チヌとは
チヌとは別名「クロダイ」と呼ばれており、背びれに鋭いトゲがあって体が黒いことからクロダイと呼ばれています。北海道の南部や日本列島、朝鮮半島など幅広く分布しています。鯛の仲間で、最大で70cm程度まで成長します。釣りあげるサイズは30cm前後のものが多いです。
歯ごたえのある白身
チヌの身は鯛と同じように歯ごたえがあり、旬のチヌはマダイにも負けないほど美味しく食べられます。人によっては少し磯臭いということもありますが、捌いた後に塩でもみ洗いすると磯臭さも軽減され、美味しく食べられます。
チヌ釣りの仕掛けをご紹介!
釣り好きでは人気のチヌ。雑食性で様々な仕掛けがあります。日本の沿岸に生息しているため磯や防波堤、汽水域でもチヌを狙えます。そこで今回は「ウキフカセ釣り」「投げ釣り」「ダンゴ釣り」「イカダ釣り」「ヘチ釣り」「ルアー釣り」の6種類の仕掛けをご紹介します。
チヌ釣りの釣り方別の仕掛け①ウキフカセ釣り
この釣り方はラインと針の重さを利用して餌を自然に漂わせて釣る方法です。漂わせるをフカせるとも呼ぶためウキフカセ釣りと呼んでいます。この釣り方でも半遊動・全遊動と2種類の仕掛けがあり、それぞれどういった仕掛けなのかを説明していきます。
チヌ釣りのウキフカセ釣り仕掛け1.半遊動
この仕掛けはウキ止め糸を付けてウキの可動域が限られており、ウキを海面に浮かせた状態で釣る方法になります。餌や針などの重さだけで海中に漂わせて釣る方法になります。自然の理にかなった仕掛けと言えます。
チヌのウキフカセ釣り用半遊動仕掛け①基本構成
ラインと針までの間に”ウキ止め糸結びー円錐ウキーからまん棒ーフロロカーボン付き針”の順に取り付ける仕掛けになります。この釣り方では風が強い時や潮の流れが速い時、タナが明確な時などに使用するとよいでしょう。タナがよく変化する場合はウキ止めを動かさないといけないので明確なタナが分かる際に使用しましょう。
チヌのウキフカセ釣り用半遊動仕掛け②必要アイテム
円錐ウキやシモリ玉、からまん棒、チヌ針が必要になります。円錐ウキは魚のアタリをみたりタナの位置をキープするなどの役割があり、サイズ、浮力を変えて使い分けます。その他のアイテムで、からまん棒は仕掛けが絡まったりしないように、ウキのストッパーとして取り付けます。
チヌのウキフカセ釣り用半遊動仕掛け③実際の作り方
必要なアイテムがそろったら、早速仕掛けを作ってみましょう。仕掛けはラインにすべてのアイテムを通して結ぶだけで作れるので、初心者でも簡単に作ることができます。チヌ釣りの仕掛けでは主流の半遊動仕掛けの作り方を手順を追って解説します。
手順① ウキ止め糸を付ける
ラインをガイドに通したらウキ止めを取り付けます。そうすることでウキがどこまでも上に行くのを止めてくれて、タナの位置もずれないようになります。カラーバリエーションも多くオレンジやピンク、黄色などあります。好きなカラーで作ります。
手順② シモリと円錐ウキを付ける
ウキ止め糸を付けたらシモリを通します。これを取り付けることでこれから通すウキがウキ止め糸をすり抜けないようにします。シモリを通したら、円錐ウキを通していきます。ウキには糸が通る穴が開いているのでラインを通すだけで大丈夫です。
手順③ からまん棒を付ける
ラインにウキを通した後に絡まり防止のためにからまん棒を付けます。その他にもウキ止めとしての役割を果たしてくれるので、付けておくことをお勧めします。最後にサルカンを付け、フロロカーボンなどのハリスにチヌ針を付けたものをサルカンへ付けると出来上がりです。
チヌ釣りのウキフカセ釣り仕掛け2.全遊動
半遊動と違いウキを止めておく糸を使わずに作った仕掛けを全遊動と言います。タナが明確にわからない場合などの時に使用するとよいでしょう。ウキ止め糸がないので幅広くチヌを狙うことができます。詳しい全遊動の仕掛けをご紹介します。
チヌのウキフカセ釣り用全遊動仕掛け①基本構成
基本的な構成は半遊動と同じような感じですが、全遊動では仕掛けの最初に取り付けたウキ止め糸を使用しません。ガイドに通したラインにウキから通していきます。そうすることで、ウキ下の仕掛けが深いところまで落ちていくので、タナが明確出ないとき、半遊動では難しい時はこちらで狙ってみましょう。
