カンパチってどんな魚?
スーパーなどでもよく見かけますが、どのような魚かご存知でしょうか。スズキ目アジ科の一種で、全世界の暖海域に生息している大型の肉食魚です。天然物は最近は獲れにくいため、多く養殖されています。高級魚として扱われていて、身が大変美味しいため日本の料亭では欠かせない魚です。
カンパチの特徴は?
成魚となった物は、1.8m、80kg前後にまで成長する物もいます。頭から上顎に黒い帯模様があり、体は平たい楕円形です。腹側は銀白色で背中は黄色と紫色をしています。正面から見た時に、目上の斜め帯になった部分が漢字の「八」の字に見えることから、「間八」の名がつけられました。
カンパチの生息地域は?
日本では、東北地方以南で広く見られ、西日本でよく釣り上げられます。暖海をこのみ、地中海やメキシコ湾などの温帯海域に広く分布しています。産卵期は3〜8月で、稚魚はプランクトンを捕食し藻類の浮遊物にくっつきますが、大きくなると、イワシ、アジなどの小魚や、甲殻類などを捕食するようになります。
ちなみに、日本では2010年11月19日に、玄界灘で重さ71.15kg、全長190cmのもの、さらには2015年06月22日に、東京都神津島沖銭洲で180cm、74kgのカンパチが釣り上げられ、記録になっています。
カンパチは出世魚!
出世魚とは、成長していく過程で名前が変わる魚のことを言います。ブリ、ボラ、スズキなども、同じ出世魚として有名です。関東地方、関西地方それぞれで呼び方が異なり、関東では、稚魚をモジャコ→幼魚をショッパ→35cm〜60cm以下シヲコ→60〜80cmをアカハナ→それ以上のものをカンパチと呼びます。関西では、稚魚をモジャコ→幼魚〜60cm未満身をシヲ→それ以上がカンパチになります。
また地域によっても呼び名が異なり、アカイオ(北陸)、ヒヨ(神奈川)、アカバネ(香川)、チギリキ(和歌山)、ニリ(宮崎)、ネリ、ニノコ(鹿児島)等と変わったものがあります。
ブリやヒラマサとの違いについて
見た目が似ていることから、大きくなったらブリ?と思っている方も多数いらっしゃるとおもいます。実はブリとは全く別の魚です。また、ヒラマサとも間違えられたりすることもあります。違いを詳しくご紹介します。
ブリとの違い
外見からの違いでいうと、カンパチの方が平たく、ブリは丸い楕円形をしています。ヒレの形や色などを比較すると、カンパチは黄色いのが特長です。味については好みがあるので、なんとも言えないですが、カンパチの方がやや硬く、コリコリとした食感をしています。
どちらも新鮮な刺身は生臭みもなく、とても美味しいです。刺身の色は、ブリは色素が多いので身が赤っぽく、血合いの色も濃くなっています。ブリについての記事はこちらでまとめていますのでご参考ください。
ヒラマサとの違い
ヒラマサはブリとよく似ています。比較すると魚体の色が、青っぽく、黄色っぽいカンパチとは全く違います。他にも、ヒラマサは、顎の形が湾曲しています。刺身にすると、ヒラマサも歯ごたえがあり身の旨味が味わえますが、カンパチの方がややあっさりしていて上品な味をしています。
カンパチの養殖が多いわけとは?
最近では、養殖が盛んに行われていて、スーパーなどで見かけるほとんどが養殖ものです。鹿児島県を中心に盛んに行われていますが、養殖に適している理由についてご紹介します。
成長速度が速い
養殖に適している理由の一つとして、他の魚類に比較して成長するのが速いため、出荷までの時間が短いことが挙げられます。6月に1.2~1.5kgだったものを、9月~12月には3.3kg前後までに成長させ、出荷しています。
養殖で有名な鹿児島県では高水温期が適しているため絶好の場所です。養殖期間はハマチより短く、効率的に生産できることで魚価は高価なものからリーズナブルなものへ下がりました。
育てやすい
病気などにも強く餌をよく食べてくれるので育てやすいことも一つの要因として挙げられます。手があまりかからず、餌をよく食べるのが、成長速度に関係しているのもあり、養殖に適しています。
カンパチの旬はいつ?
比較的スーパーではよく見かける魚ですが、旬の時期はあるのでしょうか。また、天然物と養殖物では旬になるとどのような違いが出てくるのかなど、ご紹介します。
天然物と養殖物では旬の時期が違う?
天然物と養殖物は育つ環境が違うため、旬の時期が若干異なります。天然物は、一般的に夏から秋にかけての時期とされていまが、養殖物は年中水揚げが行われているたので、もし、天然物を食べたい場合は夏〜秋に購入すると良いでしょう。
カンパチの旬:天然物のカンパチの場合
天然物の場合の旬についてご紹介します。養殖ではなくこちらの方を狙っている方は参考にすると良いでしょう。
カンパチの旬には2種類ある?
旬と言われる時期には2種類あり、脂が最も乗って美味しい時期と漁獲量の多い時期にわけられます。食べる時は、やはり脂が乗っている時期に、自分で釣りに出向くという方は、漁獲量の多い時期に出かけると良いでしょう。