ヒル(蛭)とはどんな生物なのか
ほとんどの人が1度はヒルを見たことがあるのではないのでしょうか外観があまり良くないので気持ち悪がる人も多くいます。しかし、ヒルの生態などをよく知っておけばそんなに気味悪く思う事も無くなる可能性もあります。そこで、ヒルとはどんな生物なのかをご紹介していきます。
ヒルは環形動物に属する
ヒルは環形動物門に属している脊髄が無い生物であり、ヒル以外にも自宅の庭などでよく見かけるミミズ、釣りなどで使う餌のゴカイなども仲間なのです。また、ヒルは地上、海中、淡水中など様々な場所で生息している生物です。
ヒルの最大の特徴はぬめぬめ感
ヒルはナメクジやカタツムリなどと同じで体全体がぬめぬめしており、そのぬめぬめ感も気味悪く思ってしまう理由の1つでもあります。また、ヒルに触ってしばらくするとベタベタしてくるので、触ってしまったらすぐに手を洗った方が良いです。
ヒルは春から秋にかけて活発化する
ヒルはだいたい春から秋にかけて表に出てきて活発化しています。天気が良い日は極稀に見かける事もありますが、雨が降ってるときや雨上がりなどには特に表に出てくる事がほとんどなので見かける方も多くいます。
前後に吸盤がある点もヒルの特徴
ヒルには体の前後に吸盤のようなものが付いており、これは獲物の皮膚にしっかりくっついていられるようにする為にあります。そうすることで、少しの振動が起きても動物の体から離れてしまう事はないのでスムーズに血を吸う事ができます。
吸血性とそうでない種類がいる
ヒルは全てが血を吸う生物ばかりではないのです。吸血性のヒルは動物の血を吸って生きている有害な生物でありますが、吸血性でないヒルは血は吸わないでミミズを捕食して生きています。意外なことにヒルにも有害なものや無害なものに分類されている生物なのです。
ヒル(蛭)の生息地は主に4ヶ所
ヒルが生息している場所は1ヶ所ではありません。淡水、森林、住宅街、海水などそれぞれ各地に生息している生物で、そんなに各地でヒルがいる事は全く知らなかったという意見を言う方も多くいるようです。それでは、それぞれどのようなヒルなのかを詳しくご紹介していきます。
川や池などの淡水に生息するヒル
主に川や池などの淡水に生息するのはチスイビルと呼ばれているヒルです。このヒルは水中で泳ぐこともできるので、獲物にも近づきやすく、皮膚にくっついてスムーズに血を吸う事ができます。昔は水場の近くで家畜を飼っていたので多く生息していましたが、現在ではあまり水場の近くでは飼う事も少なくなってきたので数は減少しています。
森林などの陸地に生息するヒル
森林や陸地などで主に生息しているのはキバビルというヒルです。見た目はミミズに似ており、口に3本の鋭い歯がありますが動物や人間などには吸血はせず、ミミズなどを食べて生きています。このキバビルをペットにする方も多くいるらしく、オークションなどで1匹3000円~4500円で販売されているくらい人気です。
住宅地や郊外に生息するヒル
コウガイビルというヒルは住宅近くや郊外などに生息しています。これは扁形動物で、他のヒルのように人間や動物に血を吸ったりはしないので無害な生物です。しかし、環形動物とはまた違った分類に属しており、見た目は似ていますが実はヒルの仲間ではないのです。雨上がりの公園や自宅の庭などで見かける事があります。
海水に生息するヒル
海水に生息しているのはカニビルというヒルです。名前からの先入観からか、カニに寄生をしていると誤解されている方もいるようですが実は違います。単純にヒルがカニの甲羅の上に卵を産み付ける事からカニビルという名前が付けられただけなので、カニ自体に問題はありません。
ヒルは自宅の中に住み着く事もある?