チヌのウキフカセ釣り用全遊動仕掛け②必要アイテム
この仕掛けで必要なアイテムは、円錐ウキ、シモリ玉、からまん棒、針を使用します。また全遊動仕掛けが海中で張りや角度が悪い時がある場合は「ガン玉」を利用します。ガン玉には重さによって分けられており、円錐ウキの浮力に対応する形になっています。またガン玉に似たカミツブシオモリも使用することがあります。
チヌのウキフカセ釣り用全遊動仕掛け③実際の作り方
仕掛けの作り方は半遊動とは違うところがあり、ウキ止め糸がないので少し工程が変わります。こちらもアイテムさえあれば誰でも簡単に作ることができます。タナが分からない、水深が深いところなどで狙う場合にこの仕掛けで挑戦してみましょう。
手順① ウキ止め糸は使わない
リールから出したラインをガイドに通した後、ウキ止め糸を付けず、すぐに円錐ウキを通していきます。ウキ止め糸がついていないので仕掛けの重さで海底まで落ちていきます。タナが分からないときはこのようにして好きな位置で止めれるようになります。
手順② からまん棒を付ける
ガイドを通したラインにウキを通した後、半遊動と同じようにからまん棒を取り付けます。ウキ下のクッションにもなるため、からまん棒を取り付けておきましょう。からまん棒を取り付けたらサルカンを付けておきましょう。ここは半遊動の仕掛けと同じようになります。
手順③ ガン玉で浮力を調整
サルカンを取り付けたら半遊動の場合、フロロカーボンハリスにチヌ針を付けて出来上がりになりますが、全遊動ではそこまで針を鎮めるためにオモリとしてガン玉を針側のラインに取り付けます。取り付け位置はウキ下から30cm~1.5m辺りで良いでしょう。この位置は釣る日の潮の流れや、風などの条件に合わせてずらします。
チヌ釣りの釣り方別の仕掛け②投げ釣り
釣りといえば竿を振って仕掛けを遠くに投げて釣る方法「投げ釣り」があります。投げ釣りはいろいろな魚でも行う釣り方で、チヌ釣りでは2種類の投げ釣りの仕掛けがあります。一つは天秤を使用するテンビン投げ釣り、もう一つは大きめのオモリを付けて仕掛けをオモリの重さで遠くへ飛ばすブッコミ釣りです。
チヌ釣りの投げ釣り仕掛け1.テンビン
投げ釣りではよくつかわれるテンビンには「L型」と「直線型」2種類あります。L型はその名の通りLの形になる天秤で、直線型はジェット天秤と言われたりする真っ直ぐな天秤になります。チヌ釣りではL形、直線型どちらも使用することができます。
チヌの投げ釣り用テンビン仕掛け①基本構成
天秤を使用して釣るテンビン仕掛けはガイドに通したラインに天秤を取り付け、ラインに針を付けたものを天秤の下へ取り付けます。夜釣りの場合は針のすぐ上辺りに夜光玉を付けたりもします。テンビンがあるので遠くに投げる際に絡まりを防止したり遠くへ飛ばせるようになっています。
チヌの投げ釣り用テンビン仕掛け②必要アイテム
投げ釣り用テンビン仕掛けで必ず必要になるアイテムはもちろん「テンビン」です。テンビンがあることでより遠くに投げることができます。L型でも直線型でもどちらでも使用できます。その他のアイテムはどの釣り方でも同じように竿、リール、ライン、チヌ針、餌になります。
チヌの投げ釣り用テンビン仕掛け③実際の作り方
テンビン仕掛けの作り方はとても簡単です。必要なアイテムを付けていくだけで簡単に作ることができます。より簡単に付けれるように釣具店にチヌの投げ釣り専用の仕掛けが販売されており、誰でも簡単に作ることができます。
手順① 天秤を取り付ける
リールから出したラインをロッドのガイドに通し、L型もしくは直線型のテンビンを取り付けます。L型のテンビンを取り付ける際はL字の上をまずラインに通し、サルカンを取り付けます。L字の上部分が動かせれるようにして取り付けましょう。この意味は竿先にアタリを大きく出すためや餌を食べた魚に違和感を与えないためとなっています。
直線型のジェット天秤の場合はリールから出ているラインと、針を付けたラインの間へ天秤を取り付けるようにしましょう。こちらは上下とも固定されているのでテンビンだけが動いたりということはありません。
