても根掛かりして「力糸」の部分が切れてしまった場合、その「力糸」の部分は他の「力糸」で補填しなくてはなりません。また、強度の面でも少し弱いのではないかというユーザーもおられますので、現段階では「力糸」別個で販売している方を選んだ方がよいです。
力糸の結び方
「力糸」と道糸を結ぶ方法には、「電車結び」、「FGノット」、「ブラッドノット」などの結び方があります。
電車結び
電車結びはルアーフィッシングで多用されるFGノットよりも簡単で、手軽にできるので慣れていない方にはおすすめです。ただ気をつけて欲しいのは、電車結びだけでは「力糸」が道糸から抜けてしまうことがあるからです。そんな時は、電車結びの両端にハーフヒッチを追加します。一方のラインを他方のラインに巻き、しっかりと締めこむことで強度をあげることができます。
FGノット
「FGノット」はルアーフィッシングでも定番の結び方です。特にPE素材のラインを用いるときにおすすめです。結んだあとにできる結び目を小さくすることができ、さらに強度も強いのが特徴です。「電車結び」より少し結び方が難しいので、結び方に慣れてきた人向けとなります。覚えるまでは手間がかかりますが、覚えてしまえば5分たらずでできてしまうので、習得してみましょう。
ブラッドノット
「ブラッドノット」はナイロン素材同士のラインを直結する場合に有効な結び方です。細いPE素材同士ではどうしても不向きですが、ナイロン素材であれば太さや柔らかさの面で、その不利な点をカバーしてくれます。動画のようにクルクルと巻き付けて引き締めるのが特徴ですが、この引き締めるときに摩擦が強すぎると、熱がおこってナイロン素材は切れてしまう可能性があります。ですので、締める際にはあまり摩擦を起こさないように注意しましょう。
力糸が用いられる釣り
「力糸」が用いられるのは海岸沿いからの遠投、つまり「投げ釣り」がメインです。ここでは「投げ釣り」のターゲットとなる魚を中心にその釣り方を見ていきましょう。
キス釣り
「力糸」のもつ強度を必要とする釣りとして「キス」があります。キスは比較的沖合いの海底を回遊するために遠投が必要となってきます。また、キスは動くエサに反応するため、キャスティングを行ったあと、ラインを張った状態でリールをまいて、仕掛けを手前に引いていきます。合わせの精度を上げるためには、PE素材のラインを使うのがよいでしょう。
カレイ釣り
カレイはキスと並び、沖合いの海底を回遊する魚です。キスと違うのは仕掛けを動かしてターゲットとなる魚を引き寄せるのではなく、エサを仕掛けて待つかたちをとること。この釣り方は置き竿方式と呼びます。キャストした後は竿を置いてアタリを待つだけ。ですので釣果を上げるためには、竿を何本か用意して、それぞれに三脚を立てて待つ方式が一般的です。
力糸をもちいた場合の飛距離
「力糸」を用いて重いオモリの仕掛けでフルキャストすればかなりの飛距離をだすことができますが、飛距離を出してしまうことの難点として、どのくらいのポイントに仕掛けが届いているのか目算では把握しづらい点があります。この難点を克服してくれるのがリール色です。道糸は25mずつで色が代わる仕組みになっているので、リールから出ているラインの色が何色目かで、届いたポイントまでのおおよその距離を把握することができます。
力糸の選び方や特徴のまとめ
フルキャストで遠投の投げ釣りをするときに欠かせない「力糸」。その形状は先になるほど細いかたちをした「テーパーライン」となっているため、道糸と仕掛けの間で衝撃を吸収する役割をしてくれ、道糸だけではカバーできないパワーを与えてくれます。さらにPE素材の開発などにより、選べる選択肢も増えてきています。みなさんも「力糸」を使って思いっきり仕掛けを飛ばす投げ釣りにトライしてみませんか?