ヒルは種類によっては自宅の中に住み着くことが稀にあります。ミミズかと思ってよく見たら実はヒルだったという事があるようです。どのようなヒルで自宅のどこにいるのかをご紹介していきます。
水場の多い風呂場にいる事がある
自宅の中に住み着くのは、住宅地などによく出るコウガイビルという生物です。ヒルは特に湿気多い所や水気の多い所を好む習性があります。また、台所も水場ですが、どちらかと言うと風呂場の方が害虫などが良く出る事が多いようです。風呂場はヒルだけでなく、他の害虫も住みやすい環境なのです。
ヒル(蛭)は3亜綱に分けられる
ヒルは3亜綱に分けられています。3亜綱と聞いても案外難しい言葉なのでいまいちピンとこない方も多くいます。3亜綱とはいったいどのようなものかをわかりやすく具体的にご紹介していきます。
ザリガニなどに共生する「ヒルミミズ亜綱」
ヒルミミズとは、ヒルとミミズの2つが合わさったような姿の環形動物です。主にザリガニと共生する小さな動物で、北半球の方で生息しているザリガニの体の表面などにヒルミミズが生息している事が多いです。その他にもエビやカニなどの脚に生息している事が稀ですがあります。
魚類に寄生する「ケビル亜綱」
ケビル亜綱とは、魚類に寄生して生息しています。また、前吸盤を欠き、一部体節に剛毛があるのが特徴です。ヒルが寄生した魚を食べても大丈夫かという心配する方もいますが、取り除けば食べても全然問題はありません。
一般的なヒルである「ヒル亜綱」
ヒル亜綱とは一般的なヒル、すなわち日頃自分たちがよく目にするヒルの事です。一般のヒルは他のヒルのように共生したり、何かに寄生したりはしません。人間や動物などの血を吸って生息する生物です。
吸血性のヒルについて
ヒルは外観がナメクジのようで周りから気持ち悪がられますが、1番嫌われる理由はやはり皮膚に張り付いて血を吸う事ではないでしょうか。吸血性のヒルの事をよく理解すれば苦手だったヒルも少しは怖くなくなるかもしれません。
ヒルは吸血性が多い
血を吸わないヒルを見たことがある方はあまりいないのではないでしょうか。基本的にヒルは血を吸う生物が多く、ヒルは同じ血を吸う蚊のようにすぐに離れてはくれなく、長時間満腹になるまで血を吸い続けます。
吸血性のヒルは主に哺乳類の血を吸う
主に吸血性のヒルは哺乳類の血を吸って生息しており、哺乳類と言っても一部だけでなく、小型から大型の動物の皮膚に張り付いて血を吸いながら生息しています。動物がいる自然な山ではヒルが多くいますが、動物園などでは飼育員さんが衛生管理しているので生息してることは少ないです。
吸血性のヒルは淡水や森林に生息していることが多い
吸血性のヒルは、川などの淡水や田舎などの山奥にある森林などによく生息している事が多いです。淡水にいるヒルは水の中で泳ぐ事ができ、岩陰などに潜んでる事が多いです。また、森林に生息しているヒルは特にコケや湿気が多い所を好む習性があります。
一般的に知られているヒルは「ヤマビル」
ヒルは種類が豊富にいますが、ほとんどの方がヤマビルを最初に思い浮かべる人が多いようです。ヤマビルは主に陸に住み着いているヒルで、動物だけでなく人間の血も吸ったりしてくるので嫌われています。また、正式名はニホンヤマビルですが、一般的な呼び方はヤマビルと人々から呼ばれています。
ヤマビルに噛まれても痛くないし毒性もない
ヤマビルに噛まれたとしても、痛みはほとんど感じない方が多いです。また、毒性もないので山で噛まれても慌てたりする必要もありません。しかし、出血量が多く傷口も意外と大きいのでグロテスクなものを見るのが苦手な方には苦痛かもしれません。
吸血性のヒルは体内に入り込むことはないの?
ヒルは人の血を吸う事で周りから非難され続けています。怖がる人の中ではそのまま体の中に入って寄生してしまわないかと言う不安の声も挙げられています。しかし、ヒルは寄生虫とは少し違うので心配する必要はありません。
ヒルは体内では生きていけない
ヒルはtだ血を吸って生きているだけですから、体内にもし入ったとしても生きていく事は不可能なのです。吸血して満腹になるとすぐに離れるので心配は要りません。しかし、例外として過去に1人だけ鼻の奥にヒルが住み着いてしまい、鼻詰まりがずっと取れなかったという事例があります。
吸血性のヒルはどうやって血を吸うのか
ヒルは天気が良い日には枯葉の下などに身を潜め、獲物が近くに来たら地上に出てきます。獲物の皮膚に接近したらすぐにくっつき、血を吸い始めます。ヒルは獲物の動きや熱などを感じ取る能力を持っている生物です。
血液が凝固しない物質を出す
吸血性のヒルには血液が固まるのを阻害するヒルジンという物質を持っており、吸血する際に動物や人間側にその物質を流し込みます。一般的には1時間~2時間程の間は血が止まらない事が多いです。
ヒルはゆっくり血を吸う
ヒルは獲物に接近するまでは素早く行動しますが、血を吸う間は約1時間程ゆっくりと時間をかけて血を吸い続けます。吸血されてる側は気付く人は稀にいるかもしれませんが、ほとんどの人がヒルに吸血されてる事には気づく事はありません。
麻酔成分のような物質も同時に出している
ヒルはヒルジンの他にも麻酔成分に似たような物質も吸血する際に同時に出しながら吸血しています。これは獲物に吸血されている事を気づかれない為にあります。また、蚊も人間に吸血する際に麻酔成分を同時に出すので、吸血の仕方はヒルと似ています。
ヒルと毛虫はどちらの方が有害?
ヒルは外観が悪く血を吸うので人からあまり良いように思われていません。そして毛虫も見た目も気持ち悪く、ヒルと同じくらい多くの人に嫌われている虫です。どちらも害虫には変わりありませんが、違いが少しあります。
毛虫の方が有害率が高い
まず、ヒルは血を吸って傷を負うくらいで、それ以外は特に害はありません。その反面毛虫は害がある虫が多く、毛の部分に少しでも触れたりすると痛痒くなり、数時間後には激しい痒みになってきます。動き方がヒルと似ているので、山へ行くときは間違って触らないように気を付けましょう。
登山やキャンプでは吸血性のヒル対策をしよう!
登山やキャンプなど趣味でよく出掛けている方で、ヒルに血を吸われて毎回悩まされているという方も少なくありません。そこで、ヒルに血を吸われる被害を少しでも無くなるようにヒル対策をいくつかご紹介していきます。