保冷に関してひとつだけ思うことがあります。それは「氷じゃダメなのか?」という疑問です。氷は自宅にある冷蔵庫で大量に作ることも可能ですし、大きなサイズの板氷が安価で販売されています。コスパレベルという側面でみても、一見して氷の方が勝る印象があるようにも思えます。
保冷剤と氷。その相違点は一体どんなものなのでしょうか?
温度はクーラーボックス用保冷剤の方が低い
大きな違いは「冷却可能な温度」です。結論からいうとその軍配は保冷剤に上がります。
氷の場合│冷却可能温度
理論上「氷という状態」の表面温度はは0℃です。しかし環境や外気温、季節などの「外的要因」も考える必要がでてきます。条件によって色々ではありますが、30Lのクーラーボックスに1kgの氷を入れた時のボックス内の温度が約10℃前後くらいでしょうか。
しかし地域や季節によっては「外の気温が10℃以下」の場合もでてくるので、「それ以下」に下がることも十分に考えられるでしょう。
保冷剤の場合│冷却可能温度
氷点下タイプのものには「マイナス○℃」と表記されている商品もあります。マイナスタイプは表面が氷の0℃よりも低い「マイナス℃」ですので、同じ環境下で比べた場合だと内部の温度は氷よりも低くなります。
冷却能力の持続時間は氷に分がある
持続時間は実は氷の方が優れています。保冷剤は温度を急激に下げる能力にはとても優れている反面、一旦溶けだすとその力が大きく衰えていきます。このような性質をふまえた上で「持続力」を比べると、その軍配は間違いなく氷に上がるでしょう。
クーラーボックス用保冷剤は完全凍結に時間を要する
「冷やす力」に優れた保冷剤にもひとつだけ弱点があります。それが「凍る」までの時間の長さです。一般的に販売されているアイテムで「36時間~48時間」。日数にして1日半~2日程度かかりけっして短くはない時間が必要になってきます。
しかし最近ではその半分の時間、つまり「18時間~24時間」で完全に凍るタイプも発売されており、「今まで」よりは少しずつ改善されてきてはいます。
氷は溶けると水が出るのが難点
氷は溶けます。さて「その後」は一体「なに」になるでしょうか?答は水です。水になるとボックス底部が「水浸し」になります。釣った魚の鮮度や衛生面の問題のみならず、「ほかに入れておいたもの」も濡れてしまう心配もでてきます。
さらに「冷やす力」が極端に失われ、中の温度を急激に上昇させる原因にもなります。
クーラーボックス用保冷剤は氷との併用が良い!
「それぞれ」の長所と短所をみてきましたが、何事にも表裏があるように「良いところがあり、悪いところ」があります。
しかし「方法しだい」では双方の良いところだけを残し、悪いところを「フォローし合う」ことができます。クーラーボックス保冷剤におけるその方法。それが「Wで使用する」ということです。
併用によって双方の短所をカバーできる
保冷剤の短所は持続性です。急激にクーラーボックス内の温度を下げてくれますが、1度溶け出すとボックス内の温度が一気に上がります。氷の短所は「冷却力が劣る点」と「溶ける」という性質です。
持続力は保冷剤よりも優れてはいますが、冷却力には劣り、「溶けてしまう」という問題も抱えています。
保冷剤の長所と氷の長所を組み合わせ
互いのセールスポイントを組み合わせれば、おのずとデメリットをカバーし合うことも可能です。「両方を使う」ことにより冷力と持力を身に付けられ、さらには単品使用よりも氷の量は減るため「溶けるリスク」を最小限まで抑えることが可能になります。