手順② チヌ針とラインを結びつける
1.2m程切っておいたラインにチヌ針を取り付けます。針にラインを合わせて5~7回巻き付けて結びます。結び方は外掛け結び、内掛け結び、スネルノット、どの結び方でも大丈夫です。針が落ちないようにしっかりと結んでおきましょう。夜釣りの場合は夜光玉を先に通してから針に結んでください。
手順③ 針を付けたラインを天秤に取り付ける
最後に針を付けたラインを天秤の下部分を通してからサルカンへラインを取り付けましょう。こうすることで天秤が動き、竿先に来るアタリを大きくしたり、餌を食べた魚が違和感ないようにするために動かせるようにしておきます。
チヌ釣りの投げ釣り仕掛け2.ブッコミ
天秤釣りとは違い大きめのオモリを取り付ける仕掛けをブッコミ仕掛けと呼びます。オモリがあるので遠くへ飛ばすことはもちろん、仕掛けを投げ入れる際に絡まらないように飛んでいきます。オモリはどのようなタイプを選んでもつけることができます。詳しくご紹介します。
チヌの投げ釣り用ブッコミ仕掛け①基本構成
ブッコミ仕掛けは天秤釣りと同様とても簡単な仕掛けとなっています。竿先から針までの間にオモリを取り付けるだけととても簡単でオモリとオモリを止めるものさえあれば簡単にできてしまいます。難しい工程もないので初心者にもお勧めできます。
チヌの投げ釣り用ブッコミ仕掛け②必要アイテム
この仕掛けで必要なのは、もちろんオモリです。オモリ重さは特にこの重さというわけではなく10~20号アタリのオモリを用意しておくと良いでしょう。オモリを使い分けるとすれば、投げ入れる距離が近かったり、水深が深くない場合は軽めのオモリ、逆に距離が遠く、水深が深い場合は重めのオモリを使用すると良いです。
チヌの投げ釣り用ブッコミ仕掛け③実際の作り方
ラインにオモリを取り付けるとできてしまうので工程も少ないですが、ポイントも抑えつつ実際の仕掛けの作り方をご紹介していきます。オモリを通してから針を取り付けるだけなので、初心者でも簡単に作ることができるので是非実践してみてください。
手順① ラインはナイロン製に
通常、投げ釣りではPEラインという糸を使用します。ですが投げる時の負荷でラインが切れてしまったりします。ラインが切れるのを防ぐためにも力糸というものを使用しますが、初心者の方には難しくなってしまうのでナイロン製の8号のラインを使用します。このラインだと太めの糸になっているので力糸を省くことができます。
手順② ラインにオモリを付ける
ナイロン製のラインにオモリを通します。オモリの種類は丸オモリや長オモリ、ブッコミ専用のお多福オモリや亀の子オモリなどどのようなオモリを使っても大丈夫です。水深や投げ入れる距離などで重さを選んでラインに通しておきます。
手順③ ウキ止ゴムとサルカン、針を付ける
オモリを通したらオモリがサルカンに当たらないようにウキゴムを付けておきます。クッション代わりになるので釣る人から見えやすいカラーなどでも大丈夫です。ウキゴムを付けたらサルカンを付けておきます。そしてラインと針を結び付け、夜光玉を付けておいたラインをサルカンへつなぐと仕掛けの出来上がりです。
チヌ釣りの釣り方別の仕掛け3.ダンゴ釣り
このダンゴ釣りは「紀州釣り」とも呼ばれており、米ぬかやオキアミなどの餌やダンゴの素を混ぜておいたものに、餌を付けた針を隠し入れてダンゴを作りそれを投げて釣る釣り方になります。針に付けたダンゴが海中で割れて餌をばら撒いてくれるので魚がどんどん寄ってきます。
チヌのダンゴ釣り仕掛け①基本構成
ダンゴ釣りで使用する仕掛けはウキフカセ釣りの半遊動仕掛けと似ており、ウキ止め糸やウキ、からまん棒などを使用し針の餌と別にダンゴを付けて釣る仕掛けになります。ダンゴは釣具店などに売っており、様々な餌や素を使ってオリジナルのダンゴを作る方もいます。ダンゴは投げるときに割れず、海底に着いたら割れるように作ります。
チヌのダンゴ釣り仕掛け②必要アイテム
仕掛けは半遊動と同じようにウキやからまん棒を使用します。ここで使うウキは棒ウキでも円錐ウキでもどちらでも構いません。そして一番大事なのはダンゴです。ダンゴは米ぬか、砂、さなぎ粉、押し麦、集魚剤、などしっかりと混ぜ合わせて作ります。